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スパイラルダイブからの回復について
Bird's Eye View Products NEWS
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スパイラルダイブからの回復について (2016/5/23 18:27:51)
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スパイラルダイブからの回復について (2016/5/23 18:27:51)
スパイラルダイブからの不回復による事故(2013年10月MastR13.7)の映像解析及び実飛行検証による最終結論を、下記に御報告致します。
映像はマンフレッドルーマーの第1回目回復操作テスト→事故パイロット映像→DHVパイロットによる検証(パラシュート開傘着地まで)→マンフレッドルーマーの第2回目回復操作テストの順に構成されています。
DHVテストではパイロット(リジッド翼の世界チャンピオン。フレキシブル翼の経験は少ない。)によるテストフライトにおいて故意に同様の状況(高速でのオーバーGがかかる状況)を作り出し、同様の操作を試みたところ、体重移動による操作では回復困難であることがこの映像から読み取れます。
実際、私自身もMastR(テスト機は12.6サイズ)と他機(他メーカーのキングポスト付き上級機)で事故同様のスパイラルとそこからの回復を試みてみましたが、やはり回復の兆しは期待できませんでした。(どちらのテストでも、ベースバーを引き加速させることにより通常飛行に回復。)
もちろん大方のマニュアルには60度以上のバンクや超過禁止速度が唱ってありますが、極端に激しいサーマルに弾かれた際に予想される同様の状況に対する対応策としては、「ベースバーを引いて加速をする以外に回復する方法はない。」という結論が、複数名の専門家及び私自身のテストフライトによる見解です。
つまりこの事故を教訓に、故意(禁止事項ではあるが)か不可抗力かに係らず、メーカー及び輸入元として同様の状況に陥った場合の回復方法についてセーフティノーツとして注意喚起させて頂く次第です。
以下はICARO社が発表した動画と、ICARO社開発責任者のクリスチャン・チエク氏によるコメントです。
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映像はマンフレッドルーマーの第1回目回復操作テスト→事故パイロット映像→DHVパイロットによる検証(パラシュート開傘着地まで)→マンフレッドルーマーの第2回目回復操作テストの順に構成されています。
DHVテストではパイロット(リジッド翼の世界チャンピオン。フレキシブル翼の経験は少ない。)によるテストフライトにおいて故意に同様の状況(高速でのオーバーGがかかる状況)を作り出し、同様の操作を試みたところ、体重移動による操作では回復困難であることがこの映像から読み取れます。
実際、私自身もMastR(テスト機は12.6サイズ)と他機(他メーカーのキングポスト付き上級機)で事故同様のスパイラルとそこからの回復を試みてみましたが、やはり回復の兆しは期待できませんでした。(どちらのテストでも、ベースバーを引き加速させることにより通常飛行に回復。)
もちろん大方のマニュアルには60度以上のバンクや超過禁止速度が唱ってありますが、極端に激しいサーマルに弾かれた際に予想される同様の状況に対する対応策としては、「ベースバーを引いて加速をする以外に回復する方法はない。」という結論が、複数名の専門家及び私自身のテストフライトによる見解です。
つまりこの事故を教訓に、故意(禁止事項ではあるが)か不可抗力かに係らず、メーカー及び輸入元として同様の状況に陥った場合の回復方法についてセーフティノーツとして注意喚起させて頂く次第です。
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この事故は、間違ったパイロット操縦すなわち回復誤操作から生じました。
映像を注意深く見て頂ければ分かるように、ダイブの後、
パイロットはベースバーを前方にプッシュしてターンしていること が分かります。
この状況は一見通常に見えますが、 セールの振動から翼が失速していることが見てとれるように、
これは通常の飛行とは言えません。
言い換えるなら、
高速スパイラルでのアタックアングルの増加により失速が起こりコ ントロール不能な状態になっています。
また飛行中にバテンエンドがはじける状況との因果関係も検証しました。「バテンエンドの弾け飛び」は飛行に何らかの悪影響を生じさせる場合もありますが、
この事故の真の原因はパイロットの誤反応です。
正しいアタックアングルに戻すべくコントロールバー
を引くべき所、代りに自分の肩を旋回の外側に動かそう(体重移動での対応)をしています。
この状況は一見通常に見えますが、
言い換えるなら、
また飛行中にバテンエンドがはじける状況との因果関係も検証しました。「バテンエンドの弾け飛び」は飛行に何らかの悪影響を生じさせる場合もありますが、
正しいアタックアングルに戻すべくコントロールバー
そしてベースバーを前方に押し出しすぎたことにより片翼が失速状
態にあったと考えられます。
これが事故映像の解説です。
続く映像は、DHVのテストパイロットであるティム・グラボースク(
リジッドの世界チャンピオンだがフレキシブル翼でのフライト経験 は少ない。)
がこの状況下から通常飛行に回復する方法を知るために、
同じ手順でシミュレート(テストフライト)したものです。
スパイラルした機体は加速度がすでに非常に高く、このスパイラルが続く限り内側の翼は失速し旋回半径が更に小さく、降下速度は更に速くなります。
加速度が増し翼への荷重は迎え角を増やし、そして、 最悪の状況を引き起こします。
「その状態から回復させる唯一の方法は、 ベースバーを引いて加速させるしかありません。」
アレックス・プロナー(クラス1の世界チャンピイオン)はティムに、「もし同様のスパイラル状態に陥った時(通常飛行またはアクロバットフライトのいずれにおいてででも)、今回のテストと同じような回復操作を行うか?」と尋ねました。。
ティムは「それ(体重移動による回復操作)は正しい回復操作ではないので、決して行わない。」と回答しました。
事故の映像と同様にベースバーを引かず、
肩を旋回の外側に動かすことで対応しようとしています。やはりスパイラルからは回復せず、やむなくパラシュートを開傘しました。
そしてこれは彼がDHVから依頼を受けて行なった大変危険なマ ヌーバーです。
マンフレッドルーマーは、穏やかなコンディションで、 スパイラルから正しい回復操作をし、
バテンエンドが開くかどうか調べるために2回のテストフライトを行 いました。(1番目と4番目の映像参照)
彼は数Gの荷重がかかる操作をしてみましたが、 バテンエンドが開くことはありませんでした。
そしてこの最初のテストフライトの後、
バテンエンドが開きやすくなるよう故意にバテンエンドを緩めて飛びまし た。
2回目のフライトではスパイラル中にいくつかのバテンエンドは開きました。
ビデオを見てわかるように、 バテンエンドは開いていますがベースバーを引いて加速するとグラ
イダーは通常飛行に戻っています。
なぜ失速した機体が通常飛行に回復できなかったのか?
そしてこれは彼がDHVから依頼を受けて行なった大変危険なマ
マンフレッドルーマーは、穏やかなコンディションで、
彼は数Gの荷重がかかる操作をしてみましたが、
そしてこの最初のテストフライトの後、
2回目のフライトではスパイラル中にいくつかのバテンエンドは開きました。
ビデオを見てわかるように、
なぜ失速した機体が通常飛行に回復できなかったのか?
スパイラルした機体は加速度がすでに非常に高く、このスパイラルが続く限り内側の翼は失速し旋回半径が更に小さく、降下速度は更に速くなります。
加速度が増し翼への荷重は迎え角を増やし、そして、
「その状態から回復させる唯一の方法は、
アレックス・プロナー(クラス1の世界チャンピイオン)はティムに、「もし同様のスパイラル状態に陥った時(通常飛行またはアクロバットフライトのいずれにおいてででも)、今回のテストと同じような回復操作を行うか?」と尋ねました。。
ティムは「それ(体重移動による回復操作)は正しい回復操作ではないので、決して行わない。」と回答しました。
クリスチャン・チエク
以下原文
以下原文
The problem came out from a wrong pilot maneuver, followed from a wrong correction.
If you carefully
watch the video, you will see that after the dive, the pilot starts to turn and push the bar forward. The situation seams quite normal, but it is not, because
the vibration of the sail is an indication of the stall that occurs to the wing. In others words, this pilot made a high speed stall during a
spiral.
The fact that the battens ends open is something that make the situation worst but the real problem is the reaction of the
pilot.
Instead to pull on the control bar to re-establish the right angle of attack on the wing, this pilot just tries to move outside of the turn
his shoulders, leaving the bar too much forward considering the fact that one wing is in stall.
This is the explanation of the first accident.
Then the DHV test pilot, Tim Grabowski (rigid wing World Champion but with not a very big experience on flex wing) tried to simulate the same
situation, using as a method to re-establish the normal flight conditions, the same procedure: leaving the speedbar far in front of his shoulder and trying
slightly to move his shoulder outside of the turn. What it is crazy, it is the fact that this correction maneuver was suggested to him from the president of
DHV!!!
Manfred made two tests flights, to demonstrate the right correction maneuver and to check if the battens ends could open when in
good conditions. He tried several high G maneuvers and he was not able to open the battens ends. Then, after this first flight, he broke the battens ends on
purpose, just opening them without pressing the rear part of them on the ground.
On the second flight, during the spiral, some battens ends opened.
As you can see in the video, even with the battens ends open, pulling on the control bar the glider starts to fly again in a normal way.
At
this point, the question could be this: why a stalled glider could not re-establish the normal flight conditions by itself like we (all pilots) are used to
know?
Because during a spiral the acceleration is already quite high. If during this spiral, the inner wing stalls the radius of the spiral became
smaller and the vertical speed higher. The acceleration increases and so the load on the wing increases the angle of attack, causing a worst situation. The only
way to re-establish the normal flight conditions it is to pull on the control bar.
Alex Ploner asked to Tim Gabrowski if he would perform a
similar maneuver in both, a normal flight or during aerobatic. He said: "No, because that is not a correct maneuver"!
Please, let me know if
everything is clear.
Best
regards
Christian
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