ホーム >> RSSセンター >> 2015CooXCカップ

RSSセンター

  メイン  |  簡易ヘッドライン  

link 競技事業部|日本パラグライダー協会(JPA) 競技事業部|日本パラグライダー協会(JPA) (2024/10/31 8:42:22)

feed 2015CooXCカップ (2015/3/30 20:33:24)

                         レポート 宮田 歩
北関東平野、筑波エリアは春のXCシーズンは真っ盛り!「CooXCカップ」が茨城県エアパークCooで開催されました。

春の恒例となっているこの大会の魅力は、なんといってもシンプルなXCタスク!思い切りXCを楽しんでいただくために、主催者も万全の態勢で選手を迎えてくれました。これは選手もビックフライトで答えるしかありません!!まずは、おいしい朝食サービスでパワーを蓄積です。スタッフの皆さん、いつも早朝からありがとうございます。

初日21日。
早朝のテイクオフは強めの東風のため、受付後じっくり本部でブリーフィングを行いました。予報では南東風にシフトするに従い、風量は収まるだろう。そして、北上し栃木県に入るとさらに南風に・・・。これは典型的な筑波でのXCコンディションとなりそうです。

全員がテイクオフへ上がったころには風は収まり、上空の高層雲も薄くなってきました。順調に上昇するダミーパイロットを見て、コミッティはタスクを決定。PCLは東側エリア内、足尾山頂を起点に3周する14.5㎞(シリンダー間距離)。PNLはシンプルに北へ67㎞の黒羽ゴールが発表されました。

ウインドオープンとともにコンディションはさらに好転。テイクオフしていく選手から、もれなく上昇していきます。エラップスタイムレースとなったPCLは、地元Coo林選手がトップスタート!他のPCL選手を牽引していきます。そして、PNL選手はほぼ全員が12:30に一斉に空中スタート!

PNLトップグループを牽引するのは扇澤選手。最初の難関、高峰エリアを東側コースで単独突き進みます。やや後方の宮田、大澤選手は積雲ができ始めた西側コースを選択。

ぽつぽつとできる積雲を追いかけるように西側集団は北上しますが、積雲の下についたころには消滅・・・。なかなか雲底に抜けるような良いサーマルをつかむことができません。1200mの逆転層下を我慢のフライトつづけながら、ジリジリと北上していくしかありません。東側コースを単独突き進んだ扇澤選手は、茂木町手前に撃沈・・・。やはり単独は厳しかったようです。

ドラマがあったのは40㎞付近。稲見選手率いる烏山町西側ゴルフ場コース、高杉選手、大澤選手は那珂川東側の河岸段丘に集団は分かれます。最初にヒットしたのは東側!採石場で高杉選手が強烈なサーマルをヒット!すかさず大澤選手、中村選手が追従します。

一方、西側コースは周期的に形成される積雲下に渡来しますが、すべてスカ・・・。ジリ貧の高度で那珂川上空へこぼれ、弱いサーマルにしがみ付きます。地を這うように回し続けることで那珂川東側の河岸段丘へたどり流れ着き、やっとサーマルは立ち上がり復活。

残り15km、最初に1300mの逆転層を超えるサーマルをゲットしたのは高杉選手。一気にファイナルグライドヘ突入。下層の南風に上空の西風が乗り上がっていたようで、ほとんど高度ロスなく至福のグライディングです。そして、2位以下に6分もの差をつけてタスクを制止ました。2位は絶妙なファイナルグライドへの離脱を決めたTAK中村選手。3位は上げすぎてしまった宮田。その後、次々と15名の選手がなだれ込むようにゴール!女子トップは絶好調の吉川朋子選手!PNL初ゴールとなったKPS中島選手、寒風山向田選手おめでとうございます。

さて、渋かったPNL栃木県エリアでしたが、筑波エリアの好条件は続いた様です。トップスタートの林選手はそのまま先頭を守りきり、他の選手よりも1時間も先にトップゴール!50分のもちろん最速タイムを叩き出し貫録のトップ!スタートを遅らせた地元Coo北島選手は56分で2位。3位は宇都宮の田村選手です。オープンクラスも含め、8名の方がゴールを達成しました!

22日
快晴の朝。午後の前線接近に伴い寒気が流入、サーマルトップは1800mまで押しあがる予報となりました。こうなれば、PNLはやはり北上タスク!PCLも平沢ゴールが狙えそうです。

南西風が強まる前に、タスクは早めに決定、テイクオフでコンディションの好転を待ちます。西テイクオフからは、茶色い2層の逆転層がはっきりと見えます。予想以上に高気圧の動きが遅いのでしょうか。これは渋そうです・・・。

それでも、好転する予報にPCLは西側を周回した後北へ15㎞の平沢ゴール。PNLは82㎞の横岡ゴールが設定されました。10:30にPCLからウインドオープン。ダミーも上がらない渋いコンディションに、誰しもが待つ雰囲気でしたが・・。最初にテイクオフゾーンに入ってきたのはKPS清水選手。ファーストサーマルを確信しているかのように颯爽とテイクオフし見事ヒット!トップアウトしていく姿はまさに漢!かっこよかったです。それを見たPCL選手も続々とテイクオフしていきます。

11:30続いてPNL選手も次々とテイクオフしていきます。渋い西側で上げた選手は、すかさず東へこぼれます。弱いリーサイドとなった盆地内は、荒れたサーマルでしたが1000mまで押しあがり、何とかステイできます。ほとんどの選手が東側へシフトしてPNLは12:00に一斉スタート!

昨日以上に厳しいコンディションの中、レースは続きます。先頭集団は、難関の高峰エリア西側コースを選択し、単独先行していたリジットハングを追いかけます。そして、30㎞の茂木町にたどり着いたころには、やっと積雲が東の空に・・・。

高層雲はどんどん厚く、そして日照が弱くなるのですが、サーマルトップは1300mを超えるようになってきました。どうやら、上空に冷たい空気が入ってきたようです。順調に烏山を越えたころには、1000mの高度もしっかりとした南風に変わってきました。これはゴールできそうな雰囲気になってきました。

しかし、15時を過ぎたころ高層雲はさらに厚くなり、コース上はすっかりオーキャスト・・・。次々とランディングしていく選手の中、青木の吉田選手、立山のリーダー、扇澤選手、宮田が最後まで生き残り、何とか距離を伸ばしていきます。

残り10㎞でサーマル活動は完全に終息。残った高度を距離に伸ばすファイナルグライドとなりました。最後に弱いサーマルをひっかけ、手裏剣のように距離を伸ばした宮田でしたが、それも手前6㎞で終了し無念のランディング。横岡ゴールはかないませんでしたが、15名の選手が40㎞を越え、厳しかったXCタスクを楽しむことができました。

さて、PCLの戦いは!?午後になり、Coo西エリアは一瞬コンディションが好転!!サーマルトップは1900mまで押し上げられました。粘り切ったPCL選手はあっという間にエリア内を周回し、平沢ゴールへ!トップゴールを決めたのは地元Coo平松選手。勝負に出た宇都宮田村さんは痛恨の600mショート・・・熱いバトルだったようです。バーズ芦田選手は1900mテイクオフ上空から余裕のファイナルグライド。リフライトしたパイロットに幸運が残っていたようです。そして、初のPCL参戦となったエアロクルーズ小田選手は見事初ゴール!!と思われましたが痛恨のタスクミス。シリンダー順が間違っていたようです。それでも大健闘です。

PNL総合優勝は宮田選手が逆転優勝。初戦朝霧に続き2連勝となりました。2位は立山の中島選手。3位は青木の吉田選手。PNL女子優勝は宇都宮の吉川選手。吉川選手は総合でも5位に入賞されました。ここ数年の吉川選手の急成長ぶりは凄い!男性選手も負けてはいられませんね。

PCLは2日目トップゴールのCoo平松選手の初優勝。2位は八方尾根岡野選手。3位は宇都宮の田村選手。女子優勝は寒風山の籾山選手でした。みなさんおめでとうございました。

2日間XCカップにふさわしいタスクが成立することができました。次回は、4月11,12日に「CooSpringCUP」が開催されます。まだまだXCシーズンは続きます。安定しない春の天気ですが、良いコンディションが当たれば福島県国見ゴールにチャレンジしてみたいものですね。その時は、スタッフの皆さん回収がとっても大変かと思われます。よろしくお願いします!!



execution time : 0.008 sec