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feed TEAM MARU セミナー @ 滝川 北海道新聞に掲載されました。 (2015/2/11 23:35:40)
先月 1/31 に北海道 滝川スカイパークで行われました報告会で北海道新聞の取材を受けておりましたが滝川での選手権復活への記事の一部として北海道新聞 2/6 25面に掲載されました。
(インターネットの北海道新聞ページは こちら



紙面の都合でインタビューの全体は掲載されておりませんので補足しておきます。


競技会はトップを決めることにフォーカスがあたりがちですが、これだけが競技会の目的ではありません。競技会は技術交流、文化交流の場でもあります。

これはグライダー競技ルールが定められている FAI Sporting Code Section 3 Annex A の最初に記載されています。

PART 1 GENERAL

1.1 OBJECTIVES OF THE CHAMPIONSHIPS (競技会の目的)

The objectives are to:
a. Select the champion in each competition class on the basis of the pilot's performance in the tasks set;(選手権者の選出)
b. Foster friendship, co-operation and exchange of information among soaring pilots of all nations;(世界中のソアリングパイロット間での友情、協力、情報交換の促進)
c. Promote worldwide expansion of the public image of soaring;(ソアリングの世界でのイメージ向上促進)
d. Encourage technical and operational development of the sport;(スポーツとしての技術、オペレーション向上)
e. Encourage the development of safe operational procedures, good sportsmanship, and fairness in the sport of soaring.(安全なオペレーション手順、スポーツマンシップ、フェアネスの促進)

たとえば、現在は一般的に使われている GPS フライトレコーダーは1995年のニュージーランドでの世界選手権で導入され、ログファイルが公開されることで、世界のグライダーパイロットの飛行技術は飛躍的に向上してきました。(過去 GPS が使われるようになった経緯は  Tables of all IGC-approved Flight Recorders  の PART 3 - HISTORY OF GNSS AND ITS USE IN IGC  にまとめられています)
一例を挙げればヤンタースタンダードといった40年前のグライダーでのクロスカントリー平均スピードはこの20年で 20km/h 以上早くなったと言われています。GPS ログの研究が進んだ結果です。

日本では現在残念ながらXC競技会は開催できていません。競技会が無いと言うことは、技術交流に伴う発展が遅れていることは否めません。日本のグライダー発展のためには、競技会開催は必要であることは言うまでもありません。

では競技会を再開すれば良いのか、それだけですむ話でもありません。一般のスポーツ競技会と異なり、グライダー競技はリスクの高いスポーツです。実際世界選手権でも事故は頻発しています。
 技術的な点から言えば、一人でのんびりクロスカントリーを楽しむフライトと、同一コースを複数の機体で飛ぶ際には普段のフライトとは別の技術が必要になります。
 メンタルな点からも、競技会になると雰囲気に飲み込まれ、普段だったらやらないようなことをやってしまうケースもあります。
 昨今のコンプライアンスの意識の高まりから、主催者側は事故を起こせば管理者責任を問われる場合があり、海外のように自己責任という訳にはいかないのが現状です。

日本はグライダー競技に関して言えば後進国であり、まず競技文化自体を形成することから始める必要があります。安全に、グライダー競技を楽しめるようになるには何が必要か、まずは世界の現状を知り、グローバルスタンダードに近づける努力が必要になると思います。皆さんで考えることから始めてみませんか?

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