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link 呉本圭樹blog 呉本圭樹blog (2025/1/10 10:39:10)

feed 最終日の決戦 (2016/10/9 22:18:43)
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最終日前日は雨。
ここにきて初めて朝から天気の悪いレユニオン。
少し足を延ばして火山に行ってきましたが、この話は次回。

最終日打って変わって朝から快晴。
最後の一本、これはせめて飛ばない理由はもうありません。


もしやこれは初日のようにいいコンディションの再来なのか?
そう思って準備をしていると・・・・・・
状況がどんどん変化していく

すると、サーマルが良すぎるこの日のコンディションは、昨日の雨による湿度の上昇で、
一気に雲が発達。
黒い雲が一気に空にふたをされて行きます。
その高さはテイクオフから200mほどくらい。

サーマル活動はある様子。
飛べるのは確かで、飛んでいるグライダーも、何機かはサーマルをひっかけて上昇。
と言ってもテイクオフ程度の高度しか上げられない状況。

その中で、最終日のタスクが決まり、後は離陸を待つだけだが、いざ離陸時間になるころには
空の状況が悪化。
テイクオフの延期、そしてタスクの変更が続き、当初のスタートから遅れること1時間。


テイクオフの前を行ったり来たりしてゴールへ向かって北上。
ただそれだけの40㎞という短いタスクですが・・・・


飛び始めると、少し上昇すると雲、ただ、上昇しないと地面・・・・・。
あぁ、気の抜けない状態。

そしてその状態のままスタート。
距離は短いのですが、なかなか進めない・・・・。とはいっても、
私は仕掛けていきます。

さて、私がこういう時に、本当にうまいパイロットというのが見えてくる気がします。
この日、ちゃんとした場所にいれば上昇ができる。しかし、そのまま上がりつくと雲の中に入ってしまう。
そうなると、今度は高度が落ちる場所に行かないといけない。
スタートするときにはできるだけ高いいい位置でのスタートが望ましい。

そのような条件下にいるときに、うまいパイロットは、いい上昇のところを入ったり出たりと、一回の旋回から高度調整をしていきます。
上昇気流をただ上昇するために使うのでなく、自分の必要な上昇をしていくことができるパイロットは本当にうまい。

今回優勝したクッフェルや、若手ベテランのミハエル・シーゲルなんかはそのあたりが抜群にうまい。

そんな中、私は他のグライダーが躊躇しているところを先に進み、弱いサーマルを当てていくことで攻めていきます。
高度は下がりますが、サーマルが強いところだけを狙って貯金している高度を一気に下げてでも先に進みます。

かなりリスクのあるレース展開ですが、何人かがこれに引っ張られ、同じように推移することで、サーマルに当たる確率も
高くなります。

ゆっくり進んでも、得られる高度は決まっているので、その最大の高さから来られても追いつかれないまで進めることが目的。
と、そう思っても思うようにはいかず、少し上昇に手間取ると、後方から追随してくるグライダーに追いつかれます。


そして最後の北上。
この直前、4機程のグライダーがいい上昇で我々の上を先行していきました。
くそ!と、追撃をするものの、高度が取れなくスピードはとれない。

北に進むと最後の強いサーマルに当たり、これまでなかったような上昇。
そして雲の高さも一気に上がっていき、後はまっすぐゴールへ向かうだけ。

目の前にはさらに上昇が激しそうな雲。
なので、私は他よりも少しだけ早いタイミングで上昇から離脱、一気にスピードを最大に上げて
行きます、高度も一気に下がっていきますが、その先の上昇に入ることで十分高度は足りるのと、
これ以上上昇しては、先の雲の中にはいることになり、そうすると、その分、高度を落とさないといけないペナルティー
を食らいます。

狙いは当たりますが、先行したグライダーには結局追いつかず。
結局3位でゴール。

この日トップを取ったのは弱冠18歳のパイロット。
うーん、若い思い切った飛びにやられた・・・・。


しかし、最後はしっかりとスピードレースをすることができ、
総合の順位を14位まで上げて今回の大会を終えることになりました。

これでワールドカップ最終戦のブラジルの大会は確実に枠に入りました。
復帰戦としてはまぁまぁのところで、当初の目標は達成しました。


この日の夜、表彰式が行われ、
女子はクローディア


総合ではクッファーが優勝を飾りました。


2016年のワールドカップは最終戦のブラジルで2016年の勝者を決めることになります。
応援ありがとうございました。

明日、帰国の路につきます、



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