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link 飛行中年 飛行中年 (2024/12/25 18:57:24)

feed 同じ木でもぜんぜん違う! (2015/6/2 15:40:22)
今回はまったく同じ樹種でも、その成長した環境が違うと別物になるというお話‥。

まずはケヤキ。

ケヤキは高級木材として扱われることは知られていますが、実は木材として価値があるのは芯が赤いケヤキだけ‥。

全く同じケヤキでも芯が黄色いのや青みがかったものがありますが、価値があるのは赤いものだけだそうです。

でも、これ実際に薪にするときにその違いがよく分かります。

赤い芯のケヤキはずっしりと重く、斧で割るときも一苦労します。明らかに芯の硬さが違うのです!

このような芯の赤いケヤキを薪にした場合、本当に良い薪になってくれます。

芯の部分が石のように固い「熾き」になり、火持ちが大変良いのです。



こんな芯の赤いケヤキに対し、上の写真は先日大量にいただいたケヤキ。

芯の色がほのかに黄色いくらいで、木の重さもそれほどではありません。

斧で割るときも、まるでサクラのように簡単に割れてしまいました。

おそらくこのケヤキ、もらっておいてなんですが、それほど良い薪にはならないだろうと思っています。

同じ樹種でもなぜこんなに違うのか‥。

はっきりとはまだ言えないのですが、おそらくこれは生えた環境にあるのではないかと思っています。

過去ウチで頂いたケヤキの中で、芯が赤かったものは確か防風林として植えられたものだったと思います。

防風林としての環境を考えてみると、日差しは十分得られるものの風当たりが強いことが考えられます。

このような環境では、既に日光は十分得られているためそれほど早く成長することは要求されていないため、ゆっくり成長しながら強い風に耐

えられるの強度を保つためにしっかりと「赤い芯」を作っているように思えるのです。

逆になる先日頂いた黄色い芯のケヤキですが、これはどうも林の中に生えていたもののようです。

このような林の中の環境では、木は早く日光を得るために出来るだけ早く成長していくと思うのです。

結果中身はスカスカになってしまいますが、でも、林の環境ならば風当たりも弱く木の強度は要求されないと思うのです。

だから同じケヤキでも、育った環境でまったく違う性質を持つ、芯が赤いものや黄色いものが出来るように思えるのです…。

…。

話し変わって今度はクヌギ!

クヌギは私たち薪ストーバーにとっては大好物の木…。

クヌギは火持ちも良く、筋も通っていて非常に割りやすく薪にするには最も適した木です。

しかし、先日思いもよらない「クヌギ」に遭遇してしまいました…。




このクヌギ、斧が弾き飛ばされるくらい硬いいままで経験したことがない頑固なクヌギでした。

そのため仕方なく15センチおきくらいに輪切りにして、ようやく斧で割ることができたため、こんなブロックのようなヘンな形の薪になっ

てしまいました…。

普通クヌギは少々径が大きくても斧がスパスパ入ってしまうものですが、こいつはその常識がまったく通用しませんでした。

しかし、このクヌギの生え方を思い起こした時その謎が解けました!

実はこのクヌギ、横方向に成長していたのです。

これはつい最近私も気付いたのですが、木は横方向に伸ばざるを得なくなったとき、その強度を保つために捻じれながら成長している

ようなのです。

木が横方向に成長しようとすると、おおきな曲げの力に耐えなくてはいけません。

この場合、通常のように筋が通ってしまうと簡単に裂けてしまうのです。

だから木はそうならないように捻じれながら成長し、筋をまるでロープの撚りのように絡ませながら成長するんだと思うのです…。

筋に撚りがかかると木の強度は格段に上がると思います。

私は仕事で炭素繊維なども時折あつかいますが、ロービングと呼ばれるまっすぐな繊維だけのカーボンファイバーは横の力が加わると、結構

あっけなく折れてしまいます。

しかし、チューブと呼ばれる螺旋構造に編み込まれた炭素繊維は横方向の力に対して格段に強くなるのです!

おそらく木が横方向に伸びるときに捻じれながら伸びるのは、まったくこの原理と同じだと思うのです…。

このシーズンは他にもエノキ、コナラで同じように横方向に伸びた木を薪にしましたが、やっぱり筋が螺旋になっていて割るのに一苦労してし

まいました。



薪ストーブを楽しむ上で薪作りは不可欠です。

その薪作りも重労働であり、ましてや手ごわい木に当たってしまったときはその重労働が何倍もの過酷な労働になってしまいますが、だからこ

そ普段では気付きにくいこんな面白い木の性質にも気付くことが出来たんだと思います。



苦労する薪作りですら、こんな発見があるととても面白く感じるから不思議ですね!








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