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link 飛行中年 飛行中年 (2024/12/25 18:57:24)

feed どんな形の飛行機でも飛ぶんです! その8 (2016/10/30 16:25:39)
今までこの連載で、「ピッチの安定には前翼と後翼の翼の取り付け角の関係が重要!と言いながら…。



上記の図をご紹介して、皆さんにどうすればピッチの安定が取れて飛行機が飛ぶことが出来るかをご説明してきました…。

しかし…。

世の中には実は2種類これの例外といえる翼が存在しています。

その一つはプランク翼と言われる無尾翼機の一種があります。

通常、無尾翼機ではピッチの安定をよくするために後退角が持たされています。

こうすることで、同じ翼で翼根、翼端と前後の距離を稼ぐことが出来、これで、上記のピッチ安定の図にある角度の関係を作ってピッチの安定をとっているんです。

しかし、プランク翼には後退角がありません。



この飛行機、垂直尾翼はありますが、一般的に見られる水平尾翼がなく、無尾翼形式なのではありますが通常無尾翼機で見られる「後退角」も

ないんです…。

これ、なぜ後退角がなくてもピッチの安定が取れるかというと…。


上の図は後退角のない無尾翼機、プランク翼の翼型(翼断面)ですが、ご覧のように後ろが反り返っています。 

専門的にはこの反り返りをリフレックスなどと呼んだりしますが、この反り返りが重要なんです!

この反り返りがあるため、翼の中でピッチの安定を保つための浅い逆ハの字が存在しているんです!

そのため、水平尾翼を持たず、後退角すら持たない無尾翼機の仲間プランク翼でも立派にピッチの安定を保ちながら飛ぶことが出来るんです。


さて、浅い逆ハの字の角度の関係を持たずとも、立派に空を飛んでいるもう一つの飛行機…。皆さんわかりますか?

実は紙ひこうきなんです。(笑)

よく紙ひこうきを見てください。

上の飛行機のピッチの安定を保つ浅い逆ハの字の翼の角度の関係なんてありませんよね!

で、紙ひこうきはなぜそのような翼の角度の関係がなくても空を飛べるかというと…。



揚力が生まれた時点で、翼の前縁を回り込んで下の空気が上へと回り込んでくるため、翼の後ろの方では風の方向が上から下へ向かう向きに偏向されるんです。

つまり、紙飛行機では翼の後ろが常に上の方から風を受けているため、浅い逆ハの字の角度を持たずとも、風の方が向きを変えてくれ、結果的にピッチの安定を保つための浅い逆ハの字の角度の関係を

作り出してくれているんです!

この特性、ジェット戦闘機などで用いられている三角翼でもまったく同じ効果があり、ピッチの安定を保ってくれています。

紙飛行機とジェット戦闘機が同じ理屈で安定を保ってくれているなんて、意外ですよね!


今回のこのブログの結論をいうと、

たとえプランク翼や紙飛行機など、ピッチの安定を保つの翼の角度の関係がない形式の飛行機でも、結果的にそれが果たせるような

メカニズムを持っている!と、いうことですね。



次回は宮崎アニメにも出てきた話題の「あの飛行機!」を取り上げて、なぜ上手く飛んでいるか考えてみたいと思います!


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