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feed どんな形の飛行機でも飛ぶんです! その16 (2017/6/17 7:21:42)
前回は、ライト兄弟よりも先に飛行機を飛ばしたのでは?と、言うことで、クレマンアデールという方を御紹介いたしました。

しかし、本当のことを言うと、この時代、飛行機を飛ばそうとしていた方は、世界の各所に何人もいたのです。

リリエンタールに始まるグライダーの実験の中で、誰もが「このグライダーに動力をつけたら、ずっと空を飛んでいられる機械が作れるのでは?」そういう共通思考を持ったのです。

この新しい空を飛ぶための機械の発想。実は、各国の「軍」も注目していました。

空を飛ぶ機械があれば、戦争を有利に進めることが可能であると考えたからです。

そのため、アメリカでは、軍がある発明家に対し、飛行機の開発をバックアップしていました。

ラングレーと言う方です。

軍は、その当時最も空を飛ぶことに成功しそうな発明家として、ラングレーを抜擢。

彼に投資し、飛行機を実用化しようとしたのです。



この方、上のような前後に主翼のある「串形翼」の飛行機で、空を飛ぶことに挑戦していましたが、結局はライト兄弟に先を越されることになります。

で、このラングレーの飛行機が本当に空を飛ぶことが出来たのか…。

これは私の独断なのですが…。結構微妙なところだと思いますが、何とか飛ぶことは可能だったのでは?と、思います…。

写真のような水上カタパルトより飛びたつ計画でしたが、記録では、何度かの実験はしたものの、飛ぶこともなく落ちてしまいました。

ラングレーの飛行機を見ると、串形翼という特徴があります。

この形式、以前にもご説明しましたが、本来なら水平尾翼が必要ありません。

何度もこのブログで御説明しているように、前後の翼の取り付け角が…。



上の関係になっているならば、水平尾翼は不要であり、飛行機はピッチの安定を保って空を飛ぶことが出来ます。

で、ラングレーの飛行機をよ~く見ると…。

小さな水平尾翼があり、2枚ある主翼には、機体に対し同じくらいの取り付け角がつけられています。

本来なら、水平尾翼を取って、前後の主翼に上図のピッチの安定を保つための、逆ハの字の角度の関係を持たせれば、飛行機は飛びます。

ラングレーの飛行機の場合、小さな水平尾翼、それに、2枚の主翼の配置ではありますが、わずかですがピッチの安定を保てる形式にはなっています。

特に串形翼の場合、たとえ前後の主翼の取り付け角に、上記の逆ハの字の角度の関係がなくても、前翼が作る気流の吹き下ろし(洗流という)の効果で、ある程度はピッチの安定が出ただろうと思います。

つまり…。

ラングレーの飛行機は、微妙ではありますが、飛ぶ可能性はあったと思います。

ラングレーの飛行機がこのとき飛ばなかったのは、おそらくですが、機体の剛性不足か強度不足、それに、パイロットの腕のせい(ラングレーは自らは飛行機に乗らず、あまり訳のわかっていない人間を搭乗させていた)だと私は思うのです。

そういう意味では、実はライト兄弟の飛行機の方が、むしろ、飛行が難しい形をしていると思います。

なぜライト兄弟の飛行機は、その飛行が難しいのか…。

それについては次回ご説明いたします。




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