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link 呉本圭樹blog 呉本圭樹blog (2025/1/10 10:39:10)

feed 快進撃 ここからの追撃 (2017/6/24 14:28:10)
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残りの日程をトップに近い成績で飛びきること。
それがこの大会で私にできることです。
グライダーの調子はすごく良く、そのおかげで攻めに行ってしまって先日は
途中で降りてしまいました。
でも悪くない手ごたえもあります。グライダーが少しずつ自分のものになっている感じです。

大会5日目のこの日、天候もよく、いつもよりも30分早く集合がかかり、
一番広いテイクオフ(T.O.)へ上がるものの、T.O.の風は風速10m/s以上。
さすがに飛べる風ではなく、選手たちも、グライダーを出すことさえしません。
まぁ、これで飛んだら確実に飛ばされて行ってしまう・・・・。

ということでしばらくの待機



時間がたつにつれ、少しずつ風は弱くなっていき、そうしている間に、タスクコミッティー
達はタスクを考え、62.4㎞のたすくが発表されました。



風に逆らわず南西へと走っていくタスク。
発表され、風も少しづつ落ちてきているとあれば、飛ぶことになります。
相変わらず6m/s以上の風ですが、これなら問題なく出れます。

離陸とともに上昇。
最初は斜面に当たる風の上昇で山の斜面を移動しながら高度を稼ぎ、その中で、サーマルが混じっている場所を
探しながら、サーマルに入ったら旋回。
風には流されるので、ある程度山の稜線より奥まで流されたら、また風上に出て上昇を探していきます。

昨日のように強いだけで安定はしている。
ただ、昨日のこともあり、ある程度高度を稼いで山から離れると、定期的に強いサーマルが出てくることも
わかってきています。エリアに慣れてくるとそういった風の傾向もわかってきます。

上昇しては風上に移動していくのを繰り返していくと、突然強いサーマルに当たり始めます。
強い上昇気流が周期的に発生しはじめ、今までできていなかった雲を発生させ始めます。


高度は徐々に1700mを越え、雲まではあと200mほど。
他の選手たちもそれに集まってきます。

今日はタスクキャンセルになることないようにと願いつつ高度をできる限り上げていく。
数人の選手たちは、高度を稼げているこの状況に雄たけびを上げて楽しんでいる奴らもいたりします。

私も同じ気分。


スタート時間にこのままなり、一斉にスタートを切っていきます。
南下しながらスタート位置はトップに近い位置。
全体的に山よりも少し離れて進んでいくのに対して、私は山の真上を通るコースを選択。

少しずつその距離は広くなるものの、まずは山側でサーマルを捕まえ、ある程度進んでいくと、
谷を越えていく前に山から離れた場所でサーマルでしっかりつかみます。

ここで大きくなった集団は谷を渡っていきます。


私は数機と南西、次のターンポイントへの近い距離への移動に対し、
大きな集団は田に渡った先の山の峰を狙って真っすぐ南へ移動。

条件的にはそちらも硬い選択だと思うものの。風が淀みやすい方向へ私は進みます。
谷を渡った先で弱い上昇をひっかけ少し高度を取り戻していくと、
そのままの高度でひたすら先に進んでいくペペ選手を数機。
目で追いかけながら高度を上げていくと、突然彼のグライダーがロケットのように上昇。

すかさず私も旋回をやめて一気にフルスピード!

そのサーマルに私とヤッセン選手が飛び込みます。
ペペ選手一行はそのまま雲の高さまで行って先行していきます。

私とヤッセンもそれに続きますが、少し遅れてます。
この時点で、ゴール到達高度はー400m。
コース取りをうまくやっていけば、これ以上サーマルに乗らなくても行けるかもしれません。


サーマルで旋回するということはそれだけ進む時間が遅くなる。
特に今この状態で、ペペ選手一行に追いついて追い抜くことを考えると、コース取りを考えるしかありません。
ヤッセンも同じように考えていた様子で、コースを少し迂回しながら山の尾根の上を狙っていきます。
私もそれと同じコース取り。

そこでは思った通りの上昇ライン。高度を落とさないまま。いや、むしろ上昇しながら進みます。
なのでかまわずにアクセルは3/4以上踏んでグライダーを暴れさせないようにだけ気を付けて飛びます。

この時、我々よりはるか先に進んでいた2機のグライダーがいたのですが、低く先行しすぎて高度をその先で上げるのに
手間取っているのが見えます。これは問題なくパス。

最後のパイロンでようやくペペ選手一行をとらえてターンポイントを取り、最後のゴールラインへの滑空。
高度はこの時には到達予想高度+300mと出ているので、高度を失ってもスピードを出していけばいい。
最後の6㎞をフルスピードで飛びます。
私の前にはこの時点で3機。

しかし。当然彼らもフルスピードです。
グライダーが暴れないように、そしてつぶれないように緊張もMAXにしてグライダーをコントロール。
このグライダーで、これだけ長い時間MAXスピードで飛ぶのは初めて。
ENZO3(私のグライダー)はいままでの2より、サーマルに敏感。そのために、スピードを上げるほど、
少しの風の乱れで、グライダーが反応していきます。
でもスピードは緩められない。

さすがに最後まで距離はつめたものの追い抜くことはできずに4位でゴールラインを切りました。


今日はいい出来。
入賞圏内にはもういませんが、最後まで順位を上げ、その先の世界選手権につなげていきます。
残りは最終日。


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