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タスク5 先読みの難しい気象変化
呉本圭樹blog
(2025/1/10 10:39:10)
タスク5 先読みの難しい気象変化 (2017/7/9 17:02:08)
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タスク5 先読みの難しい気象変化 (2017/7/9 17:02:08)
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朝、起きると、外は霧の中。
しかし、H.Q.に到着するころには雲一つないほどに晴れ渡っていました。
この移り変わりがまた天候の読みを迷わせる。
ルーチンのようにT.O.へ上がり、離陸の準備をする。
ここ2タスクはストップだったり、気温減立の急激な安定だったり、この地の天候の変化に対応できていない。
そもそも気象予報と全く違ったりするからたちが悪い。
この日、組まれたタスクは72㎞。
山の天候悪化を懸念したのか、確実な成立のタスクを組もうとしたのかが伺えるような山の際と
沖を使ったタスク。
この一週間いたエリアだけにイメージはできる内容。
土曜日のT.O.はいつもと空気が違い、見物に来ている地元の人も多かった。
見物客を来させるという配慮は日本の大会にはないけれど、こういうことが、
地元の協力を得られることに繋がっているのだと感じます。
さて、離陸時間にはまだコンディションは弱いものの、何とか上昇ができそうなので、
早めに離陸。
上手いこと上昇をつかみ、それに乗り始めるとT.O.上空で1800m。
昨日よりもいい上がり。
スタート地点になる裏の山まで今日も移動
この時点では問題ない気象条件。
この後も裏山の岩壁の上に広がる草原のような山の上で高度制限(2890m)に近い2700mを超える。
これはここにきてから最高の高度。
これだけ活発にサーマルが出ているのならば、この日のレース展開は、スピードレースになるだろうか
そんな考えで飛んでいた。
しかし、気がかりなことがなかったわけでもない。
スタート前30分ことに裏山にとりついた後発組のグループの数十機がある一定の高度より上に
上がってこれないでいた。
明確に高いグループと低いグループに完全に分かれている。
下は極端にそして急激に安定した気温減立になっていってしまっているらしい。
そしてスタート。
雲の高さから一気にスタート地点へ。
スタートのラインを超えて最初のターンポイントはそのまま走る。
気持ちアクセルは緩めた速度で高度ロスを警戒していく。
集団は一気に進む。高度も十分あるので最初のターンポイントであるT.O.の先へは問題なく行ける。
T.O.の上空でサーマルを取り、上げなおしてから先に進めばいい。
そう考えていたのに、その山には上昇音が鳴る気配もない。
そのままターンポイントを超え今度は山沿いを東へ。
昨日とは違って十分に太陽の光が当たる斜面が続くレグ。
しかし、進めど進めど、上昇音がならない。
スピードは緩め、上昇がありそうな山沿いを際まで進むが逆に高度をロスしてしまう始末。
危険を知らせる自分の中の警報。少しでも上昇の気配があれば、とにかくそこで苦しくても様子を見ようと思うが、
この高度には何もない。
100mほど高度の高かった後続の数機は、あるかないかの上昇で待つことにしたらしい。
90機近いグライダーはそのまま進まざるを得ない状況。
そしていよいよ高度が苦しい展開。
まさか2000mの高度を使って移動してサーマルがない状況なんて、しかもこの曇っているわけでもないのに。
そんかことをこの時は考える余裕もなく、地上付近でヒットした本当に弱い上昇にしがみつく。
それに間に合わなかった80機以上はその時に地上の人へ。
そこからこのサーマルに残った20機程が永遠と上がるのでも下がるのでもないサーマルにしがみつき、
永遠と旋回を繰り返す。
高い山の上には後方からとどまって高度を上げたのであろうグライダーが10機程高い高度を飛んでいく。
山の森林限界まで上昇できれば、何とかなりそう。
そう思ってそのタイミングを狙う。
動いたのはそうして30分以上いたころ。
ようやく高度が900mほどまでリカバリーして、一機が山の西側へ。
それが少しづつ上がるのを見計らって私と数機も同じくその下へ。
しかし、残りは東へと向かう。
ここが分かれ道。
私のいった方向は先に上げたグライダーの上昇はすでになく。
なし崩し的に沖へと出ざるを得ない状況。
また弱いサーマルに乗り継ぐが、もうそれも時間切れ。
少しずつ高度のとれる沖へ沖へと進む。
東へといった集団はその先の山で上がるとも上がらないともいえるサーマルを捕まえ、
最終的にはそのまま森林限界を超える高度になり、先に進むことができた。
私はといえば、先にある町に行くのか、林と小さな町の境の地形を沿って飛ぶのか
を迷い、後者を選ぶ。そこには上山選手も。
町に行った選手はここでサーマルをヒットして何とか上昇。
だが、私のとった判断は間違っていたようで。最後に弱い上昇にしがみつくも。
降りてしまったのです。
結局この日、ここを超えられた人はあと20㎞進むことができていた。
そしてその中の6人がゴールをした。
全く、すっきりしないレース。
スカッと飛びたい。
明日はレストデイ。気分を入れ替えよう。
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