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link 呉本圭樹blog 呉本圭樹blog (2025/1/10 10:39:10)

feed 2分する展開 (2017/7/14 14:44:09)
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フェルトレの会場で見つけた一枚の絵


ここには子供たちが描いた絵が飾られています。
パラグライダーというスポーツが描かれている子供の絵を見るのは初めてかもしれません。
この大会を通じて、多くの子供がいろいろな外国人と触れ合うような場面も多くありました。
これをきっかけにここから将来世界で活躍する選手が出てきたり、世界を股にかける人が出てくるかもしれません。

こういうのをやはり、日本でも開催したいと思います。
勿論、その時には、私が勝たないと!!

さて、現実に返ると、上位入賞どころか、順位はもう考えても仕方ないくらいですが、
残りの3日でつかめるものはつかんで帰ります。


朝はなんとも色の生えたきれいな空と雲海。
飛ぶ、という視点から見ると、この状況はいまいちなんですが、
それでもこんな空の中飛んでいたいと思ってしまいます。

時間を追うにつれ、空の様子は変化していきます。
谷の逆転層が上がってきて、サーマルが発生しだすと、いつものように低い雲がわいてきます。
木曜日はコンディションが最高だといっていましたが、思うほどよくはなっていない様子。


組まれたタスクはこれまでに組まれた中で一番小さなタスクの56.7km
短い距離で、夕方前に来るであろう雨予報の前にレースを終わらせようという感じです。

しかし、この日のタスクはいつも以上に山を通るかそれとも対岸の山まで渡るかの選択が
迫られるもの。
いつものように山を行くよりも、対岸に渡るほうが、40%近く距離が短いタスク。


56㎞というのは最短距離を言うので、山側を飛んでいくと実質80㎞以上の距離を飛ばないといけません。
しかし、今まで対岸が良かったためしはない。

最初の往復は山回り、2回目は対岸又は沖でのフライトかな。
そんなイメージで空に出ます。


空に出るころにはまた近いところに湧き出す雲。
高さはせいぜい1500mほどまでしか取れません。

スタート時間ぎりぎりまで雲の高さで空中接触をしないように神経を張り詰めてのスタート。
気が付けば雲はかなり山から離れています。

私もこの時点で一気に対岸に渡ってしまったほうがいいのか山に戻り進めたほうがいいのか悩みましたが、
山へと進みます。

みな同じように考えていた様子。
なんと大きく2つに分かれていきます。
そして大部分はなんと対岸へ。

まだこの時点ではどちらが正解とも言えなかったのですが、山側は急激に雲が発達し、
オーバーキャスト(発達しすぎて上昇が無くなってしまう状態)に。
対して対岸に渡った組は今までなかった沖での発達する雲の列にのり、高度を上げていきます。

完全に沖でした。
向こうは距離も短いのでここからの巻き返しは難しいけれど、このエリアのこと、
どこで急激にコンディションが悪くなるかわかりません。

山のコースを取っていたグループも、山にいるより沖に出たほうが発達する上昇を狙って
徐々に沖へ沖へと移動。


一週目は高度を高くした沖組の大集団が苦も無く高い高度を行きます。
我々は息も絶え絶えといった感じでようやくサーマルで雲まで上がり、
遠くなった集団を負います。

そこから最初の周回は雲の列を追っていくだけで高度が上がる状態。
これでは差を縮めることもできませんが、その列から離れると高度が一気になくなっていきます。

さて、2回目の東のターンポイントへ!
と振り返ると・・・・・。

なんだか先に進んでいる集団はもう高度が低い。
これは、急激に弱まるパターン。

スピードを緩めて高度を維持。
先に行く集団が上がるのを待つか、全くコースを変えてまた山側を通るか、はたまた対岸の山に先につけるか
を悩みます。

まだ上昇の少し残る雲の下を飛んでいながら考えますが、それを外れてどちらかの山に向かうと高度が取れなくなる
感じがします。

先のほうで集団が弱い上昇にしがみつくのが見えます。
しかし、それと同じように次々に着陸していくグライダー。

決断が付かないうちには見えるものへ。
その弱い上昇に突っ込んでいきます。

しかし、それも高度を維持するかしないかの上昇。
結局、そのあと雨も降り始めタスクストップ。

飛びはいいとも悪いとも言えない内容。
あと2日間。
空を楽しんできます。


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