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link 呉本圭樹blog 呉本圭樹blog (2025/1/10 10:39:10)

feed サバイバル (2017/11/1 20:36:18)
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迷いが多い。
今年の自分の飛びは本当に迷いが多いです。
そしてそれは競技にいい結果をもたらしません。

3日目。いつも通り曇っている朝ですが、この日は10時には青空が見え、選手たちのやる気も上げていきます。

タスクは68㎞。


装備を点検して、タスク発表後、準備を早くして、この日は誰よりも早く離陸。


離陸直後から強い上昇。
バリオ(上昇計)の軽快な音と共に地面が一気に遠くなっていきます。
レーススタートまでは1時間。
どうも上空は風がそこそこに強い。

晴れるとサーマルは強くなりますが、その反動か、シンク(下降)も強くなります。
そして上昇は強いものの。高度は1000mを越えたほどで止まってしまいます。

サーマルを乗り継いでいく回数が多いエリアです。


レースがスタートしました。
選手は一斉に北へと向かいます。

最初の迷いがここから始まります。
このまま先頭の方を走って前のグライダーの動きをフォローしていくか、
上昇が弱くなってもしっかり上げていくか。

結果、どちらとも取れない高度と位置で先に行く。
これがなんだかうまくいかない。

結果ずるずると遅れていってしまう。
今考えると、どちらかでしっかり選択していればこう泥沼にはまっていかないのに、
レース中はそれを考えられていませんでした。

結局、最初のパイロンもコースミスで大きく遅れ、
ここからもう先頭とは追い付けないくらいの差ができてしまいます。


頭を切り替え、確実に上げていこうとしていくと、
今度はある程度前のグループに追いついてくる。

そうすると、またそこに無理して追いついていくか、独自の道を行くのかで迷う。
迷っている間にまた中途半場になる。
そんな繰り返し。

この日は全くテンポに乗れません。


自分がもっと思い切りのいい飛びができているときのイメージと今の飛びが全くしっくりこない。
そうして焦ってしまっていたのでしょう。低いまま浅く深い山の奥へと突っ込んでいきました。

普段ならそうはいってもマージンを取る飛びをするのに、高度が低いまま奥へと入り込み、
引き返してももう安全なところまでは届かない。
先の浅い山を越えていかないと。

滑空比だけではこのまま木に引っかかってしまう中、なんとかわずかな上昇をくみ取り
わずかな空き地を見つけ、なし崩し的にそこへ着陸。

まずはほっとして今の状況を考え、とにかくすぐにグライダーをパッキング。
携帯電話を確認しても、予想通り圏外。
放牧用の牛が通る道しかないこの場所。

上空でみた記憶でもメイン道路までは10㎞以上あります。
Google Mapも圏外なのでざっくりした地図しか見れませんが、少なくとも5㎞以上は歩かないといけません。
グライダーは全部で30㎏以上。
暗くなっては動けないでしょうし、この位置を伝える手段が今はないので、とにかく無線か携帯の通じる場所まで
行かないとなりません。

飲料水を確認して歩き始めます。
ひたすら歩きます。


ところどころ川を渡り、埃っぽい道を歩く。
歩きながら今日の反省を一人でしていきます。

歳を重ねても、経験を積んでも、それに慣れてしまうと結果いつも同じ失敗を繰り返す。
成長してないなぁ。
つくづくそう感じます。

今日の失敗を明日拭う。何度そうやって試合を戦ってきたのでしょう。

約1時間半、とぼとぼと歩いていたころ、ようやくバイクに乗ったおじさんに出会いました。
そして身振り手振りでメイン道路に出たいという旨を伝え、そのままバイクに乗せてもらって
近くの集落へ。

そこでは地元のローカルバス(とはいってもピックアップの車の荷台に人を乗せていくだけ)
まで連れて行ってもらい、これでメイン道路まで出られる。


そう感じてほっとすることができました。
メイン道路ではちょうどよく回収車と合流。
帰路につくことができました。

汗だくの服を洗い、汗を流してこの日はあまり食べることができなかったので、
日本を発つ前に地元の伊那食品さんから頂いた寒天麺を食べ


明日に備えることにしました。




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