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link 呉本圭樹blog 呉本圭樹blog (2025/1/10 10:39:10)

feed 最終日のフライトは・・・・ (2017/11/7 8:04:22)
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天気に悩まされ続けたエクアドルの大会最終日。
この日は朝からなんとなく青い空もちらほら出ていて、これは最後に期待できるのではないか?
そう選手たちだけでなく大会主催者にも思わせる天気。


いつもよりもテイクオフ(離陸場)も活気があるような状態。
そして組まれるタスクは北へ行く60㎞。

私もここは正念場。
どうもスランプ気味のわたしなので、ここは固く遅れても高くいくという作戦にしていこう。
そう決めた・・・・・のです。

テイクオフは狭いので、前日までの成績が良い順に優先的に離陸できる権利がありますが、
私はじゅんいがひじょうに低いので、とにかく、選手たちが集中するより前に早く準備して
離陸しないといけません。

ゲートオープンと同時くらいに飛び出します。
まずは高度を・・・・・・
と思うのに上がらない。

先ほどまで青空が見えていた空はまた蓋をされています。
これで降りてしまったら、競技の前に終了してしまいます。

そんなわけにはいかない。
必死になって弱い上昇にしがみつきます。
他の選手も同じ。
弱い上昇に数十機が群がります。
勿論上昇気流内では旋回していて、そこにはルールがあるのですが・・・・・
そうはいっても上下左右にいつも気を使わないとぶつかる可能性もあり、しかも、
上昇気流からはじき出されては意味がありません。

本当に今日は競技になるのか?
そう思うほどに高度が取れません。

ようやくスタート直前に山よりも300mほど高度が取れ、
なし崩し的に北へと向かいます。

しかし、山を越えてすぐに高度を取らないといけない。
しかし、またこれが弱い。

大きく2つのグループに分かれ、それぞれのサーマルでなんとか上昇していきます。
こうなったら徹底的に上げてから行かないと・・・・。

もう一つのグループが先行して走り始めます。
行くべきか、そうでないか。迷います。

また迷います。

数機は一気にもう一つのグループへ渡り、
私はそこにとどまってそしてグループで追走。

思い切って先のグループに行った平木選手はうまくサーマルに当たり、先行グループに合流。
く、判断を誤った。しかしそれは後の祭り。

後のグループで追走しますが、なかなか進まない。
霞がかった空は、4㎞程先はもう見えない状態で、
この時点で先頭グループは見えなくなっています。

ようやくターンポイントを取りますが、
サーマルが弱いので、思い切ることもできず、弱い上昇に乗っては上昇し、
そしてようやく次に進む。
それを繰り返します。

が、このグループはそれを仕掛ける人が本当にいない。
仕方なく、私と数機が仕掛けては移動を繰り返します。


そして結果は・・・・・
また途中で降りてしまいました。

わらわらと集まってくる地元の子供たち。
こういう時、悔しくて自分に腹が立ち、どうしたらいいかわからない感情です。
地元の子供たちは空から降りてきた外国人に興味津々で近づいてきます。

そういえば、こういうのは日本にはありません。
日本の子供たちは、興味を持っても、近づいてこない。
そんなことをふと思ったのでした。


あぁ、笑顔がひきつる。

こうして私のエクアドル戦は終わりました。

この大会、日本人では平木さんが女性ながら非常に好調で総合でも18位に入り、女子では2位。


優勝はフランスの若きトップパイロットのオノランでした。


分析は、グライダーに対しての装備重量、そして精神的なものです。
徹底的に飛びなおして今の状況を打破しないとなりません。

今年の海外戦、私はこれまでのパラグライダー競技選手として最悪の年になりました。
来年に向け、再度トレーニングをしていくことが必要です。

余談


先日エクアドルの近代化について書きましたが、
一歩都会から外れると、突然に時代が30年くらい変わった感じになります。
特にこの日降りた場所は村にもならない集落。
とにかく子供が多く、そして平気ではだし。
携帯電話も通じない道路は舗装されていない。
そんなところの方が多いです。

こういうところに来ると、発展途上の国なんだと再認識させてられます。



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