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feed (ブルネイ日記 7月5日) 人生、初のHunting 5部作その4 グリコ (2015/7/8 23:47:48)
150707 猟犬

・ホラー映画は嫌いである。
 何でわざわざ、そんな気持ちの悪いものをみなければいけないのか。
 刑事もののドラマも嫌いである。
 大抵、最初に殺人事件の場面がある。
 敢て血など見たくない。
 人生訓 そのXX 「清く、楽しく、美しく」

・権威主義、権力主義は嫌いである。
 有無を言わせず命令に従わせる。
 自分がされたくない事は、人にしてはならない。
 約250人の会社で、No2のポジション。
 そうならないように注意している。
 そもそも、権威主義では目指す最適化社会は創出できない。

・会社で毎週、部毎に会議を行っている。
 現在4つの部会に参加。内二つは直属、二つは暇に任せて参加。
 そこで 会の始めに、Safety Moment というのをやるのが会社の決まり。
 一人づつ毎回交代で、危険にあった体験談を語ったり、安全関連のビデオを紹介する。
 その会議で、二度ほど事故のビデオを見せられた。転落シーン、自動車事故のシーン。
 二回目に辛抱出来ず、はち切れて、激怒。
 「Never Show me the blood. This is my order.」
 (俺に血を見せるんじゃねえ。 これは命令だ!)
 私の管下の部に指示。この時ばかりは、いや 二回目か、兎に角、権力乱用。
 効果は絶大。先日は 微笑ましいビデオが紹介された。
 家族の手をシートベルトと見立てて事故から守ってくれるビデオ。
 素晴らしい!感動的。

・それとは対照的な映像。
 高校生の時に 「地獄の黙示録」なるベトナム戦争の映画を見た。
 大後悔。見なければ良かった。そのおぞましい光景の数々。
 映画とは言え、目に焼き付いてしまった。

・その光景が、今、目の前に広がっている。
 更に2往復、合計4往復された猟師さん。
 猟犬3頭をボートに載せて、車のある場所に戻る。

・その道中。猟犬二頭は目の前でイノシシの肉をむしゃむしゃかぶりついている。
 まだ血が滴りおちる生肉を引きちぎり、時折骨を砕く音。
 一頭が大きな塊を咥えて、私の背後に回る。

・その瞬間は 突然やって来た。
 今までがりがり食べていた、一番獰猛そうな黒い猟犬が突然、私の前に来る。
 全身硬直。膝頭を合わせ、左右の手を組む。咬まれないように極力丸くなる。
 そこに何故か、まだ生肉をほおばり、血の滴る口で、私の両膝の間に分け入ってくる。
 ズボンの汚れも構わず左右から犬の顔を抑えるが、強引に入り遂には股の奥まで達する。
 血の滴がズボンに落ちる。

・グリコ。 お手上げ。 もうどうすることも出来ない状況。
 そのまま咬まれたら一巻の終わり。

・  教訓そのXX 「グリコな状況には、絶対に陥るな」
・ ハングにおいても、ビジネスにおいても、このグリコな状況には絶対になってはならない。
  ハングの場合には、どんな事があっても最後の最後まで冷静に回避動作を行うこと。
  レスポンスに時間差があるハング・グライダー。回避操作が効き出すにはやや遅れがある。
  どんな状況でも、最後まで危険回避動作を行うべきである。
  勿論、衝撃を抑える為、最後に受け身に回るのも、この危険回避動作の一つである。

・ビジネスについても同じ。
 時々聞く言葉。 「後は運を天に任せた。」
 何を言っているのか。 結果が確定する最後の瞬間まで、悪あがきをすべきである。
 人生訓そのXX 「最後の最後まえ、悪あがきをせよ」

・かく言う私も、ビジネスにおいて一回、私生活において一回。合計2回、グリコな状況に陥ったことがある。
 そして今、人生3回目の時が、突然 訪れた。

・何故か、ボートが突然減速する。
 ひょっとすると、猟師さんが状況を見て、対応してくれたのかも知れない。
 よろける猟犬。
 その瞬間におかま座りで膝を横にする私。
 すると今度は、私の座る椅子の横に飛び乗って、前足を私の上にのせる。
 「御免なさい。御免なさい。私が悪うございました。何でも言う事をお聞きします。」
・ 後で思い返すと、順位付け、と言う行動だったのだろうか。
 
・「地獄のボート」
 ずっと全身硬直させながら、ぐったりしてやっと船着場まで戻る。

・犬は、大嫌いである。




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