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feed (ボルネオ日記 7月11日) ニア・ケイブ物語 多分4部作 その3 実は水はあまり得意ではありません (2015/7/13 23:08:41)
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・船頭さんが来てくれるまでに、既に5分は経過している。
・カメラは絶望的か。でも SDカードは生きている可能性が高い。
・とは言え、この濁り具合。岸辺の見える範囲でも傾斜がかなりある。相当深そうだ。
・闇雲に潜って、手に偶然当たる確率は低い。
・そんなことより、そもそもワニがいるではないか。

・実を言うと、水はあまり得意ではない。
・潜水回数240回。一応、それなりのスキューバー・ダイバーなのに。

・トラウマがある。
・子供の頃に見てしまった大型客船の転覆事故の映画
 「ポセイドン・アドベンチャー」
 大型客船が何かの理由で転覆し、乗客が助かる為に、船底を目指す。
 様々な困難を乗り越え、最後は数人が助かるという如何にもアメリカ映画。
 でも逆に言うと、脱出の過程で何人かが犠牲になっていく。
・見なければ良かった。
・トラウマになるような映画を、大人は子供に見せてはならない。
・と言っても親の言うことを素直に聞くような子供ではなかったが。

・そう言えば、ハンググライダーで、それを彷彿させるような事故にあった。
・未だに理由はわからない。釈然としない。
・和歌山の龍門山、学生時代に一人で通った山。
・何時もの様に最終ターンを終えて、西向きにランディング。
・身体が横になっている時に持つベース・バーから 身体を起こし、アップ・ライトにに持ち変える。
・後はフレアーと言って、地面近くでわざと失速させてすっと降りるのみ。
・そのタイミングを伺う。
・その時、全く想像しないことが起こった。
・多分、南側にある山の吹き降ろしが起こした局所的な乱流。
・突然、機首が上げられて、いやグライダーごと再度上昇し、180度回転。
・どうすることも出来ないままに、既に水辺の上空。
・水への激しい衝突を避ける為に、水の上でフレアー。

・足がつかない。
・予想だにしない深さ。
・ボートが転覆したら、船底にいたらかなり危ないというが、それより遥かに危険な状態。
・何せ、グライダーと身体は命綱で結ばれている。
・地上でもそれを外すのには一苦労なのに、まして、足がつかない水中。
・とっさにグライダーの上面に出ようとするが、命綱が邪魔して届かない。
・命の危険を感じた。

・あまり思い出したくない状況。
・ただ、一つだけ我ながらご立派と言える思い出。
・その状況で思ったことは「嫁さん、ごめんなさい。娘、息子を宜しく頼む」
・死を自覚した時に何を思うか、まあ多分大事なことだろう。

・悪あがきに掛けては誰にも負けない自信がある私。
・水中での視界は悪くない。
・もがいて、なんとか命綱に手を掛け、グライダーと身体を繋ぐ金具に辿りつき
 ネジを外し、最後は外れ難い構造になっている金具を何とか外して脱出。
 グライダーの側面に出て、息を繋ぐ。

・ハンググライダーが危険なスポーツであることは否定できない。
・ただ、交通事故等、それ以上に危険なことが一杯あるのも事実だ。

・命の危険を感じたこと、あまり思い出したくないので数えない。
・もう一つ例示。

・オーストラリアでのトーイング。
・車とハンググライダーをロープで繋ぎ、凧揚げの様に引っ張って高度を稼ぐ。
・その後、ハンググライダー側でロープを切り離し、離脱。自由にフライトをする。
・離脱高度は500m前後。それだけ長いロープである。
・事故は丁度、ハンググライダーの神様、ビル・モイスが車側の操作をしてくれている時に起こった。
・うまく高度を稼いで、ロープを切り離したが、二つのロープが絡まって外れない。
・絡まった結び目は、ちょっとの差で手が届かない位置。
・いや、そこで結び目に手が届き、外そうという行為に出たら、更に危険だったであろう。
・地面と繋がったロープがピンと張ったら、その瞬間にグライダーは失速して落ちる。
 横に流れ出した凧のような状態。
・考えたこと。このロープを如何に張らないまま、うまく降りるか。
・車の真上まで移動し、そこでロープに注意しながら舵を切る。
・異常事態に気づいたビルも、草原の真ん中に車を移動してくれる。
・縄を蛇使いの蛇のように、いやその逆の動作で垂らして行き、最後は無事にランディング。

鉄則そのXX「緊急事態では、先ず冷静になること。」
・当たり前のことではあるが、出来るかどうか別だ。

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