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絶好のリズム
呉本圭樹blog
(2025/1/10 10:39:10)
絶好のリズム (2018/2/13 6:06:53)
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絶好のリズム (2018/2/13 6:06:53)
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寒気が入ってきているからでしょう、朝晩が冷えてきています。
朝晩は長袖一枚だと寒いので、更に一枚羽織っています。
寒暖差が大きいほどサーマル(上昇気流)は強くなります。
AM08:10
お世話になっている今回の大会で雇っているドライバーさんがキャンプサイトまで迎えに来ます。
この車をパイロット4人でシェアしています。彼は離陸までの迎え、回収、キャンプサイトまでの
送りをやってくれるのです。
まずはH.Q.(大会本部)へ。昨日の簡単なレースの様子を解説と上位選手のGPS記録を使っての
説明が行われます。
そしてこの日のT.O.場所が決められます。今日もT.O.は
Gundowringに決まりました。
ここからまずは山のふもとの合流地点まで1時間ほどの移動。
そこからキャラバン隊よろしく4WDが列を作って山頂まで上がります。
コンディションは良くなっています。
この日組まれたタスクは75km
GPSに入力
そしてこの日のコースを地図をみてしっかりシミュレートしていきます。
前日のタスクで、谷の中とその上層では全くコンディションが違うことが体感できていました。
予報では昨日同様、1700m以上の山の上になると、本流の風が穏やかに西風で流れるものの、
それ以下は基本的に強めの谷風(北風)が吹いています。
谷風の高度では昨日はサーマルを捕まえるには一苦労でしたが、
この日、前半戦は違った展開になりました。
ウィンドダミー(前走者のようなもの)が離陸していき、上昇するのをみて、
時間が決まり、選手たちは飛び立ちます。
私もそう苦労することなく高度を上げていきます。昨日よりもサーマルがはっきりしています。
こういうのは私が好きなコンディション。
予報では到達高度1850mの予報も、実際には2100mを超えていくコンディションです。
スタートは高くいいポジションから走り始め、高度を使ってまずは南下
サーマルはしっかりしているので、自分が思う道を誰よりも先に進んでいきます。
「とにかく思いっきり飛ぶ」このテーマを繰り返して自分に言い聞かせます。
スピードを出してグライダーの挙動を抑えてガツーンとくるサーマルで一気にグライダーを抑え込んで
バンクをかけ、サーマルにねじ込んでいきます。
強いサーマルは毎秒5mの速さで上昇します。
先行しているので低く走るグライダーを行かせてかぶせていこうと前半戦の終わりには考えていました。
ターンポイントを折り返して一段低くなると、谷風の強い高度まで一気に下がります。
思ったよりも高度が落ちるのが早い。
それを見ていたさらに後ろの集団はこちらに来る前にさらに高度を上げてきています。
それでも進むしかない。
先に低く先行していた集団が進むのを後ろから追いかけていきます。
そしてアクシデントが起きます。
尾根を越えようとしている前のグライダーが、突然の乱流でグライダーの翼の半分がなくなります。
「遅い!!」あっという間ですが、この瞬間に適切な動作ができればグライダーは回復しますが、
一瞬のミス。グライダーは一気にアンコントロール状態に陥り、パイロットは回復を試みていますが、
時すでに遅し。その後緊急パラシュートを開傘させ、戦線離脱。
フルスピード状態で乱流に突っ込んでいるのでこういったリスクを負っています。
私のグライダーも時折急な挙動を起こしながらも必死でコントロール。
この尾根に先行したグループはつかまり。その後ろから来たグループが高くパスしてトップ集団になります。
何とか高度を取り戻した私は、その集団の追撃に移ります。
先に行くグループは少し慎重に高度を稼いで進んでいます。
これならば効率よく飛べば問題なく追いつける、
実際コース取りが良く、次のターンポイントでは多くのグライダーを出し抜き、
先頭に追い付きます。
しかし、トップを行く2機と大きく違うコース取りをした私と同じグループの数機。
ゴールまでは20㎞
私は一気に先に進みますが、他のグライダーはそれを躊躇して高度を上げていきます。
弱いサーマルで少しずつ旋回をして進む私。
空中で地形をチェックしながら、正面の低い山をパスすればゴール。
私のコースは先攻した2機よりも距離が近い。
正面の山は、1.岩山が見える山肌(熱が溜まりやすい)2.風が吹き込んでいる3.太陽もその斜面をしっかり照らしている
といった条件を満たしているので、低くても充分に上昇ができると判断。
アクセル(パラグライダーのスピードコントロール)を踏み込んで一気にそこへ突っ込みます。
先行した2機とほぼ同時にその山につきます。わたしのほうが50mほど低い。
しかし、大丈夫上がる!!!
これを超えてトップゴールじゃ!!と思い山の斜面に取りつきます。
そしてまさかの展開。
50m高かった2機はその高度からとれた上昇に乗って山を越えゴールへ。
そして私は・・・・・まさかそこで30分も斜面から離脱できない状態に・・・・・。
その間に後方から高く来たグライダーをゴールへと見送ることに
ひたすら弱い上昇にしがみつき、すぐそこのゴールにたどり着いたころには
大きく順位を下げてしまったのです。
レース展開は悪くなかった。
さて、この日勝つにはどこを改善すればよかったのか。
帰りはそのことを何度もシミュレートしていたのです。
ちなみに、私を置いてゴールをしてトップを飾ったのは
アジア系アメリカンのジミー。
同じ車の仲間でした。
ただ、自分の思う積極的な飛びができている。
そんな実感の持てるレースでした。
ちなみに、レースが終わって片付けをしてL.D.(着地地点)を出たのがPM07:00
途中に降りてしまった仲間を回収して帰ってきたのはPM09:00。
明日も同じようなコンディションだということです。
※文中で緊急パラシュートを開いたパイロットはけがもなく明日にはレース復帰です。
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