ホーム
>>
RSSセンター
>>
ワールドカップ練習日
呉本圭樹blog
(2025/1/10 10:39:10)
ワールドカップ練習日 (2018/2/17 20:17:23)
ポッドキャスト : image/jpeg
RSSセンター
メイン | 簡易ヘッドライン |
ワールドカップ練習日 (2018/2/17 20:17:23)
ポッドキャスト : image/jpeg
ブライトオープンが終了し、いよいよワールドカップ。
今日はその前日の公式練習日。
今回はいつもよりもアジア率の非常に多い大会、
日本から17名、韓国から13名、インドネシアから9名という今までにあまりない
アジア勢の多さ。
ワールドカップスタッフたち
ブライトオープンではアジア人が全然いなかったので、ガラッと大会の様子が変わります。
強豪フランス勢は、新たな若手を引き連れて10名の参加。
ワールドカップでは、自分たちで車を準備する必要はないので、
そういう意味では選手の負担は少なく競技に専念できます。
この日はまず、朝一に大会IDを受け取る受付を済ませて飛ぶ必要がありました。
多くの選手はこの日が初めてのブライトなのでフライトを選択しますが、
公式練習日はフライトをしなくても問題ありません。
私は、飛びたいので飛びます。
ただ、今日は別の目的をもって飛ぶことになっていました。
それは「グライダー評価」
今回オーストラリアのパラグライダーメーカーである『FLOW』というメーカーから
新しい競技機である『XCRACER』が販売され、実際に今回の大会にも参戦しています。
そのメーカーの人間との話の中で、乗ってみてグライダーを評価してくれということになったのです。
このFLOWというメーカーは主にミニパラグライダーを作ってきたメーカーで、今のところ
日本の販売代理店はありません。ここが出したXCRACER、さてどんなものか。
※ここからの内容はかなりパラマニアックな話になります。
XCRACERはEN-Dクラスの2ライナーグライダーです。
現在ENのテストがM/ML/Lサイズは通過して販売を開始しています。
今週中にSサイズのテストが通過予定というグライダーです。
まだ出来立てほやほやの新型機。
ターゲット層はグライダーの飛びを昨日まで見ていてトップクラスを競り合うところではなく、
競技エントリーからスポーツグライダートップを狙うグライダー。
現状販売機でのライバルはOZONE社のZENOといったところでしょう。
さて、まずはグライダーの作りですが。
かなりしっかり入ったバテンが構成するシャークノーズ。
これは今の競技機の主流ですからそう特質したものではありません。
ENZOに比べるとインテークは少し大きい感じです。
ちなみにZENOとXCRACERのスペック比較(NLサイズ)をすると
ZENO XCRACER
セル数 78 82
アスペクト比 6.9 6.95
投影アスペクト 5.2 5.4
実寸翼面積 24.1 24.75
投影面積 20.4 21.2
対応重量 95-110 95-115
というようにかなりスペックも近いものになっています。
ただ、このデータを見る限り、XCRACERはZENOに比べアーチの緩い
フラットな翼のようです。
さて、実際に飛んだ様子ですが、
今日はMLサイズを装備重量108kgでフライト。
主に同じ日本選手である青木さんのENZO3との2時間ほどのフライト
2ライナーグライダーなので、ライザーの作りは非常にシンプルです。
ENZO3等に比べてもカスケードが少なく、ライン取りがとてもシンプル。
翼は非常に硬い印象
旋回中、失速に入りそうになっても、全くグライダーが動じない・・・。
ZENOに乗った時も同じように感じましたが、旋回の入りはZENOよりもマイルド。
切れ込むような旋回には入りずらい感じです。
翼がフラットな割に、翼端が走らないので、旋回での外翼コントロールは最小限にする
必要があります。
なので旋回はZENOに比べ、フラットに旋回する印象です。
ちなみに、ZENOもそうでしたが、翼端の失速や、全体の失速も感じづらいという印象。
これはパイロットに安心感も与えますが、ENZOクラスに乗るパイロットからすると、
失速挙動がわかりにくくて少し気持ち悪いかもしれません。
ただ、ターゲットはこれから競技機に乗っていく人たちだと思われるので、
そこに関しては問題ないように思います。
そしてアクセル使用時の感想。
GPSを見ながらのアクセル使用のスピードの変化を見ましたが、トップスピードはやはりENZOと比べると
劣ります。ZENOと比べると変わらないような印象。
沈下率に関しては、今日はなかなかそれを比べるにはコンディションが良すぎたのでわかりませんが、
充分競技で戦えるレベルのものです。
総合評価は乗ってみる前より全然高かった。
そんなグライダーです。
今はまだ輸入者を探しているということ。
ただ、このメーカーは他のクラスのグライダーがまだ弱いメーカー。
日本に入るか??
さて、夕方にはレジストレーション、開会式が行われ、
いよいよ明日から大会開始です!!
execution time : 0.006 sec