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中国語が殆ど出来ないのに、放り込まれた中国の化学品工場。
相変わらずひどい会社である。
全くコミュニケーションは出来ないが
「大株主の社員だからという理由だけで送り込まれた全く使えない奴」
という冷たい視線だけは　容易に感じ取ることができる。
誰も手助けしてくれない。
いや、そもそも、与えられた机は書類が山積みされた物置状態だった。
初めての海外駐在。赴任後、先ずはその片付けから始める。

そんな中で、会話は出来なくても社員に何か一目置かれる存在になろう、
そう思って気合を入れて学んだエクセル。
いろいろな機能を使いこなして
拡販、受注、原料購買、生産・在庫・出荷・通関の計画・実行の管理表を作り
会社の最適化を図る。高じてついには会社の管理会計ソフトまで。
その後「エクセル博士」の異名まで頂いた。
ある時からは「これをどうしたら良いのか教えてくれ」と社員からの質問。
作戦成功。
いや、それも度重なり、中国人の向上心の強さ、貪欲さには驚かされた。

古びた知識はYahooで補いながら、何とか運営システムを作りあげる。
・受注・在庫・生産・出荷管理システム
・機械稼動表
・加工部業務分析表
・製品別収益分析表　など等。

数十億円に上る膨大な経費の発生を如何に管理・運営するか。
現在のブルネイでの経験も活きる。
・コスト管理表　など等。

一番出来る営業マンと真っ向からぶつかって
最後は今はやり（？）の「Fire!」と解雇してしまった中近東会社社長時代。
その後不法解雇と訴えられて法廷論争・・・辛勝。
その苦い経験を活かして何とか良いものができないかと模索中の
・人事管理システム

工場勤務2回、社長2回、執行役員1回（現在）の経験は　流石に糧になる。

大学卒業後、間違って超ブラック企業に就職してしまい、
隠れ残業246時間の記録を叩き出した新入社員時代。
入社してゴールデンウィークに配属されてから、翌年の2月までは、
土日も含めて弔事休暇２回と年末年始しか休めなかった。

「なんだこの不効率な制度は！」とか、「こんなのおかしい！」とか。
サラリーマンをしていれば、幾つも列挙できる問題点の数々。
折角「町工場の経営者」になるのだから、自分の持つ不満は解消に努めよう。

そもそも会社の利益を最大化するには、従業員の給与削減もその対象になる。
「利益を上げる為に、もっと働け！」って言われても利益相反。
そんな中で、心底気合を入れて働けるものだろうか。

そう言えば、昔のブログにそんなことをつぶやいていたなあ、と探してみる。
「飛丸日記　7月17日　何の為に会社はあるのか？」
http://tobimaru888.blog.fc2.com/blog-entry-266.html
まあ、我ながら。いろいろと考えてはいるようだ。

会社が経営難に直面していた90年台後半。
若輩者にも関わらず肩叩き役までやらされた。
「娘の結婚式までは、会社に在籍させて欲しい」
あの言葉は忘れられない。

どうせなら　自分が働きたい「魅力ある会社」を目指そう。
「It’s TOMIHARA’s World.」

零細企業の「サラリーマン遠隔経営」者
さて、この「青臭さ」を何時まで続けることができることやら。