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link Team Maru-WGC Team Maru-WGC (2024/12/25 18:57:23)

feed 2018 LXnavigation Cup 振り返り、2018 チェコナショナル目標設定 (2018/5/23 10:03:04)

2018年夏にチェコ共和国で開催されるグライダー世界選手権に向けた練習の一環として、5月連休は2018/4/29 – 5/5 の1週間でハンガリー Szatymaz(シャティマ)飛行場で開催された LX Navigation Cup 2018 に参加して練習してきました。

練習の背景
国内では板倉滑空場をホームとして練習しています。国内練習で出来る部分と、出来ない部分があるので、練習目標に応じて練習場所(国内、海外)を使い分けています。

国内練習で出来る部分
・上昇気流に対する操縦感覚醸成
・空の判断の感覚醸成(ここで上がるべき、まだ前に出ても大丈夫、そろそろ上がらないとやばい、帰りはじめるタイミングか、など)

国内練習で出来ない部分
・高速コンディションでのクルーズトレーニング(コース選択、雲選択、強いところでより強い部分を探す練習)
・他のパイロットとの比較
・自分のこと(フライト)だけに集中しての練習
・競技会同型機での練習

国内練習について
今年はLS8を復帰させて、国内で練習出来る部分(空中感覚、コンディション変化の判断に関する部分)は3-4月に10フライト、25時間ほど実施しました。今年の春はクロスカントリーコンディションにはそれほどではありませんでしたが、上記2点の感覚を回復するための条件としては十分でした。

ホームの滑空場だとチーフインストラクターとしての役割が有り、様々なクラブマネージメントのタスクが有り、といったことで、どうしても自分のフライトに集中できない要因があります。自分のことだけに集中できる環境に自分をおくことで、一日中自分自身に集中して考えることができます。お金はかかりますが、自分自身を向上させるための必要な投資です。


競技会を練習に利用するメリット
・他のパイロットとの比較、同一コンディションでの比較
・(とくに今回のようなシビアでない競技会の場合)他のパイロットとのフライト後の意見交換、相談したり、アドバイスをもらえたり、その中でトモダチを増やしたり、情報交換したり)

競技会を練習に利用するデメリット
・ガグルに引っ張られるだけのフライトだけをしてしまうと、自分の判断の練習にならない、ので、ガグルを利用するタイミングと、自己判断部分を分ける必要があります。

上記のメリット・デメリットを理解した上で、前日の課題を整理して、毎日何を課題に練習をするかを考えています。


LXCupでの練習の目的
1. クライムレートのさらなる改善、自分のフィーリングでのクライム(ガグルで他機を気にしすぎない)、あがりきる
2. 判断ポイントの明確化
3. 成功しても淡々と
4. ポジティブに判断
5. 失敗を恐れずに極力自分の判断を試してみる(ガグルに引っ張られる、ガグルを追いかけるだけのフライトにならないようにする)
6. 悪いときにはとにかくフィニッシュ
7. AATプラス15分を守る、自分の判断で AAT を回る
8. クルーズ速度 160k/h 以上をキープ(高速コンディションでの飛び方)
9. 競技特有のオペレーションのブラッシュアップ(フライトコンピューター、タスクフライトなど)


目標に対する結果

1. クライムレートのさらなる改善、自分のフィーリングでのクライム(ガグルで他機を気にしすぎない)、あがりきる

昨年より改善はされているが、まだ改善要の部分がある。

改善された点
・ばたつかなくなった
・上がりが遅れたときに焦らなくなった
・追いつけるときもある(ブローに上手くあわせられるとき)
・一人で積極的に良いコアをサーチ

他のパイロットから頂いたアドバイス
a. 重心位置を最適な位置にあわせる
b. 速度、満タンなら 105 – 110km/h くらい。抜きすぎない。フラップ +4 でセンタリング( +5 はホントに安定してから)
c. 翼を綺麗に保つ。毎サーマル旋回毎にバグワイパーをかける(私の場合、一日のフライトで2回くらい。ファイナルグライド前と、途中一回)。翼が汚れると上がりは悪くなる、フィーリングも悪くなる
最終日、水を全部抜いたコンディションではほぼ同じように飛べていたので、重いときにクライムレートをあわせられるように、少し抜いてみる、抜いてみる際にテールダンプレートを変更するためのバルブを利用する


2. 判断ポイントの明確化
ブルーの時は地面だけ見ているのでかなり明確に出来ている。
積雲AATで風向(クラウドストリート)とレグが重なっていないときに、雲ばかり見てしまうので、ストリートからストリートへの渡り(上空でストリートを見たときに地面とどう対応しているのかを立体的にイメージできてない)、要改善点

3. 成功しても淡々と
これは出来ている

4. ポジティブに判断
これも出来ている

5. 失敗を恐れずに極力自分の判断を試してみる(ガグルに引っ張られる、ガグルを追いかけるだけのフライトにならないようにする)

今回は極力ガグルに引っ張られるだけのフライトをしないように、自分の判断でスタートタイミングを決めていました。

6. 悪いときにはとにかくフィニッシュ

これも出来ている。(簡単にあきらめなくなった、低くなったときに落ち着いている(汗をかいたり、焦って見る範囲が狭くなったり)が減って、慎重に地面を観察して次のトリガーを探せている。低くなっても降りなくなった

7. AATプラス15分を守る、自分の判断で AAT を回る
弱いときは+10分でも ok(そのまま入れる)、強いとき(ストリート)は+15分


8. Mc 切替を前の空を見て適切に、Mc にあわせた速度選択(クルーズ速度 160km/hをキープ)(高速コンディションでの飛び方)

task2, task4で試したが不十分。次のチェコ選手権でもっとトライする

9. 競技特有のオペレーションのブラッシュアップ(フライトコンピューター、タスクフライトなど)

ここは大枠問題なし。


今回の気づき
・振り返りの実施スケジュール 
 フライトした後は夕食、帰宅、シャワー、充電、でフライト振り返りはせずにすぐに就寝する(疲れた頭で考えない、考えたまま寝る体勢に入らない)

 翌日朝 機体準備後、ブリーフィングまで(9:00-10:00)の時間で振り返りを実施
 朝のクリアな頭で、限られた時間の中で振り返りを実施、振り返った内容を当日のフライトに生かす

・スケジュール改善点:
 夜就寝前に瞑想を行う。昨年は朝起床後に瞑想を行っていたが、今年は機体準備の都合と、ストレスが少なく感じて居た(リラックスして参加できていた)ため、瞑想しなくても大丈夫と思い、瞑想していなかった。結果、task6の日に疲れを感じていた(当日は天候不良でタスクキャンセル、昼寝実施)、task7のフライトで上手く行ったことからアドレナリンでまくりで夜なかなか寝られなかった。瞑想を定期的に行うことでリラックス、回復を習慣づける



上記を踏まえた次(チェコナショナル選手権)の目標設定

フライトレビューシート チェコナショナル選手権

1. 弱い条件でのクライムレート(フラップ4)。自分のフィーリングを大切にする。あがりきる。広い範囲を見る(狭い範囲を見ていると気がついたら深呼吸して視野をチェンジ)

2. 判断ポイントを明確に、根拠明確に迷わず決める。とはいえ、決めた判断にとらわれすぎない。空はすぐに変わる。一つの案に固執せず更新し続ける

3. 成功したら、一度喜んで、その後は、たんたんと次へ(油断しない、気を大きく持たない)。判断にポジティブを保つ。失敗したとき、切り替える(失敗を引きずらない)。

4. 高いところを飛ぶ(下げずに飛ぶ)

5. 自分の判断を試してみる(失敗を恐れず判断してみる。失敗を恐れすぎると成長につながらない。リスクマネージしすぎるとどっちつかずになる。
悪条件時はリスクマネージ、だが、ガグルが明らかに間違えた判断をしたときにガグルをフォローしない判断をしてみる)

6. コンディションの悪いとき、悪くなるときはとにかくフィニッシュする。あきらめずにすべての方法を試す。早めのギアチェンジをする。今が良いからと先を安易に考えない。とはいえ、ギアを下げすぎる傾向があるので、ギアを上げるときはあげる

7. AATプラス15分を守る、自分の判断で AAT を回る

8. Mc 切替を前の空を見て適切に、Mc にあわせた速度選択(クルーズ速度 160km/h 以上キープ)

9. 強い条件でのさらなるクライムの探求。ハイスピード条件でのコースどり、ドルフィンの改善

10. バグワイパー 毎旋回翼を綺麗にする

本戦では結果を出すためには失敗しないようにコンサバティブに飛びますが、5月末からのチェコナショナル選手権も練習のための参加なので、結果にとらわれず、失敗を恐れずに、練習としてプラスになる様なチャレンジをする練習にしたいと思っています。

日々のフライト


4/29 Task1
天候不十分でタスクキャンセル。キャンセル後フリーフライト。
コンディション改善したのでタスクフライト実施。積雲コンディション
1st レグは ok ,
1st sector が鈍角になってしまったので、鋭角に
最終セクター ウエザーが下り坂だったのであきらめてしまったが滑走路に戻ってから湖の海陸風前線的なリフトで上昇。タスクコンプリートに向けてどんなときでもあきらめずにチャンスを最後まで探す

4/30 Task2
2:30 AAT 95.7km/h 74.4%
積雲コンディション ガグルを意識しないでソロでフライト
1st leg ok
2nd leg コンディションの弱い(ウエットな)エリアを一人で飛んでしまい、下げてしまいタイムロス
3rd レグで再度下げてしまいタイムロス

5/1 Task3
2hエリアタスク。73km/h 71.4%
ブルー 

この日もあえて単独スタート
結果的にはブルーで速度が出ないのでガグルと一緒になるがガグルに遅れる。
水バラストマネージメントが悪い こういったコンディションなら全部ダンプ(150km/h程度のクルーズ)

5/2 Task4
2:45 エリアタスク 98.55km/h 83.8% 
積雲一部ブルー
東へ行って北に行く初めてのエリア 地形を観察して、2ndレグで川がトリガーになると想定
この日もガグルは気にせずにスタートしたが結果的にはガグルと同じタイミングでスタート
2nd レグ、地面の川からトリガーされるラインを選択して飛ぶがタイミングがあわず、下げてしまうことでタイムロス
なんとか回復してフィニッシュ(下げてから必ずあげられるようにはなっているのだが、下げないように高いところのキープが出来てない)

5/3 task5
2:30 エリアタスク 89.79km/h 65.5%
前日と同じく北東側のタスク ブルーから次第にトップが下がっていくブルー
この日もスタートは単独を心がけたが結果的には大ガクル
2nd エリアまではガグルを利用して順調
3rdレグでガグルから遅れた際に、後続ガグルと合流するか、単独サーチかを考えて、チャレンジが課題なので単独を選択、見事に外して、300mから上げ直す羽目に。85%位は行くはずだったが、練習なので仕方ない。
本番ではブルーガグル弱い日はとにかくガグルでリスクマネージメントするが、練習過程ではトライ、トライ。
とにかく降りなくなったことは自信を持って良い(0.1m/sから上がり直せる)

5/4 task6
コンディションイマイチでキャンセル。体調も疲れてきている
忘れ物するようになった

5/5 task7
2:30 エリアタスク 81.5%
最終日、ブルー、弱い。この日も単独スタート、結果的にガグル。
途中ガグルの前に出てトライ。終盤はフィニッシュを心がけてガグルリーダーだけを利用するようにしてガグルの中での良いポジショニングをとるようにした。
降りなくなったし、クライムは同等



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