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link 飛丸日記 飛丸日記 (2024/12/25 18:57:24)

feed (ブルネイ日記 7月19日) 友達5人呼ぶ計画 一人目 追記4部作その2 日本の未来は任せたぞ (2015/7/24 18:00:00)
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・首都から私の自宅のあるホテルまで110㎞。18日夜はホテルに戻り、19日はまた首都観光。
 突然変わったスケジュール。18日夜はホテル予約済み。戻らない訳にはいかない。
 結果起きてしまった220Kmの往復を無駄にはすまいと考察。運転手さんに相談。
 「何かブルネイで他に見せるものはないかなぁ?」
 ジャングル・ツアーと水上集落、モスク、実はブルネイには、他にこれと言った観光資源はない。
 「そうだ、次男君への教育が やりたい事のひとつだった。明日は彼の社会勉強の機会にしよう」
 {Want to Do List」が明確だと、行動に迷いがない。

・先ず朝は、ホテルの屋上で海上油田、ガス田の掘削設備を遠目に見学。
 「あれが、お母さんの天敵、同級の部長が卒業後に働いていた、通称プラット・ホームや。
  彼が働いていたのは、マレーシアだけど。」
 それから宿敵S社の高級住宅街、陸上油田、精油所、専用飛行場を説明しながら通り、
 我が愛するBMCを横から見学。
 私の好きな戦国武将、斎藤道三の菜種油の頃の話から、鯨油、石炭、石油、そしてLNG。
 エネルギー争奪戦が世界の歴史を動かして来た、という薀蓄を垂れる。
 日本が何故戦争に追い込まれたか。このまま行くと石油・ガスが枯渇するブルネイ。
 どうやって未来を切り開くのか。日本も他人ごとではない。
 PCをブログに接続、ランビルの油田と武器の写真を見せながら解説。
 後でカマルさんに聞いた話では、あの武器は米軍と日本軍が油田を取り合った跡だった。 
 世界を牛耳っていた国際石油資本、セブン・シスターズ。エクソン、シェル等。
 「次男君、こんな奴らに負けるんじゃないぞ!」

・モスクを経由して、水上集落に。
・「出た!」、客の取り合いをする水上ボートの船頭さん達。
 5,6隻のボートが観光客目当てに群がって来る。
 海外では、特に中国の地方空港の出口等では良くある光景。
 さて、幾らで誰にお願いしようか。
 よし、ここは次男君の社会勉強。商社マンの交渉術をお見せしよう。
 気合を入れて、交渉を始める。

・後輩がこのブログを見ているだろうから、以下、改めて詳細を記述。

交渉術その1「先ずは相場観、あるべき価格。自分の懐も考えての、交渉の目標値の設定」
・先ず、運転手に聞いたら観光客用は知らない、と。残念ながら相場の情報はなし。
 只、対岸の水上集落に行くには0.5ブルネイ・ドル(約45円前後)。
 彼らは一日60ドルも稼げれば御の字だろう。
 燃料代は日本の半分。
 えーっと・・・ボート代は・・・これは百万円くらいか。まあ 後で聞いてみよう。
 という事は彼らのコストは・・・・とザクッと計算。
 (ボートに乗ってから船頭さんに確認、ドンピシャでした。)

・Tさんとの待ち合わせを考えると持ち時間1時間。折角だから1時間のチャーターを検討。
 対岸まで0.5ドル.往復に最低5分。客取りで最低5分として計10分、時給6ドル。
 船頭さんにすれば 1時間10ドルでも十分だな。
 ガイドも頼みたいし、まあ、そこまではちょっと可哀想か。良し、目標1時間、20ドル。

・「1時間で幾らや!」 大声でみんなに声を掛ける。
 「20分20ドル」「20分20ドル」「20分20ドル」「来い来い」「何でもいいから乗れ!」
 成る程、どうも20分20ドルが最初の言い値、相場らしい。
  交渉術その2 「必ず競わせること」

・「1時間 10ドルでどうや!」
 「20分20ドル」「20分20ドル」「兎に角乗れ!」と言う中で一人「1時間20ドル」
 実は、この人なら、誠実そうで大丈夫、と思って見定めていた兄ちゃんがいたが
 どうも若くてお決まりの値段以下は自分で決められない様だ。彼との交渉は断念。
  交渉術その3 「決定権限者と話せ」
 
・「1時間20ドル」をOfferしているおっさんは、人相も悪くない。
 「兎に角乗れ!」と迫って来る兄ちゃんは日焼け防止の頭巾で顔が全く見えない。怪しげだ。
 よし、このおっちゃんと気合を入れて交渉しよう。
  交渉術その4 「最終的に誰と握るか、その見極めが大事」
 合意後の実行能力。信用度。必ずしも一番安ければ良いというものではない。

・「1時間10ドル!」 やや近づいて、相手に興味がある事を示す。
 「1時間15ドルでどうや」 おっ乗って来た。 「1時間10ドル」 オウム返し。
 表情はかなり決めたそう。でも、改めて 「1時間15ドル」 と変わらずのOffer。
  交渉術その5 「交渉中は相手の表情を読み取れ。素振りを探れ。観察せよ。」
 
・立ち去る素振り。若者ともう一度交渉。
 暫くおいて、また彼に戻って一言「1時間12ドルでどうだ」 「OK」
  交渉術その6 「どうしても決めたい、という態度を見せた方が、基本的には負け」

・以上、目標の範囲内にて交渉妥結。
 ボートに乗り込む。
 社会勉強の一環、次男君にも交渉の概略を説明。

・多分、ここまでは、その道の本でも読めば、一般的に書いてある事だろう。
 追加で一言。
  交渉術その7 「自分の主張が心から正しいと信じて交渉すること」
 これが多分、置石に続く、極意その2
 相手も自分の表情、仕草を観察している。
 相手が自分の目標と違う事を言った時、自分が正しいと信じていると、自然と
 「えっ、何を言っているの!そんな筈はないだろう」 って驚きの表情が顔に出る。
 これが大事である。

・自分が正しい、そう信じていると、自ずと交渉材料が浮かんでくる。
 これはこうだから、こうあるべきだ!と。
 そこに説得力が生まれる。
交渉術その8 「交渉には誠意を持って対処せよ」
 嘘はいけない。真心の対応。 
 
・最終的に決めたこのおっさん。びっくりする位、素晴らしいガイド。
 懇切丁寧な説明。自分の家も紹介。水上集落への上陸もさせてくれた。
 逆にTさんとの待ち合わせに遅れるのでは、と心配する始末。きっちり1時間のガイド。
 大分私も眼力が成長したかな。
 今まで中国何度も経験した状況だが、実は3回、走り出して暫くして「金を出せ」と脅された事がある。
 3回とも、ダッシュでタクシーを脱出。一人の時は、荷物はトランクに預けない。鉄則である。
 (少額を入れた財布を用意して、そこから金を払うのが、一般的な対処方向です。
  ダッシュ作戦はマネをしないように。人里離れたところで飛び降りて、何度困った事か)

・そう言えば、旅行会社の手配する天狗猿ツアー。一人65ドル(約5千円)との事。
 そんなもん、ボートに乗って行くだけだろうと、次に来る友達の事を考えて交渉を開始。
 水上集落ツアーも含めて42ドルで合意。 人数は関係なし。
 今後、観光する時には、ずっとこのガイドさんにしようと携帯の番号を確認。

・ブルネイでは無い習慣だが、4ドルのチップを合意した12ドルに上積みして、16ドルを払う。
 20ドルでも良かったが、今後も付き合う事を考えるとせこく抑えた。
 押し切る前の最終Offerが15ドル。それにプラス1ドル。多分、相手も満足する数字。
  交渉の鉄則 「交渉は勝てば良いというものではない」

・仕事がら、今まで幾つもの交渉をして来た。
 特に担当商品の値段交渉を任される化学品部門では、交渉の数は他の部門より遥かに多い。
 加えてプロジェクトものの交渉。 合弁契約の交渉やら、事業買収、売却の交渉やら。
 そこで得た教訓。
 特にその場限りの付き合いではない場合、相手への配慮。落としどころが大事である。

・Tさんと後輩達が会食、私は車でブログ書きとお仕事。 その後、モスクの夜景を見学する。


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