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尾神岳の戦い
呉本圭樹blog
(2025/1/10 10:39:10)
尾神岳の戦い (2018/6/1 9:02:50)
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尾神岳の戦い (2018/6/1 9:02:50)
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有名な神話の天照大神の岩戸、その岩戸の一部が尾神岳になったという日本神話の残る山。
パラグライダーが飛ぶ日本の山はそんな何かしらの昔話が残っていることが多いなと思うが、
ここもそういった伝説が残る山。
5月最後の週末は新潟県魚沼市のこのエリアで大会が行なわれました。
このエリアでは最大人数になるのではないかという80人越えのおフライヤーたち。
地元の方々も中継を用意したり、ライブでアナウンスを入れたりとここならではの
試みがされていて、これはパラグライダー競技のためにはとてもいい試みのように
感じます。
初日から青空に恵まれ、地元からの期待も非常にたかなっている。
それなのにこの日風だけは味方をしてくれず、山頂で長い時間待機するも
風が後ろから流れている流れだけは変わらず残念ながらキャンセルに・・・・。
仕方ないので、ランニングをして下山。
途中にある案内板に2匹のモンスターを発見。
怖い・・・・・
2日目。
朝から快晴。朝トレのためにグライダーを担いで山頂へ。
風は収まってきているものの、後ろから・・・・・。
風が止んだ時に「よっしゃ今だ!!」と気合をいれて走って離陸。
朝活を終えると、選手たちが続々と本部に集まり
いざ山頂へ。
今回、私はタスクコミッティという競技内容を考える選手に選ばれ、
同じくコミッティになった岩崎選手とともに朝からこの日の競技内容を考えます。
考えるポイントは3つ
・タスクコンプリート率(ゴールまでたどり着ける選手の割合)80%以上
・距離を30km以上にはしたい
・レースとして競えるタスク
エリアの現状でのコンティション、雲の出来方、風の予報、気象予報を見ながら
考えたタスク。
エリア規模としては大きくない尾神でレースをいかに組むのかは
タスクコミッティをやると頭を抱える難問。
スタート時間も決まり。発表されます。
選手たちはタスクの説明を聞き、自分のGPSへ入力
今回のレースは基本的には純粋にレースとして速さを競える内容。
しかし、その中でもコース取り、タイミングを図れるポイントを入れたもの。
さぁ、レースの始まりです。
離陸後、サーマルは活発化。
1500mの高さまで上昇するコンディション。
今回80機ということもあり、離陸スタート時間からレーススタート時間までの
時間を長くとり、(選手の中で不平等を少なくするため)レースまでは1時間半。
私は最初の方に出たためにひたすら長く空にとどまることに。
おかげでレーススタートにはほぼ全部のグライダーがいい高さ。
スタートと同時に選手たちは最初のポイントをクリアして次のポイントへ進みます。
この日全体的に無難にまとめてしまう飛びをしていた私。
それは最初のポイントからそうなっていました。
先に飛び出すのは岩崎選手と今絶好調の女性パイロットの山下選手。
漢気溢れる突っ込み先行を私は少し高く行くために無難に行ってしまうことで彼らに
400mほど遅れて追走する形。
先行する彼らに風の神様は微笑んでいるようで、先行するのに高度は上がっていく。
そして上には更に調子の良い平木選手が高い位置で飛んでいく。
そしてそのすぐ後には上山、成山、小畑といった有力選手たちが続きます。
こういう展開を考えてのタスクだったのですが、30kmという距離は短く、
全く気を抜けません。
先行していても一つのミスで大きく後退するリスクがあります。
山から少し離れた3つ目のターンポイントから山へともどるコース取りで
少し後ろの小畑選手たちがショートカットをしてトップへ。
少し高度は低いものの、コンディション的に問題ないと判断した様子。
岩崎選手たちと小畑選手たちを見すぎる傾向のある今日のレース。
私はそこも攻めずに後を追います。
今思うと自分のスタイルから離れている・・・・・。
トップグループは混戦のままレースを進み、最後のポイントである尾神岳から少し離れた
米山へ。このポイントの中で私たちは少しだけタスクに難しさを入れたのですが、
そこを攻めたのは成山、小畑。
私はそこでも攻めではなく堅い飛びをしてしまう。
そこをせめていった2機を先頭に強い上昇をとり、最後のポイントへ。
私は少し出遅れ一気にスピードを上げる。
そして最初に飛び出した成山、上山、平木をキャッチすることができずに4位でのゴール。
この日狙い通りその後も選手たちは続々とゴールし、80%以上の選手が
ゴールへとたどり着いた。
しかし、なんだか私のレース内容はイマイチだった。
順位を残していくのは重要。しかし、そこに自分のスタイルを置いてきてしまって
なんだかすっきりとした飛びができていない。
逆に最近の成山選手は先走るだけでないが、最近は勝負どころできっちり攻め、今年はレースを制している。
さて、最終結果は4位と表彰台を逃し
今回のレースは特に女性パイロットの活躍がすごかった。
毎年このエリアでの大会は地元の方々の力が我々選手に本当に暖かく、楽しい
競技をさせていただいています。私も将来的に競技を主催するようになれば
これを参考にしていかないとな。そう思うのです。
さて、レース後もこの日は飛びます。
アジアゲームに向けてアキュラシー(着陸精度)の競技もあるのでその練習。
着陸ってそれだけを突き詰めるとやはり難しい・・・・。
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