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ワールドカップのスピードレース
呉本圭樹blog
(2025/1/10 10:39:10)
ワールドカップのスピードレース (2018/7/1 6:17:28)
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ワールドカップのスピードレース (2018/7/1 6:17:28)
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大会最終日。
天候は最高によく、今回の大会中最高の天気になった。
ジェモーナのテイクオフでは選手たちが最終日のタスクの準備を進める。
この日で順位が大きく入れ替わる可能性もあるし、私や、ほかのトップをねらえないポジションの
人間は最後の日にアタックして順位を上げていこうとする。
タスクは山脈を東西へと往復。谷を越え、さらに山の奥のポイントを取る。
その後今度は沖へ出て東西の往復という95㎞のタスク。
練習日に飛んだ山をそのまま飛ぶこのタスク。
確実に岩盤の山の上でのスピード勝負になる。
気合を入れないといけません。
コンディションは最高。
離陸して上昇に乗るとあっという間に2,000mを越え、あたりの山々の景色が
一望できるようになっていきます。
一気に上昇するので、2,000mを超えてたところで出来上がってくる雲と
同じように上昇していきます。もちろんパラグライダーは雲の中は見えないので
フライトは禁止です。その入るか入らないかの場所を使ってできる限り高度を
取っていきます。
スタートは雲の高さ、そして125機のグライダーが一斉に山の上を飛んでいきます。
岩山から発生する上昇と強い風が作る不安定な上昇の中、アクセル全開ですれすれを飛んでいきます。
グライダーがつぶれたらあの岩山にたたきつけられます。
コントロールは本当に慎重に。しかし、アクセルは緩めません。
ほんの少しアクセルを戻すと、一気に2機くらいに抜かれてしまいます。
アクセルを全開にしたまま往復20㎞。
少しも余裕なんてありません。
もちろん写真を撮る暇なんかありません。
グライダーが揺れるのをアクセルだけでコントロール。グライダーの挙動はBライザーで制御。
これぞワールドカップのスピード。
久しぶりに嫌な汗をかきながらのレース。
谷越えをする手前で一気に旋回して高度を上げます。
そこまでの往復20㎞、一度も旋回はしていません。
そこから長い谷渡り。
ここで一息。
そうはいってもその先のことを考えながら高度とコースを取っていきます。
谷を渡ると、そこの山にも強い風が吹きつけているので、その風で高度を上げながら進みます。
風が乱れているのでグライダーのコントロールを気にしないとですが、列は長いものの、選手たちは固まっているので、
どこで追い抜いていくのか上下左右もいつも気にしないといけないので心休まりません。
ついていくだけでは追い抜けないので、所々でサーマルに乗り高くしたり
コースを変えたり仕掛けていきます。
しかし、トップめに出ても少し後には追い抜かれる。
そんな状況が続きます。
そして平野のレグへ。
山から離れるとまだ地上は十分に温まっていないのかサーマルがない状態。
ここでスピードが一気に落ちます。
集団になってサーマルを探しながら歩みの遅くなる集団。
弱いサーマルをヒットしては少し進むということを繰り返し始める。
その中で、私と数機が強めのサーマルをヒット。
集団は先に進むがここにとどまり一気に高度を上げる。
集団がサーマルを探しながら進む中、高度を上げ切って一気に先に!
ここで集団を追い抜き先頭へ。
しかし、私もここで慎重に行こうと考えしたから上げてくる集団の上へ。
ここで仕掛けるかどうかは迷っていけなかった。
そして後半。
最後のターンポイントを取って先に進む。
かなりポジション的には悪くない・・・。
しかし、その先のサーマル。私は近くで少し遠回りのサーマルに飛びついたが、
それを無視して多くのグライダーは先へと進みそこでサーマルをヒット、
あとから追うもこれはもう遅し。
そこで上げていった人間からゴールへとなだれ込む。
仕掛けていったのに最後に慎重になりすぎた私。
この日24位で試合を終えた。
総合成績は45位。
順位が振るわなかった。(それでもポイントは920点平均)
今回は少しの判断ミスが大きくポイントに影響するレース。
レベルも高かったが、結果は出せるだけのものはあったのに。
しかし、ここのところ海外戦が不調な私でしたが、ようやく大会の感が
戻ってきたような気がしました。
さて、今回の大会。
女性の優勝者は
福岡選手
そして層が王の優勝者は
スロベニアのユーリ選手。
彼は本当に強いパイロットです。
応援ありがとうございました。
明日は一日イタリアを少し見てから帰国の路につきます。
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