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feed (ブルネイ日記 6月19日 着想) 人生に影響を与えた20のフライト 6部作その5 「神様は、時々微笑んでくれる」 (2015/7/30 16:29:25)
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・このフライトを終えての感想。
 初の久慈川往復、過去最高の Out&Return.。大満足。
 でも、もう少し行けたかも。
 できれば、関東平野の北東の端、常陸太田の山並みまで行って、往復したかった。

・21年前、西富士(富士宮市)で行われた世界選手権選考会。
 ゴルフ・ツアーの様に、年間で7つ程の大会があり、その上位者が世界選手権に参加できる。
 クロスカントリー・リーグ・トップはそれまでは大会ランキング一位の扱い。
 ほぼ、確実に参加できる立場。
 ところが 突然のルール変更。8位と同格、説明もないまま一方的通達。
 それはないよ、JHF(日本ハンググライダー協会)
  教訓そのXX 「競技が始まったら、全員の合意なくして、ルール変更はすべきではない」
 と不満を持ったが、当時は大人の社会というのが分からず、交渉力もなく、そのまま大会に。
 枠は6人。7位の方は断念して不参加。6人の枠に入るにはどうしても一人は倒す必要がある。
 目標は、選考会参加の中で順位が一番低い、親友で同級の栄一。二年前の日本選手権者。

・一番長いタスクの日。本栖湖を渡り、精進湖、西湖、川口湖、東岸の三つ峠で折り返し、
  河口湖、西湖の西で折り返し、最後に河口湖をもう一度渡って、東岸でゴール。
  川口湖を三回渡るフライト。
  二回目まで皆を引き離し、単独先行。
  ところが三度目の河口湖渡りに手間取り、集団に上空を抜かれていく。

・勝負の掛かった最終フライト。栄一がゴール出来ず、私がトップ・ゴールならまくれる。
 渋い条件。リスクを冒して限界高度を下げ、どんどん先に行く私。
 場合によっては300m弱でも先に進む。
 通常では考えられない動き。ぴったりくっついてくる栄一。流石だ。
 最後はなんと1秒差。そのフライトでは勝ったが、総合では敗退。

・がっくりとして、暫くぼーっと飛ぶ。高度200m、後は降りるのみ。
 ふと気づく。雲が繋がって富士山まで伸びている。北風が押して来ている。
 南風と北風のぶつかり合っているところに雲が出来、上昇気流が発生しているのだ。
 低い高度のまま、雲に向かう。真っ直ぐ進むだけで、そのまま上昇。
 確か20回も旋回はしていない。シェアラインと言う現象だ。
 そのまま上昇を続け、2500m付近で富士山の斜面に辿り着く。
 感動のフライト。
 デット・ヒートでゴール、敗退。打ちひしがれていた直後に、思いもしない感動のフライト。
 人生、何があるかわからない。

・そもそも、人生にゴールなんて存在しない。
 人生には、ここまでやったら終わり、というゴールは存在しない。
  人生訓そのXX 「人生はクロス・カントリーである」

・後日談。
 スイスで行われたその時の世界選手権。大会前日の練習日に選手の一人がけが。
 補欠一位の冨原を呼ぶか議論になったらしい。
 声を掛けたら、どんな事があっても来るだろう、止めるべきだと栄一が反対したらしい。
 後で聞いた話。
 お蔭でまだ伊藤忠で働いている。
 栄一、ありがとう。

・写真は、マイナー・リーグであるリジッド(固定翼)・ハング・グライダーでの欧州大会。
 2011年7月。ドバイ駐在時代に参加したもの。二年連続二回目の出場。
 場所は世界で一番好きなエリア、オーストリア、グレイフェンブルグ。
 前年の下見が功を奏して、この大会で準優勝。
 2014年6月のフランスでの世界選手権出場資格を獲得。
 
・長い道のり。
 神様は、時々微笑んでくれる。
 

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