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世界選手権2日目 試練の展開
呉本圭樹blog
(2025/1/10 10:39:10)
世界選手権2日目 試練の展開 (2019/8/9 14:37:21)
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世界選手権2日目 試練の展開 (2019/8/9 14:37:21)
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初日の大量ゴールで、タスクコミッティはタスクの難易度を上げる必要を感じていたらしい2日目のレースは
スタートが平野とは反対の山の奥。
山といってもこの辺の山はすそ野が長い、だらだらとしたそれほど高くない山。
それにプラスして、低い高度の気温元率が低いので、高度を落としてその中に入ると、非常に上昇が難しい。
この日の最高高度は3,200mまで上がるという予報。
高い高度をどう使うか。最初のターンポイントを高く取れるかがこの日の一番のポイント。
離陸場の風は基本的に弱く、風が安定していない。
そのためにメインである東の離陸場ともう一つある西の離陸場を両方開放されているが、私は
さっさと東から離陸。
昨日よりも活発なサーマルに乗り、早々と2,000mを越え、3,000mの高さへ
早くに離陸しているので、空は数機の貸し切り状態。
しかしそこは世界選手権。時間を追うにつれ同じ空域帯にどんどんと供給されていく。
スタート前にはいつも通り、ほぼ全員が同じ高度に達していた。
そこからスタート。
悪くないスタート、でも予想以上にそこからターンポイントまでは上昇もなければ向かい風で高度の落ちも早い。
しかし、進むしかない。
大きな集団が広がるように進んでいく。
私よりも低い高度の何機かは、弱い上昇をつかんで、何とか上昇をしようとしている。
しかし、ここで止まるより先に行く選択肢を選ぶ。
ターンポイントは山の対岸。
その先で上げることも考えたが、先に行くグライダーはそれもかなわず、折り返す。
それなら無駄に高度を使わず、ターンポイントを取ってすぐに折り返す。
目の前の山は越えられるか越えられないか微妙なライン。
しかも裾野は広い。
これはぎりぎりの選択。
行く先を見ながら周囲も見る。
北の尾根の上に砕石場。
これしかない。
私はその集団でさっさと進路変更。
それでもギリギリの高度。
何とか対地高度100mくらいで砕石場に到達。
予想通りの上昇。
低いので不安定にグライダーが動く。
何とか少し高度を上げるという行為を繰り返していくうちに上昇気流がしっかりしていく。
同じようになだれ込んでくるグライダーたち。
しかし、それより低い高度のグライダーはそこにたどり着けていない。
まじか???あの高さ大丈夫なのか??
降りるとこないぞ!!
しかし、自分もかまっていられない。
必死に上げていく。
ふと空を見上げると、そこには信じられないほどの高さを行く集団。
最初のターンポイントに向かう途中、私よりも低く、弱い上昇に取り付いていた集団が、
起死回生のサーマルで遅れながらも高い高度のままターンポイントを折り返してきたらしい。
我々の集団には、世界のトップクラスが多く入っている。
ここは慌てず、あとを追いかけるしかない。
砕石場の熱く温められた上昇で2,000mを軽く回復して先に進む。
その先には平野に出る前の山。
その上は雲底が黒くなる雲が急激に発達している。
そこに先に行く集団は入っていくと同時に急激な上昇。
私たちもフルスピードでそこに突っ込んでいく。
上昇値は5m/sを越え、見る見るうちに景色が変わる。
雲に入るのは厳禁なので、上昇が続く中、雲から離脱するように先に進む。
同じ集団でもコースを大きく、北、真ん中、南側を進む小さな集団に分かれていく。
それぞれの思惑の中のコース取り。
私は南。
雲が切れ、早く温められ、コースに対して最短。
そこから15㎞はただひたすらに前の集団を追う。
正解だったのは北のコース。
雲の切れ間を使い、高度を落とすことなく15㎞を飛び、次のターンポイントにはもう前の集団に追いつく。
だからと言って慌てても高度を落とすだけで、結果遅れてしまう。
なのでここは確実にと考える。
先に行く集団には廣川選手も良い位置で飛んでいる。
何とか追いつきたいけれど、同じ性能のグライダーでスピードを上げても高度を落とすだけ。
落ち着け、落ち着け、と自分に言い聞かせる。
ターンポイントを取り、残りは最後のポイントを取ってゴールまでの25㎞。
高度は3,000m。
いいタイミングで高度を上げたので、ここで一気に前にいく。
直線的にスピードを上げた私に対して一緒にいた集団は少し進路を北にとりながらスピードを落とす。
勝負どころの違い。
私はもう戻れないので一気に進むが、高度を落としてしまう。
それに対して高度を維持していた私といた集団はその先に行く先頭と合流して
ゴールへ。
この少しのコース取りで、私は大きく後れを取り、トップグループの最後尾でゴール。
結果5分遅れの44位。何とか949点が取れたので、良しとする
まだ2日。
ちなみに最初に高度を落としてしまった30機がそのままランディングしてしまいましたが、
木の上に着陸などの事故はゼロ。
よし、まだまだこれから!!
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