ホーム
>>
RSSセンター
>>
長い長い戦い
呉本圭樹blog
(2025/1/10 10:39:10)
長い長い戦い (2019/8/13 15:01:26)
ポッドキャスト : image/jpeg
RSSセンター
メイン | 簡易ヘッドライン |
長い長い戦い (2019/8/13 15:01:26)
ポッドキャスト : image/jpeg
朝、起きてからのルーチンは、このブログを書き、朝食を食べ、ゆっくりストレッチをして体を整え、
そこから出かけ、日本チームでチームリーダーブリーフィングの内容と、昨日のフライトについての
フィードバック、そこからテイクオフへの移動、準備。
この日はすべての準備を終え、タスクを待つのみでしたが、そこにはスクール生や、お客を飛ばす
イゴールの姿が。
毎日私の飛びを注目してくれた様子。見ていてくれる人がいるのはうれしいことです。
これだけ飛べるエリアのポテンシャルの話をしていると、春はこんなもんではない。ということを言っていました。
更にすごいのか。すごいなこのエリアは。
そして最後に今日はあんまりいい日ではない。というようなことを言っていた。
「俺なら今日は飛ばずに家で寝てるね」
****************************************
発表されたタスクは130㎞と今回最長のタスクとなった。
スタートから南下、そして北上。
単純に見えるタスクだけれど、その実、沖を行くのか山を飛ぶのか全くレースの様相が変わる
選択の難しいタスク。
しかも南下するにつれ、風は東から南東に代わって、アゲンスト(向かい風)に飛んでいかないといけない。
高度が取れれば問題ないのですが。
今日は離陸場(T.O.)の風はしっかり強めに入っています。
離陸すると、高度は上がりますが、東の風は少し強め。
サーマルに乗っていると流されていきます。
↑私です。今回は紫に白のグライダー
高度はゆっくりですが、確実に2000mを越えていきます。
選手たちは高度を上げると皆山から離れ、沖へと移動していきます。
スタートは沖から南下。
そうすれば、山側が働いていても移動もできますし、基本は沖側で行くのが
セオリーだと考えた結果。
スタート直前。2,200mの高度に達していた我々、そしてさらに沖には低い高度の小さな集団。
山側には数機が残っていました。
スタートと同時に滑空を開始。
まずは沖の西よりを集団が飛んでいきます。
そして先頭を行くグライダーが山側を飛ぶので、集団は山側に近いところにコースをシフトしていき飛んでいきます。
そして30㎞飛んだ先にあるマケドニア第二の都市ビトラ上空。
ここでは上昇あるだろう。
そして一気に南へ!
と思っていたのに。全然上がらない。
80機以上いるグライダーがそこで30分以上進むこともできずに旋回を繰り返し、
高度を上げるために右往左往。
地面の熱と上空の空気の温度差がそれほどない様子。
イゴールが言っていたのはこういうことか。
そう感じながらひたすら高度を維持、そして少しでも上げるようにグライダーを移動し続けます。
ようやく少し高度が上がり南下を始めますが、この先が思うよりも強い南風。
山のリーサイド(風下側)に入って何とか乱れるサーマルを取っては進むのですが、
この時点で30機以上のぐらいだーが地上人に。
負けてなるものか!!
そういう思いで何とかサーマルを拾ってターンポイントを取り、北上。
少しはホッとするものの、気を抜けない。
時間は15時を過ぎています。
時間を使いすぎた。この日のレース終了は17時、
あと2時間で残り70㎞を飛ぶのはこの条件では厳しい。
かといって急いで進めるほど上昇は強くない。
時間との闘い。
いつもよりも小さな生き残った集団は弱いサーマルを使って上昇しては北へ北へ。
この時、日本チームの無線で判明したのは、スタート時我々よりもさらに沖を飛んでいたグループが
我々を抜き、さらに15㎞先行。その中には廣川選手もいるということ。
とはいっても距離が離れて視認はできず、こちらはこちらのコースで進むしかない。
西日になっている西側の斜面を狙ってはその山に張り付き、高度を上げては進むが、
サーマルは基本弱い。
何とかひっかけて上昇して進むが、この時点で16時。
タスクコンプリートはもう難しい。
しかし、それでもできるだけ距離を伸ばしていかないと!!
その思いで先へ先へ。
最後は日の力が弱くなった西日を浴びながら距離を伸ばし、この日8位。
私より距離を伸ばしたのは沖を進んでいた廣川選手以下のグループだった。
結局この日は5時間半飛んでゴール者は出ないレース。
しかし、得点は大きく、日本チームの総合も6位まで上昇。
後7日。
明日飛んだあとは一日休息日。
まだまだ上位を目指して飛びます。
execution time : 0.007 sec