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2019/3/24 Waveで蔵王まで
Team Maru-WGC
(2024/12/25 18:57:23)
2019/3/24 Waveで蔵王まで (2020/1/18 10:49:51)
かねてからプランしていた仙台までのwaveクロスカントリーをLS8で実施できました。
トラックログ(GPSが古い機種のでdateが桁あふれして日付がおかしくなっています)
プランニング
過去2回ほど安達太良山まで( 2014/3/23 , 2014/4/12 )は到達していたのですが、2回とも安達太良から先がブルーでwaveの場所に自信が持てず、安達太良から北へ行けておりませんでしたが、正確なクロスカントリー予報(SkySight)の出現と、雲が出ていたことから、安達太良から蔵王へのwaveの渡りに成功できました。
数日前から3/24(日)の予報がよく出ていましたが、この日の予報に自信が持てたのは以下の点です。
waveのつながりが良いこと、男体山より手前でwaveに入る事が出来そうで、那須までwaveで繋げそうなことから、十分にグライダーで仙台まで往復できる予想をしました。フライトプランは11:30から17:30の6時間で仙台までの往復でファイルしました。
板倉周辺でwaveに入れるポイントは下記になります。waveの発生する山は風下の山の形(落ち込み)がポイントになります
・華厳の滝
・足尾の谷(草木湖)
・前日光牧場(横根山)の東アビーム 足尾の谷のwaveの第二波
・鹿沼~栃木市のあたり 足尾の谷のwaveの第三波
・葛生~田沼付近
3000m以下の風が弱いときは日光山系上空にコンバージェンスが出来、葛生からコンバージェンスを伝って北上して前日光牧場、華厳の滝あたりでwaveに入れることが多いです。
風が強いと、日光山系が荒れていて山のエリアに入れないので、鹿沼~栃木市付近の山と平野の境目のエリアで一波風下のwaveに入る様にします。ここのwaveはそのまままっすぐ北へつながっていて、華厳の滝のwaveの第二波から第三波になる事が多いです。( 2016/4/30 のフライト参照)
スタート
板倉地上は300度10m/sの風で、コンバージェンスは大平山の奥、いつもより遠い場所に見えました。板倉からあのコンバージェンスにアクセスするには地上風がこれ以上強くなって曳航できなくなる前に離陸して、曳航で直接コンバージェンスに入るのがベストです。
11:30 3機目の曳航で離陸、20km先まで曳航してもらい、7000ftでコンバージェンスに入ったところで離脱しました。
コンバージェンスで8000ftまで上昇後、コンバージェンスの西の雲の壁面を北上しながら探ると雲がそそり立ってくるところが鹿沼市の西であり、ここでwaveに入れると予想、予想通り、雲の壁面で上がりはじめ、9000ftから整流域に入りました。
FL120で東京コントロールにコンタクトしました。(管制官が女性だと深田恭子さんをイメージしてかなり嬉しい)。インテンションを伝えて、FL180まで上昇して北上を開始しました。
日光市の三角ウエーブ
SkySightの上昇帯はwaveの震幅は多少ずれがありました。波長はおおまかに風速の1/6になるので、60ktの風速であれば10NM(18km)となります。風速の見込みがずれていることでwaveの場所が東西にずれているのかも?ですが、waveバーの全体の配置、曲がり方、風向が地形に斜めにあたる場合、パッチ状のウエーブ(エシュロンウエーブ)の発生は予報通りなので、風向としてはあっていて、風速が少しずれていたのかもしれません。
高原山風下のwaveウインドウへ
猪苗代湖、安達太良山へ
蔵王への判断
斜めに風下にwaveの上昇帯がずれている、安達太良のwaveから、蔵王山系のwaveラインに乗り移る、このフライトで最大の判断ポイントになりました。
蔵王のwaveの雲は少ないが少しある 北側は風が弱まっているのか?
waveラインを山が東になっていることにあわせて風下に移動して、上昇帯が見つけられれば良いが、無かったときは?(角田へのアウトラデンィングを想定していました)
雲は少ないですが蔵王のwaveがあることを信じて前進を決めました。
蔵王山系waveへ到着
蔵王でターン、サウスバンド
板倉まで110km 12000ftからのグライド、鬼怒川滑空場を押さえながら板倉へ帰る手段を探します。大田原のあたりでブルーの中で第2波のwaveでの上昇を試みますが、上手く上がれませんでした(もうちょっと丹念に探すべきだった)。風が弱まっていればなんとか届く高度ですが、日光の谷まで来ても風はいまだしっかり吹いていることがわかります。板倉へ帰るための高度が回復できず、鬼怒川滑空場上空6000ft(板倉へ55km)で鬼怒川滑空場か、宇都宮飛行場へのアウトランディングを検討し、鬼怒川滑空場へのアウトランディングを選択、板倉へ曳航機をフェリーのために飛ばしてもらうことを無線で依頼、曳航機の離陸を確認してから鬼怒川滑空場へランディングさせていただきました。宇都宮大学の皆さんが丁度フライトを終了したタイミングで着陸でき、地上で大変お世話になりました!おかげで無事エアトーバックで板倉に戻ることが出来ました。ありがとうございました!
waveの際のヘディングについて
文字が読める様に拡大してみます
ヘディング 330度
トラック(TRK)30度 なのでほぼ60度の Wind Correction Angle です
速度(IAS)110km/h
風速 291度 137km/h(73kt)
高度 FL175 (500hpa)
風向風速は予報通り、0900の館野の風とも一致しています。
290度の風に対して、直角に移動するにはトラック20度、になります。
実際はヘディングは330度、トラック31度なので少し風下に流されています。
それでも、機首方向に対して60度方向に進んでいるのでほぼ真横に進んでいる気分になります。
waveの中を移動する際は風向に対して、それぞれ90度方向のトラックがどちらかを理解し、実際のtrkを見て、風に直行して飛べているのか、風下に流されていないか、を理解しながら飛ぶことが重要です。(300度の風であれば、ノースバンドはTRK030より小さく飛ぶ、サウスバンドはTRK210より大きな数字で飛べば常に風上を維持できます)
IASを減らせば、風力三角形は風下に流される形になりますので、さらなるWCA(Wind correction angle)が必要になります。気を抜いて、速度を抜いてしまうと、あっという間に流されます。
東京コントロール (Tokyo ACC Area Control Center)とのATC について
AIP ENR 2.1-2より 以下でバウンダリーが分かれています。関東~仙台の間はこんな感じです。
T03 Kanto North Sector 124.1 MHz
T02 Tohoku Sector 118.9 MHz
T07 Joshu Sector 128.2 MHz
最初は 124.1Mhz (T03 Kanto North)にコンタクトしました
・ポジション (宇都宮飛行場 西 10マイル FL140位でコンタクト)
・squawk頂いてIDT
・インテンションを聞かれるので 仙台までノースバンドでフライト
・高度 FL200 - FL140でフライト
以降はこの周波数で通信しました。
猪苗代湖を過ぎたあたりで T03 Kanto North Sector から T02 Tohoku Sector 118.9Mhz にハンドオーバーされました。118.9MHz の地上での受信が悪かった様で、再び128.2MHz T07 Joshu Sector をアサインされましたが、こちらの周波数でも聞き取りづらいときがかなりあった模様でした。
地上が受信出来ていないときは「受信出来たらIDTを押してください」と言われるので、トラポンのIDTを押して返信することもありました
ヘディング変更時(ノースバンドからサウスバンド)する際はヘディングを変える前に通信をします。
猪苗代湖から北のエリアをフライトすると、福島空港、仙台空港に降りる機体がひっきりなしに入ってきます。FL190 の自分より下を着陸するCRJとかが通過します。那須では自分のすぐ上(FL220)でヨーロッパ便の着陸機が西から大子へ向かって降下していきます。東京コントロールを常時モニターして、適時トラフィック情報を頂けるので、「ルッキング」、「インサイト」、を適時レポートしました。
私の高度を下げられるかと聞かれたときもありましたが、ここで高度を上げないと帰れない状態の時はごめんなさいして相手側に高度を調整して頂いたりもしました。
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2019/3/24 Waveで蔵王まで (2020/1/18 10:49:51)
左下に蔵王山 北を望む 18,000ft |
トラックログ(GPSが古い機種のでdateが桁あふれして日付がおかしくなっています)
プランニング
過去2回ほど安達太良山まで( 2014/3/23 , 2014/4/12 )は到達していたのですが、2回とも安達太良から先がブルーでwaveの場所に自信が持てず、安達太良から北へ行けておりませんでしたが、正確なクロスカントリー予報(SkySight)の出現と、雲が出ていたことから、安達太良から蔵王へのwaveの渡りに成功できました。
数日前から3/24(日)の予報がよく出ていましたが、この日の予報に自信が持てたのは以下の点です。
13:00 3000m 予報 板倉の北30km鹿沼のあたりから今市を抜けて高原山、日留賀岳、少し東にずれて那須岳のwaveとほぼ綺麗につながっていること。那須の後も東にずれて猪苗代湖、安達太良山、またそこから少し東にずれて蔵王山系のwaveにつながっていること |
13:00 5000m 予報。3000mより上昇帯の予報がつながっている(高い高度ほどwaveの連続性が良い)、waveの位置は大きくずれていないので、上空に行くほど風が強く、waveが立っている形になっていることが分かります(風が上空まで一定だとwaveは風上に倒れます) |
15:00 5000m 仙台をターンして帰ってくるあたりを想定 福島市で途切れるところをどう渡るか? |
16:30 5000m 第一波もかなり弱まってくる。風は十分吹いているのだが。。 |
waveのつながりが良いこと、男体山より手前でwaveに入る事が出来そうで、那須までwaveで繋げそうなことから、十分にグライダーで仙台まで往復できる予想をしました。フライトプランは11:30から17:30の6時間で仙台までの往復でファイルしました。
12:00地上図。 谷の通過で等圧線の割には風が強まると思われる |
館野 JST0900 700hpa
に逆転層(waveの下限のバウンド)ここから上は40ktから500hpa で70kt、風向は300度で一定のまま。 良いwaveのでる条件(山の高さあたりに逆転層、上に逆転層(350hpa)、上空に行くほど風速が強くなる、風向がそろっている) |
秋田の0900 館野と比べると風向が少しずれているか? |
板倉周辺でwaveに入れるポイントは下記になります。waveの発生する山は風下の山の形(落ち込み)がポイントになります
・華厳の滝
・足尾の谷(草木湖)
・前日光牧場(横根山)の東アビーム 足尾の谷のwaveの第二波
・鹿沼~栃木市のあたり 足尾の谷のwaveの第三波
・葛生~田沼付近
3000m以下の風が弱いときは日光山系上空にコンバージェンスが出来、葛生からコンバージェンスを伝って北上して前日光牧場、華厳の滝あたりでwaveに入れることが多いです。
風が強いと、日光山系が荒れていて山のエリアに入れないので、鹿沼~栃木市付近の山と平野の境目のエリアで一波風下のwaveに入る様にします。ここのwaveはそのまままっすぐ北へつながっていて、華厳の滝のwaveの第二波から第三波になる事が多いです。( 2016/4/30 のフライト参照)
スタート
板倉地上は300度10m/sの風で、コンバージェンスは大平山の奥、いつもより遠い場所に見えました。板倉からあのコンバージェンスにアクセスするには地上風がこれ以上強くなって曳航できなくなる前に離陸して、曳航で直接コンバージェンスに入るのがベストです。
11:30 3機目の曳航で離陸、20km先まで曳航してもらい、7000ftでコンバージェンスに入ったところで離脱しました。
コンバージェンスで8000ftまで上昇後、コンバージェンスの西の雲の壁面を北上しながら探ると雲がそそり立ってくるところが鹿沼市の西であり、ここでwaveに入れると予想、予想通り、雲の壁面で上がりはじめ、9000ftから整流域に入りました。
鹿沼の西でwaveコンタクト上昇中 奥は女峰山 高度FL130 右手に見えるのがwaveの壁の雲の一部 |
5000mから男体山 一波手前にも見えるおそらく足尾の谷のwaveの第二波 |
FL120で東京コントロールにコンタクトしました。(管制官が女性だと深田恭子さんをイメージしてかなり嬉しい)。インテンションを伝えて、FL180まで上昇して北上を開始しました。
日光市の三角ウエーブ
5500mまで上昇して、三角にはみ出したウエーブの雲の風上前面を移動(雲の奥に見える谷間は鬼怒川温泉)。以下のSkySightの予報通りの雲の形になっている。三角形の左(西)の縁を通って、北上しながらwaveウインドウを飛ぶ |
左のトレースが板倉を離陸して北上しているトレース、最初のwaveでの上昇をしているのが「鹿沼市」のあたり。ここでFL180まで上昇後、移動を開始しているが、「日光市」のあたりでトレースがL字になっているのが分かると思います。一つ上の雲の写真で左に出っ張っている部分がこの上昇帯に相当します。(クロワッサンwave) |
SkySightの上昇帯はwaveの震幅は多少ずれがありました。波長はおおまかに風速の1/6になるので、60ktの風速であれば10NM(18km)となります。風速の見込みがずれていることでwaveの場所が東西にずれているのかも?ですが、waveバーの全体の配置、曲がり方、風向が地形に斜めにあたる場合、パッチ状のウエーブ(エシュロンウエーブ)の発生は予報通りなので、風向としてはあっていて、風速が少しずれていたのかもしれません。
高原山風下のwaveウインドウへ
那須岳へ移動
高原山で5500mまで回復した後、那須岳の第一波に到達 5500m FL180。下はマウントジーンズスキー場。右手がwaveの雲 |
那須岳のwaveの雲(右手) 5500m マウントジーンズスキー場 ウエーブウインドウの間(右上)が次の北東へのルート |
猪苗代湖、安達太良山へ
猪苗代湖 5800m 中央奥がおそらく猪苗代スキー場とアルツ磐梯スキー場 その右手の白いところは檜原湖 |
上写真、左に出っ張った雲の前面に行くが上がらず安達太良の前に戻る。結局中央の大きな雲の前面で5m/sで再上昇 |
猪苗代湖の東から北東、安達太良山の大一杯で上がった後、上昇帯が少し西に出っ張っているのでこの予報を信じて少し西に出っ張ったところの風上の前面を飛びましたが、これは外れ。底よりはむしろ福島市の東側を飛んだ方が良かった様です |
安達太良山第一波 6000m 奥の白いところは檜原湖 その右手はグランデコ スキー場 |
蔵王への判断
二本松上空5500mから北を見る。福島市市街 中央奥に蔵王山 左手の雲の前面(西側)を飛んだのは失敗。(雪雲が流れ込んでいるところは大抵良くない。谷が低くて風が抜ける場所)。なのに2度もここを通ってしまっている。やはり上空では一度決めたことから頭が切り替えられなくなっているか? |
蔵王のwaveの雲は少ないが少しある 北側は風が弱まっているのか?
waveラインを山が東になっていることにあわせて風下に移動して、上昇帯が見つけられれば良いが、無かったときは?(角田へのアウトラデンィングを想定していました)
雲は少ないですが蔵王のwaveがあることを信じて前進を決めました。
谷風の抜けるところ(猪苗代湖の北のところ、東西のストリートになっている)こういうところは良くない。このストリート上に雲量が増えているのは佐渡島の風下コンバージェンスでした。 |
蔵王山系waveへ到着
1000m失高して蔵王山系のwaveへ到達。正しいルートは安達太良からそのまま福島市市街地の上空くらいを通過して入る方が良かったようです。風の強い中これだけ風下に移動するのはかなりヒヤヒヤ |
14:10
遂に蔵王山がしっかりと見えました。右手に蔵王からのwaveラインが見えます 弱いローターが北へ続いているのがわかります。12:00過ぎに鹿沼をスタートして2時間、 板倉から200kmを超えた! 帰路を考えて14:30に南下開始を上限に北上してみることにします |
14:07 蔵王山の第一波wave(中央)、その右手に2波のwave、角田滑空場は第3波の下くらい? |
蔵王山 5500m弱いwaveが続く この先はローターが消えているのでここで諦めてターンすることにしました。 |
まだローターラインは続いています。もうちょっと北上しても良かったと思います。同じ日に飛んでいた齋藤さんのトレースはもう少しだけ西側を飛んでいるのでちょっと場所をずらせば強いところがあったぽいです。蔵王の北の端まで行くべきでしたが、「目標蔵王!」と思ってるとやっぱり蔵王に到着すると満足してしまうのが妄評設定が足りないところだと思いました。 |
岩沼市のあたり?角田滑空場は右下写真の丁度外 |
蔵王でターン、サウスバンド
14:20 ターンしてサウスバンド |
14:58 安達太良山の西に出っ張った雲の西側全面で上がるつもりが上がらず、5500mで蔵王から3000mまで一気に落ちてヒヤヒヤ。方針変更でもう一つ南側の雲が壁の様に立ち上がっているのでそこに狙いをつけて回復、3000mから6000mまで5m/s張り付きで上昇、写真は上がってからのほっと一息 |
同じルートを南下して失敗、2500m失高して、ヒヤヒヤで回復しました。回復は5m/sでの上昇でした |
福島空港と二本松の市街地 |
那須で再びターン、郡山まで往復
時間が余りそうでしたので郡山まで再度往復しました
15:30那須岳の第2波、白河市の南くらい。時間が余りそうなのでターンして再度50kmほど北上を試してみることに。雲量が増えて第一波が使えなくなり第2波を使っています。この直前に踏み外して第2波の後ろの沈下に入りかけるがリカバリーした。後で思うとこの雲量が増えて第一波、第2波のウインドウが閉じる現象への対応が出来なかったのが板倉に帰り着けなかった理由です。油断と疲れです |
雲量が増えた理由はこれでした。那須のエリアは能登半島からの風下コンバージェンスになることで雲量が増えるようです。同様に猪苗代湖の北も佐渡島からの風下コンバージェンスの影響で雲量が増えているようです。 |
郡山から南下の帰路で失敗、鬼怒川滑空場へ |
郡山で再度ターンして南下して帰ることに。南下の際に雲量が増えてすこしづつ風下を飛んでしまっていることがこのあとの失敗につながりました。雲量が多くて第二波にもどるには向かい風が強く、あっという間に落ちることに。これなら第3波に逃げるべきでした。板倉まで120km 17000ftからあっというまに110km12000ft、10kmで5000ft失高しました |
この予報だと帰り道(一番右側のトレース)も上昇帯を飛べているはずなのですが、実際は沈下帯の中をしばらく飛んでしまっています |
板倉まで110km 12000ftからのグライド、鬼怒川滑空場を押さえながら板倉へ帰る手段を探します。大田原のあたりでブルーの中で第2波のwaveでの上昇を試みますが、上手く上がれませんでした(もうちょっと丹念に探すべきだった)。風が弱まっていればなんとか届く高度ですが、日光の谷まで来ても風はいまだしっかり吹いていることがわかります。板倉へ帰るための高度が回復できず、鬼怒川滑空場上空6000ft(板倉へ55km)で鬼怒川滑空場か、宇都宮飛行場へのアウトランディングを検討し、鬼怒川滑空場へのアウトランディングを選択、板倉へ曳航機をフェリーのために飛ばしてもらうことを無線で依頼、曳航機の離陸を確認してから鬼怒川滑空場へランディングさせていただきました。宇都宮大学の皆さんが丁度フライトを終了したタイミングで着陸でき、地上で大変お世話になりました!おかげで無事エアトーバックで板倉に戻ることが出来ました。ありがとうございました!
waveの際のヘディングについて
文字が読める様に拡大してみます
ヘディング 330度
トラック(TRK)30度 なのでほぼ60度の Wind Correction Angle です
速度(IAS)110km/h
風速 291度 137km/h(73kt)
高度 FL175 (500hpa)
風向風速は予報通り、0900の館野の風とも一致しています。
290度の風に対して、直角に移動するにはトラック20度、になります。
実際はヘディングは330度、トラック31度なので少し風下に流されています。
それでも、機首方向に対して60度方向に進んでいるのでほぼ真横に進んでいる気分になります。
waveの中を移動する際は風向に対して、それぞれ90度方向のトラックがどちらかを理解し、実際のtrkを見て、風に直行して飛べているのか、風下に流されていないか、を理解しながら飛ぶことが重要です。(300度の風であれば、ノースバンドはTRK030より小さく飛ぶ、サウスバンドはTRK210より大きな数字で飛べば常に風上を維持できます)
IASを減らせば、風力三角形は風下に流される形になりますので、さらなるWCA(Wind correction angle)が必要になります。気を抜いて、速度を抜いてしまうと、あっという間に流されます。
東京コントロール (Tokyo ACC Area Control Center)とのATC について
AIP ENR 2.1-2より 以下でバウンダリーが分かれています。関東~仙台の間はこんな感じです。
T03 Kanto North Sector 124.1 MHz
T02 Tohoku Sector 118.9 MHz
T07 Joshu Sector 128.2 MHz
最初は 124.1Mhz (T03 Kanto North)にコンタクトしました
・ポジション (宇都宮飛行場 西 10マイル FL140位でコンタクト)
・squawk頂いてIDT
・インテンションを聞かれるので 仙台までノースバンドでフライト
・高度 FL200 - FL140でフライト
以降はこの周波数で通信しました。
猪苗代湖を過ぎたあたりで T03 Kanto North Sector から T02 Tohoku Sector 118.9Mhz にハンドオーバーされました。118.9MHz の地上での受信が悪かった様で、再び128.2MHz T07 Joshu Sector をアサインされましたが、こちらの周波数でも聞き取りづらいときがかなりあった模様でした。
地上が受信出来ていないときは「受信出来たらIDTを押してください」と言われるので、トラポンのIDTを押して返信することもありました
ヘディング変更時(ノースバンドからサウスバンド)する際はヘディングを変える前に通信をします。
猪苗代湖から北のエリアをフライトすると、福島空港、仙台空港に降りる機体がひっきりなしに入ってきます。FL190 の自分より下を着陸するCRJとかが通過します。那須では自分のすぐ上(FL220)でヨーロッパ便の着陸機が西から大子へ向かって降下していきます。東京コントロールを常時モニターして、適時トラフィック情報を頂けるので、「ルッキング」、「インサイト」、を適時レポートしました。
私の高度を下げられるかと聞かれたときもありましたが、ここで高度を上げないと帰れない状態の時はごめんなさいして相手側に高度を調整して頂いたりもしました。
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