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<飛丸日記 3月28、29日> 「禁じ手の上を行く」
飛丸日記
(2024/10/31 8:42:30)
<飛丸日記 3月28、29日> 「禁じ手の上を行く」 (2020/5/21 22:31:57)
約30kmあるテンブロン大橋を渡り、11回目のテンブロンを訪れる。
まさか帰任前にこのチャンスが訪れるとは思はなかった。
陸伝いでは一度マレーシアに入国する必要があるブルネイの飛地。
コロナ禍の中、国境が封鎖された為、直接飛地に行けるこの橋を
突貫工事で一気に開通まで漕ぎつけたという。
今回は土日の一泊旅行を計画する。
何せ私の住むブルネイ南端の街、KBからは180kmある。
土曜日朝、5件のホテルに電話をする。
コロナ対策の為、政府の要請で、全て休業中とのこと。
「んんん、止むを得ない、切り札を使うか。」
2時半過ぎ、テンブロンの南端から北端の国境を目指す。
往復46km、日没までには間に合うだろう。
国境手前6kmからは、分岐する道もなく自動車は全く通らない。
何せ国境は封鎖されている。
大自然の中、車が来ない、誰もいない一本道。快適である。
ところが、途中から体調に異常を感じる。めまいがする。
熱中症?脱水症状か?
ちょっとした坂が上り切れない。やがて歩くのも困難に。
国境まで3㎞の表示、残り26kmの道のり。
今戻れば20km。前に進めば29㎞。決断を迫られる。
ここは冷静に戻るか、目標達成を敢行させるか。
久しぶりに「突っ込みタイプ」の性格が表面化、自己制御を失う。
国境に向け、気力を振り絞る。
それにしても、人間、進歩しないものである。
これでは、若かりし頃、むやみに突き進んで途中で降りてしまう
事が多かった、ハングの大会の時と何も変わらない。
反省の思いと闘いながら、3㎞を走る。いや、歩く。
「いや違う。これは綿密に計算された確信犯の行動だ!」
何とか国境にたどり着く。当然、誰もいない。
通関職員を除いて。
蛮行に出る。頼み込み、起点までの送迎をお願いする。
断られる。また頼む。そして遂に説得成功。
迷惑な話だが、「そもそも、あなた暇だよね。」
帰り23㎞を自動車でリターン。
車内では疲労困憊の為、熟睡。目が覚めたら着いていた。
街に戻り、缶ジュースを買う。嘔吐。
んんん、流石にこんな事は初めてだ。
これが熱中症というものか?
川沿いで「切り札」のテントを張り、爆睡。
翌日は上流で、ブルネイ最後の水遊びを目論むも増水の為、断念。
道の終わり、ジャングルの中で読書に励む。
2日前、日本への直航便、経由便全てのフライトが欠航となった。
4月15日帰任を半年前から宣言していたのだが、
物理的に帰る術が絶たれた。
やりたい事はやりつくした。仕事でも、自分なりにやり切れた。
さて、これからどうしたものか。
とは言え、2、3か月は大丈夫だ。
目指せ、読み掛け37冊の本読破。
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<飛丸日記 3月28、29日> 「禁じ手の上を行く」 (2020/5/21 22:31:57)
約30kmあるテンブロン大橋を渡り、11回目のテンブロンを訪れる。
まさか帰任前にこのチャンスが訪れるとは思はなかった。
陸伝いでは一度マレーシアに入国する必要があるブルネイの飛地。
コロナ禍の中、国境が封鎖された為、直接飛地に行けるこの橋を
突貫工事で一気に開通まで漕ぎつけたという。
今回は土日の一泊旅行を計画する。
何せ私の住むブルネイ南端の街、KBからは180kmある。
土曜日朝、5件のホテルに電話をする。
コロナ対策の為、政府の要請で、全て休業中とのこと。
「んんん、止むを得ない、切り札を使うか。」
2時半過ぎ、テンブロンの南端から北端の国境を目指す。
往復46km、日没までには間に合うだろう。
国境手前6kmからは、分岐する道もなく自動車は全く通らない。
何せ国境は封鎖されている。
大自然の中、車が来ない、誰もいない一本道。快適である。
ところが、途中から体調に異常を感じる。めまいがする。
熱中症?脱水症状か?
ちょっとした坂が上り切れない。やがて歩くのも困難に。
国境まで3㎞の表示、残り26kmの道のり。
今戻れば20km。前に進めば29㎞。決断を迫られる。
ここは冷静に戻るか、目標達成を敢行させるか。
久しぶりに「突っ込みタイプ」の性格が表面化、自己制御を失う。
国境に向け、気力を振り絞る。
それにしても、人間、進歩しないものである。
これでは、若かりし頃、むやみに突き進んで途中で降りてしまう
事が多かった、ハングの大会の時と何も変わらない。
反省の思いと闘いながら、3㎞を走る。いや、歩く。
「いや違う。これは綿密に計算された確信犯の行動だ!」
何とか国境にたどり着く。当然、誰もいない。
通関職員を除いて。
蛮行に出る。頼み込み、起点までの送迎をお願いする。
断られる。また頼む。そして遂に説得成功。
迷惑な話だが、「そもそも、あなた暇だよね。」
帰り23㎞を自動車でリターン。
車内では疲労困憊の為、熟睡。目が覚めたら着いていた。
街に戻り、缶ジュースを買う。嘔吐。
んんん、流石にこんな事は初めてだ。
これが熱中症というものか?
川沿いで「切り札」のテントを張り、爆睡。
翌日は上流で、ブルネイ最後の水遊びを目論むも増水の為、断念。
道の終わり、ジャングルの中で読書に励む。
2日前、日本への直航便、経由便全てのフライトが欠航となった。
4月15日帰任を半年前から宣言していたのだが、
物理的に帰る術が絶たれた。
やりたい事はやりつくした。仕事でも、自分なりにやり切れた。
さて、これからどうしたものか。
とは言え、2、3か月は大丈夫だ。
目指せ、読み掛け37冊の本読破。
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