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feed <飛丸日記 4月9日> 「この会社で働きたい」 (2020/5/26 20:07:46)
200501 IRL
200501 IRL

2010年2月、突然、役員室に呼ばれる。
「4月からIMEの社長をやってくれ。」「分かりました」
二つ返事で受け、僅か数十秒で退室する。
その心中は穏やかではない。
「社長って言っていたから、悪い話ではないだろうけど
そもそもIMEってなんだ?」
席について会社を調べる。
ITOCHU Middle East (伊藤忠中近東会社)略してIME
「えっ!ドバイ駐在なんだ。一体どんな所だろう。」

我ながら進歩がない。同じ話の繰り返し。役員さんから電話をもらう。
「4月から伊藤忠リーテイルリンクで役員をやってもらうから。」
その後、しどろもどろの受け答え。詰問される。
「冨原、この会社がどういう会社か知っているか?」
図星である。電話の後、直ぐにWebで検索する。
売上500億、社員200名。(https://www.itc-rl.co.jp/)
「んんん、良くわからん。
業務内容が不明瞭で、何か、ふわっとした会社だなあ。」
「ITOCHU Retail Link Corporation」略してIRL
RとLが正しく発音が出来ない。
「ブルネイの我が社」で赴任先を社員さんに説明したら、
何度も何度もその度に発音を直された。
なんて難しい会社なんだ。

帰国後、2週間の自宅隔離、その後の外出自粛を厳格に守る。
そう、私は日本人なんだ。一致団結。やる時はやる。
ブルネイで一日中家にいたのは5年間で片手に余る。
生活一変とはこの事だ。
でも物事に「けじめ」はつけるべき。
5月1日、Google Mapを頼りに初出社する。
これからは「八丁掘の我が社」だな。

出社する僅かの方だけに御挨拶、と思いきや、甘かった。
Zoomを使ってTV中継が手配されていた。
カメラ越しに、何人の人が聞いているのか、わからない。

この歳になると「突然のご指名」の機会は時々ある。
段取りの悪さは頂けないが、実は嫌いではない。
以前は人前で話すのは大の苦手だった。あがってしまう。
今は違う。特に「突然のご指名」は面白い。
一体、自分が何を話すのか。話したのか。
心からの思いが出るものである。自分で自分を再発見。
何事も考え方次第。「Let’s Enjoy」だ。
そもそもネタは一杯ある。ブログの1話を話せばいい。
ブルネイでのブログ書きを終えて気づいた事、
この5年間で話のレパートリーは400を超えている。

「コロナ禍の中、やるべき事、やれる事をやりましょう。」
どこかで話したフレーズが口から出る。

「新天地で先ずやるべきこと。」
「社員さんの話を聞くこと」いや、それは違う。
先ず「自分を知ってもらうこと」だ。
良く知らない相手に、一体何を話してくれるというのか。
自己正当化の悪い癖。
30分の施政方針演説の中、大半はハング・グライダーの話をする。
まあ、それも止むを得ない。
人生訓、冨原節の数々、大半はハングから得た教訓である。

「会社の決まり」を学び、幾つかの会議にZoomで参加する。
そんな中、初めて仕事を頼まれる。
Zoomによる採用面接だ。
会社の事はまだ何も知らない。こんな私でいいのだろうか?
まあいいや、伊藤忠100%の子会社。DNAは同じ筈。
採用すべき人も同じだ。

社長さんがZoomで同席。学生さんに会社の説明をする。
「こんなものがあったら良いな、そう思うものがあったら
 自分でその商品を企画提案し、作ってもらうところを探し
 そして物流から販売まで携わる。そんな会社です。」

面接が終わり、堪え切れず、唐突に社長にメイルを入れる。
「この会社で働きたいと思いました。」

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