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PWCスペイン最終日 長い長い100km
呉本圭樹blog
(2025/1/10 10:39:10)
PWCスペイン最終日 長い長い100km (2015/9/11 13:22:39)
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PWCスペイン最終日 長い長い100km (2015/9/11 13:22:39)
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日本に帰ってきて、2日。
時差ぼけています。
今朝も5時に目が覚めてしまい、眠りも浅く、なんだかすっきりしないので、
朝からトレーニングを開始。
久しぶりに自転車で65kmを走破。
調子に乗って寝不足の上どどっと疲れてしまった朝でした。
さて、スペインの最終日。
地元主催者は、コンディションがいつものAgerに戻った!
と宣言していたので、ようやく、サーマルも強くなるのか。
タスクも100kmだし、これは俺の得意な分野。
もう捨てるものはない、チーム優勝に向け、突っ走るのみ!!!
と気合を入れていたスタート前。
確かにスタート前のサーマルは、この一週間の中で一番強い。
ただ、先週の練習日に比べるとまだ本調子にはなっていないコンディション。
スタート前に渋くなってしまうコンディションに、思ったよりも慎重に行かねばならない
のではないか?と思っていた。
なのでスタート直後は、少し高度を取り戻すために遠回りをしながら山に張り付き、全体の中盤ほどの
位置からのスタート。
長い距離なので、ここであせる必要はない。
最初はAger
の岩盤を沿うように進む。
サーマル活動よりも、岩盤のリッジ(斜面に当たって上昇する風)を使っていったほうが確実に上がって先に
進めるので、翼が岩肌に触れるくらい近くまで寄せて進む。
そこでトップまでスピードを上げて追いつくが、
ここからが大変だった。
リッジが切れていよいよその先の山に取り付くまでは距離がある。
直線的に進めば大きな丘のような山を越えていく。
共に行くのはマキシム・ピノ、ヤッセン、そして岩崎、私、廣川。
その後ろの軍団は途中から大きくコースを変え、遠回りの雲があるコースを選択。
そちらに行くかは悩んだが、もう遅い。
ところが、これが大変なことになった。
ピノ、岩崎が何とか捕らえたサーマルに取り付こうとするのだが、風が吹き降ろしていて、
わずか10mほどの高度差しかないのに、捕まえることができず、なし崩し的に、山の下へ下へと
降りていく。
風の吹き降ろしにつかまりながら、どんどんと貴重な高度がなくなっていく。
廣川、呉本、あと数機は絶対絶命のピンチ。
一機がもう対地高度100mくらいしかないところで捕まえたサーマルに、廣川、呉本が飛び込む。
最初に入ったグライダーはそのまま降りてしまったものの、何とか我々はゆっくりゆっくり高度を
回復していく。
「ありがとう、友よ、お前の死は無駄にしない!!」
とか考えて、いや、それよりサーマルを捕まえるのに集中しろよ!!と自分の頭の中では
突っ込みとボケが進行しつつ、ようやく少しほっとできる高度まで持ち直す。
そうしている間に、コースを変えた集団は高く我々の上空をパスし、すでに先の山を越えて行ってしまった。
完全に遅れてしまったのだ。
しかし、ここであわてても仕方ない。
前に行く集団の動きを見ながら、無駄ないコース取りをしていけばいい。
幸い、前の集団は思いのほか弱いコンディションに歩みは遅い。
集団が慎重に山を迂回しながら高度を落とさないように進むのに対し、
我々後追いは、サーマルが上がったところに最短で突っ込み、余計なコース取りをせずに
進んでいく。
おかげで、中盤を過ぎたころには、かなり近付き、後半に入ろうというところでセカンド集団の中で、私は飛び出してトップ集団
に低く取り付く。
しかし、ここでも低く取り付いてしまったために、上昇に手間取るが、慎重なトップ集団は思いのほか進まない。
おかげで風の吹き抜ける谷で完全に追いつくことができた。
しかし、そのころ、だいぶ遅れていた集団も、山を迂回せずに沖のコースに切り替えトップ集団に迫ってきて、
80kmほどのところで合流。
最後は山から離れた最後のターンポイントを取る勝負。
しかし、サーマル活動は弱い。
弱いけどある。
そう思い、私は先に飛び出す。
しかし、トップ集団はその場面でも慎重になり、スピードを緩め高度を維持しようとする。
なので私だけが先に飛び出したかっこう。
それはそれでかまわない。
最後のターンポイントを取って切り返す。
一番近い山に取り付けさえすればゴールまではいける。
そう踏んでコース取りを決める。
山にたどり着く前、サーマルにヒット、
一気に右旋回。
弱いが確実なサーマル。ここであげきれば直線でゴールすることもできるかもしれない。
トップ集団がすべてなだれ込んでくる。
まとまりかけたサーマル。
下に入ったグライダーが何故か左旋回を始めた。
それにつられ、数機が左旋回を始める。
もうぐちゃぐちゃ。
ふざけるな!そう怒鳴っても後の祭り。
弱いサーマルでグライダーがあちこちでぶつかりそうになる。
私も一機と正面。
急旋回でよける。
しかし、それでサーマルからは外れる。
仕方ないので最初のプランどおり山に取り付く。
あげきった何機かはそのまま直線でゴールへ向かう。
集団が最後に分かれた。
風が当たる山に取り付き、少し高度を上げ、ローター(乱流)の中を覚悟して
ゴールに向かう。
横を見ると直線で来ている数機のグライダー。
その中には岩崎のグライダーも見える。
後はどちらが先にゴールをきるか!!
勝敗は、最短をきた直線コース。
我々はその数秒後にゴールになだれ込む。
しかし、直線コースを選んだグライダーの多くはゴールわずか数キロ手前でランディングする羽目に
なっていた。
ゴールはわずか30機ほど。
100kmのレースが、ここまで長いとは・・・・・。
そこからバスがAgerに戻ったのは22時ころ。
更にそこから途中で降りた選手達がすべて帰ってきたのは日付も変わる直前。
そこから表彰式。
個人の成績はぼろぼろだったが、
最初と最後の成績がチーム戦に貢献し、チームは優勝!!
そして女子表彰は・・・・
1位~4位が日本人・・・・・。
すげーな。
そして優勝はフランスのPierre.
スペインの大会、コンディションは少し残念でしたが、こういうときでも勝てるのが本物。
今回は特に体調管理や、自分のコンディションの管理が全くできていなかったことが最大の反省点でした。
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