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feed <飛丸日記 8月15日、9月13日> 「前に逃げよ!」 (2020/12/15 21:37:59)
200913 奥多摩駅
200913 奥多摩
200913 秩父山並み
200913 拝島駅
200815 玉川上水
200815 多摩湖
200815 横田基地

8月2日 埼玉県戸田の自宅から川越まで、65㎞。
8月8日 山梨県塩山から小淵沢まで68㎞。
さて、その間をどうつなぐか。
立ちはだかるのは秩父の山並み。
中央高速沿いに20号を走るのが常道だが、明らかに遠回りだ。
邪道である。

障害があったら、真正面からぶつかる事。
「冨原って前に逃げるタイプだよなぁ。」
30年前、親友Tによる私の人物評である。

思い出すのは20数年前の全米選手権。
タスクは大好きなストレート・ゴール。
クロスカントリーと同じ、行きっ放しタスクだ。
この時の障害はコースのど真ん中に広がる砂漠地帯。
正方形に道路が周りを走り、それに沿って迂回するコースは取れる。
最短ルートは明らかに対角線上に砂漠を突っ切るりコースだ。
飛び出す前に、日本チーム内で作戦会議をする。
砂漠を通過するには何度も上昇気流をつかんで上げ直さないと渡れない。
危な過ぎる。迂回すべきだ。

競技開始。
正方形の頂点で、きれいどころの先頭集団は迷わず、対角線を突き進む。
やや遅れた二番手集団は、安全策を取って迂回路を取る。
自分の実力を鑑みた、正しい選択だ。
更に遅れて分岐点に辿り着いたへたくそ集団。
はやる気持ちを抑えきれず、対角線を行く。
その中に私もいた。

何度か上げ直すが、敢え無くランディング。
そこは見渡す限りの砂漠だった。
グライダーを畳んで歩き出す。
独りぼっち。途中、サソリもいれば、ガラガラ蛇もいる。
やがて砂漠で人に出会う。二人、三人。降りたアホは私だけではなかったのだ。
道なき道を歩き続ける。夜中の1時過ぎ、月明かりの中、やっと道に出る。

グライダーは回収不可能と落胆していたが、ランクルの走破性に救われた。
驚きである。どんな急斜面の砂丘も越えていく。
ランクルは凄い。
測ってみると、歩いた距離は32㎞。
疲労困憊、翌日は飛ぶ力が残っていない。
何とかテイクオフには上がる。突然、その日の競技は中止となった。
大会本部がタスク設定の無謀さ、過ちを認めて、休息日としたのだ。
流石にあのタスクは難し過ぎる。
 
あれから、もう20年以上の時が経つ。
その後、様々な経験を積み、大きく成長した私。
いや、人と言うものは そう変われるものではない。

8月15日 川越から昭島市拝島駅まで、往復71㎞。
9月13日 拝島駅から青梅を経て奥多摩に至る。往復78㎞。
青梅線の終着駅、奥多摩駅にまで駒を進めた。
ここから甲府盆地に抜けるには、行く手には、秩父の山並みが拡がる。
舗装道路が通っているのかもわからない。
まあいいや、ここから先は、未来の自分が何とかしてくれるだろう。

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