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特攻機「神龍」について、さらに調べてみました。その2
飛行中年
(2024/12/25 18:57:24)
特攻機「神龍」について、さらに調べてみました。その2 (2021/1/23 14:12:42)
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特攻機「神龍」について、さらに調べてみました。その2 (2021/1/23 14:12:42)
前回ご紹介しました特攻グライダー神龍について、今回はその機体の詳細についてご紹介したいと思います。
この神龍は、太平洋戦争末期、アメリカ軍が海軍の重要設備のある茨城県の鹿島に上陸しようとした際に、まだ年端もいかぬ予科練生に特攻を強制させ
るために開発された機体です。
この神龍には3基の個体燃料ロケットエンジンが装備されていました。
固体燃料ロケットエンジンとは、わかりやすく言うとロケット花火の大きなものみたいなもので、第二次世界大戦中の日本軍では、飛行機の離陸距離
を縮めるためだとか、同じく飛行機をカタパルトから射出させる目的のためにしばしば使われていました。
上の写真で、胴体の下部にそのロケットエンジンの噴射口を見ることができます。
神龍では下図のような配置でロケットエンジンが取り付けられていました。
この3つのエンジンのうち、まずは左右の2基のエンジンを噴射させ、約200メートルの高度まで上昇。
その後、特攻目標が定まったら、中央の1基のエンジンを噴射させ、体当たりアタックをかけました。
おそらくですが、性能的に見て、一基当たりの推力は大体500キロくらい。噴射時間は10秒ないくらいだったと思います。
機体の外観から、神龍の総重量は400キロほど。このうち100キロが爆弾の重量、機体がだいたい200キロほどで、パイロットその他の重量で1
00ほどだったと思えます。
下の図は、神龍の操縦席です。
実物大模型ではこの操縦席に座ることもできます。
向かって右側には、おそらく速度計、高度計、昇降計があったと思われますが、実物大模型ではそれらしく見せるため、全く別の計器が装着されて
いました。
そして…。
向かって左側には、上昇のための第一弾ロケットエンジンのスイッチ。
特攻目標にアタックをかけるための第二弾ロケットエンジンのスイッチ
そして、爆薬安全装置解除のスイッチ
が、配置されています。
神龍で特攻をかけるには、まずは第一弾ロケットで上昇。
しばらく滑空しながら目標を見つけて、爆薬安全装置解除のスイッチを入れる。
その後は第二弾のアタック用のロケットに火を入れて特攻する…。という手順になります。
しかし…。
私は正直、これで本当に敵に向かって正確に体当たり出来たのか、疑問に感じてしまいました。
まず、第二弾のアタック用ロケットエンジンを噴射させた場合…。
一気に推力をかけた場合、機体は上に向かって飛んでいくはずです。
これは、飛行機がピッチ、つまり縦の自立安定をとるために、どうしてもこのような動きが出てしまいます。
この動きを抑え込むために、実際にアタックをかける際には、パイロットはかなりの力で操縦桿を押し下げる必要はあったと思います。
特攻はいわば「自殺」です。
そのように自殺行為をするために、パイロットは力ずくで操縦桿を押し下げながら、果たして本当に正確に敵に突入できたのか…。
かなり疑問に感じました。
本当ならば、ダイブブレーキなどを作動させて、空気抵抗が大きくなるようにして機体を安定させる必要があったと思いますが、おそらく、パイロ
ットの操縦負担を緩和するために、単純に主翼のアスペクトレシオ、つまり、縦横比を小さくすることにより抵抗を大きくし、特攻アタックしやす
く考えたのだと思われます。
そもそも、特攻アタックをかけるためにロケットエンジンを噴射する必要があったのか…。
そんなことも考えましたが、特攻アタックをかける際にはおびただしい機関銃による「弾幕」が想定されるため、それを潜り抜けるためのエンジン
だったのかもしれません。
いずれにしても…。
私には、この神龍で効果的な特攻ができたかどうか、かなり疑問に感じてしまいました。
この神龍は、太平洋戦争末期、アメリカ軍が海軍の重要設備のある茨城県の鹿島に上陸しようとした際に、まだ年端もいかぬ予科練生に特攻を強制させ
るために開発された機体です。
この神龍には3基の個体燃料ロケットエンジンが装備されていました。
固体燃料ロケットエンジンとは、わかりやすく言うとロケット花火の大きなものみたいなもので、第二次世界大戦中の日本軍では、飛行機の離陸距離
を縮めるためだとか、同じく飛行機をカタパルトから射出させる目的のためにしばしば使われていました。
上の写真で、胴体の下部にそのロケットエンジンの噴射口を見ることができます。
神龍では下図のような配置でロケットエンジンが取り付けられていました。
この3つのエンジンのうち、まずは左右の2基のエンジンを噴射させ、約200メートルの高度まで上昇。
その後、特攻目標が定まったら、中央の1基のエンジンを噴射させ、体当たりアタックをかけました。
おそらくですが、性能的に見て、一基当たりの推力は大体500キロくらい。噴射時間は10秒ないくらいだったと思います。
機体の外観から、神龍の総重量は400キロほど。このうち100キロが爆弾の重量、機体がだいたい200キロほどで、パイロットその他の重量で1
00ほどだったと思えます。
下の図は、神龍の操縦席です。
実物大模型ではこの操縦席に座ることもできます。
向かって右側には、おそらく速度計、高度計、昇降計があったと思われますが、実物大模型ではそれらしく見せるため、全く別の計器が装着されて
いました。
そして…。
向かって左側には、上昇のための第一弾ロケットエンジンのスイッチ。
特攻目標にアタックをかけるための第二弾ロケットエンジンのスイッチ
そして、爆薬安全装置解除のスイッチ
が、配置されています。
神龍で特攻をかけるには、まずは第一弾ロケットで上昇。
しばらく滑空しながら目標を見つけて、爆薬安全装置解除のスイッチを入れる。
その後は第二弾のアタック用のロケットに火を入れて特攻する…。という手順になります。
しかし…。
私は正直、これで本当に敵に向かって正確に体当たり出来たのか、疑問に感じてしまいました。
まず、第二弾のアタック用ロケットエンジンを噴射させた場合…。
一気に推力をかけた場合、機体は上に向かって飛んでいくはずです。
これは、飛行機がピッチ、つまり縦の自立安定をとるために、どうしてもこのような動きが出てしまいます。
この動きを抑え込むために、実際にアタックをかける際には、パイロットはかなりの力で操縦桿を押し下げる必要はあったと思います。
特攻はいわば「自殺」です。
そのように自殺行為をするために、パイロットは力ずくで操縦桿を押し下げながら、果たして本当に正確に敵に突入できたのか…。
かなり疑問に感じました。
本当ならば、ダイブブレーキなどを作動させて、空気抵抗が大きくなるようにして機体を安定させる必要があったと思いますが、おそらく、パイロ
ットの操縦負担を緩和するために、単純に主翼のアスペクトレシオ、つまり、縦横比を小さくすることにより抵抗を大きくし、特攻アタックしやす
く考えたのだと思われます。
そもそも、特攻アタックをかけるためにロケットエンジンを噴射する必要があったのか…。
そんなことも考えましたが、特攻アタックをかける際にはおびただしい機関銃による「弾幕」が想定されるため、それを潜り抜けるためのエンジン
だったのかもしれません。
いずれにしても…。
私には、この神龍で効果的な特攻ができたかどうか、かなり疑問に感じてしまいました。
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