RSSセンター
メイン | 簡易ヘッドライン |
ジャム勝サマーカップ2015 (2015/9/13 22:46:55)
【一日目】
実際に選手に与えられた時間は短かった。最初に実質的なソアリングを開始する宮田選手がテイクオフしたのが13時30分。最終的に初日タスクのトップとなった青木選手が次のウェイポイントを取るのをあきらめてランディングに向かったのが14時45分ごろ。この時間帯をいかにうまく使うで勝負が決まった。といっても状況は単純でなかったのだが。
いろいろな天気予報があった。雨?午後から晴れ?「いつもこんな予報や状況で成立するのがジャムの大会なので、…」大会実行委員長の堀さんが開会式で挨拶した。去年や3年前の朝は快晴で成立に疑いのないコンディションであった。ので、“いつも”ではないのだが、確かにこの時点で外はしっかりと雨。「雨が止めば飛べるぐらいは出来るかな」が大多数の選手の思いであったろう。
チャレンジリーグ参加選手が32名、N2リーグが26名。チャレンジリーグ参加人数がN2を上回った。N2リーグの参加者の少なさは気にかかるがチャレンジリーグの盛り上がりは、頼もしい。じわじわでも良い、競技フライトの面白さを味わうフライヤーの数が増えていって欲しい。
10時30分に雨が止むと同時に入山開始。一旦はガスに包まれたテイクオフも12時ちょい前に選手が全員そろう頃に、下界の視界がクリアとなった。
多くは望まない、といってもコンディション好転への備えは持ちたい。両リーグともにノミナル距離をぎりぎり満たすタスクをコミッティが設定し12時45分にウインドゥオープン。ゴールレースのデパーチャーオープンは13時15分だが、ここで全機空中待機とは考えていない。より早く勝負をかける選手に対して、エラップスタイムよりも高いアドバンテージを与えるためのゴールレースの選択だ。
チャレンジリーグタスクは
D97(テイクオフ)→スタートA86(メインランディング)600m→A86→D97→B61(スタッフロッジ)→D97→B59(料金所)→D97→B61→D97→ESS
A86 600m→A86 GOOL
N2リーグタスクは、
D97(テイクオフ)→スタートA86(メインランディング)600m→A86(200m)→B58(200m)→B30(1000m)→B98(1800m)→B30(1000m)→B98(1800m)→B30(1000m)→B98(1800m)→B30(1000m)→B98(1800m)→ESS
A86(600m)→A86(200m)GOOL
N2リーグはシリンダー半径設定が自在となってからタスクの設定がずいぶん楽になった。両リーグとも、さほどゲインがなくてもなんとか移動できるWP(ウェイポイント)を結んだルートをタスクとした。
12:45 ウインドゥオープン
13:15 ゴールレースとしてのデパーチャオープン。
勝山エリア周りは依然、曇り。こんな天気だ、万一の雨に備えての押さえの一本を飛んでおこうと数名はテイクオフするものの試合が始まるという雰囲気はない。
この時点で遠く西の海岸方面はしっかりした日射と積雲の発生が目視出来ていた。「あの日射がここまで届けばねー。」半信半疑の会話が交わされていたが、実際、13:30ごろにはエリア内に日が差し始めた。
この状況に反応したのが、オープン参加の宮田選手。テイクオフ準備を素早く終えゲートに入る。リフト発生のわずかな兆候を見つけだし、判断し、誰もソアリングしていない空域へ自分を信じてテイクオフしてゆく。最初、目線下で始まったセンタリングが徐々に目線レベルになってゆく、さすがと言ったところ。藤野選手、矢野選手、河野選手、岩崎選手、ちょっと遅れて中嶋選手が続いてテイクオフしており小さなガーグルが出来て本格的に試合開始となった。最終的な結果は、矢野選手がオープンを含めたクラスでトップ。河野選手、岩崎選手は純粋N2クラスで同率の2位、中嶋選手は同4位を得ている。
しかし、純N2クラストップとなった青木選手は、実はこの集団で距離を稼いだのではない。青木選手のテイクオフは13:54。最初の集団がスタート(A86)し、テイク裏(東側)のB58を取ったものの、日射が弱まり、アンテナ(B30)に向かおうとLD周りであえいでいた頃だ。そのあえいでいた集団の上にテイクオフから直接入り、高い高度で持ち直した弱いサーマルをキャッチした。スタートWP(A86)を、そのまま取れることから、最初の集団より移動時間が短縮出来、この後弱まる一方のリフトの中、最高フライト距離を出した。チャレンジリーグは佐藤選手、芦田選手、藤本選手、北口選手の4名が同率の1位。佐藤選手、藤本選手のテイクオフはN2青木選手とほぼ同一時刻であった。実は宮田選手と同時期にテイクオフしたチャレンジの選手は距離が伸ばせていない。
成立とは言うもののN2はミニマム5kmを越えた選手はオープンクラスを含めても6名。チャレンジリーグもミニマム3km越えは5名。(チャレンジのトップは、テイクオフ(D97)とちょい沖のWPを2往復している。)
結果から言えば、誰かが上げてからそこに行くのでは遅かった。宮田選手のように、青木選手のように上がる兆候を見つけ、そこで自らリフトを捕まえる。経験によりその流れを意識出来、それを捕まえるスキルを持った選手達がわずかなチャンスを活かすことが出来た。
リザルトはこちら
いつものようにバーベキューパーティで選手交流会。いつもの顔、新しい顔とあいさつやトーク。スタッフの学生さん達も選手テーブルに入り込んで、世代間でも交流が進んだ。
パーティの様子はこちら
【二日目】
明け方には雨が止んでいた。もしやと思った選手の少なくなかったと思う。しかし、予報的にも実質的にも、風は南東風で、勝山で飛べるコンディションではない。速やかにタスクキャンセル。飛べないなら早く大会を終わらせて勝山観光を楽しんでもらいたいという配慮で9:00より表彰式、閉会式。
ミニマムを越えた選手が順位をもらい、表彰された。大多数のそれ以外の選手は同率の順位となった。
表彰式の様子はこちら
この大会の年間ランキングへの影響は極小であろう。でも全く(といっていいほど)あきらめていた状況から、全員がフライト出来、タスクまで成立した。選手の多くは、「儲けた。」思えたのではないか。
勝山市の誇る恐竜博物館は朝8:30からオープンしている。開館前に並ぶというわけにはいかなかったろうが、それでも速めに入館出来た選手は混雑をちょっとは避けられたかも知れない。
今年も全面的にサポートを頂いた福井県大のパラグライダー(正式)部の皆様。去年と比べてずいぶん人数が増えている。特に女性部員が増えたそうな。来年もよろしくお願いします。
今年8月最終週だった日程が、来年は9月初週になるそうです。皆様の参加をお待ちしています。