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feed <飛丸日記 4月11日> 「33年ぶり、自己記録 更新!」 (2021/5/10 22:17:05)
210411 福島
210411 福島 2
210411 吾妻山
210411 福島3
210411 福島4
190000 Pinlies 大井川上流

(最後の写真は、約30年前のグライダー)
私にはわからない、人生が、なぜこうも劇的なものなのか。
遂に迎えた4月旬、4月第2週の日曜日。
テイクオフは11時6分、33年前より2分早い。
クロスカントリーは、時刻との闘いだ。
14時半には、飛び出した筑波から約140㎞地点、高度は2000mを超えている。
33年前は、平均時速30㎞/h、5時間42分で、172㎞を飛んだ。
現在は、機体の性能が上がり、平均速度も滑空比も1.5倍位良くなっている。
他の衰えを補うのに余りある。
ここまでは、平均時速40㎞/hだ。

猪苗代湖を眼下に見下ろし、頭の中では220㎞先の状況を考えていた。
福島県の西の山地を北上するルートを取り、福島空港は障害とはならない。
蔵王山の上空に美味しそうな積雲があり、そこまでにも幾つかの雲がある。
あそこまでは行ける。
そこから先は、あまり降りるところがないという。
以前、東北自動車道から観察しただけ。
それも20年以上も前の話である。
もっと入念に準備をしておけば良かった。
「後悔、先に立たず。」

その直後、状況は一変した。
飛行機の航路による高度制限、「NAVITOR」のけたたましいアラーム音が鳴る。
2500mから高度を落とし、吾妻山山麓を高度を上げ過ぎない様にして進む。
上手く気流を掴めず、遂には福島市に向けたファイナル・グライドに入る。
後で分かった事だが、単に設定ミスである。
まあ、使って二回目、ここまでこれたのも「NAVITOR」のお陰。良しとしよう。

降りられる場所は、目測で172㎞地点。
少しでもそこを越えれば、自己記録更新だ。
高度が下がり、盆地を吹く北東風に風向きが変わる。
向かい風を受け、対地で進まなくなる。
「なんて神様は意地悪なんだ!」
誰にも聞こえない。大声でさけびたい放題だ。
神様に罵声を浴び続ける。

救ってくれたのは、この明らかな高性能のグライダーだった。
2014年に世界選手権に出た時は、他に群を抜いていた。
世界チャンピオンになったメーカー・チューニングのグライダーを除いて。
当時、自称「世界で2番目に飛ぶグライダー」である。

向かい風にも関わらず、先へと進む。
次に降りられそうな場所が見つかる。
遂に175㎞地点に到達する。
5時間20分のフライト、33年ぶり、自己記録の更新だ。
「神様は、時々振り向いてくれる。」


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