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feed <飛丸日記 5月4日> 「情熱を受け止める場所」 (2021/5/17 5:31:14)
210504 十分一 wNobu Air Factory
210504 蔵王山へ
210504 蔵王山麓
210504 十分一 テイクオフ
210504 十分一 テイクオフ2
210504 十分一 テイクオフ3
210504 十分一 テイクオフ4
210504 十分一 ランディング

約20年ぶりに再会した友達は、「宜しくやっていた」
思わず固い握手を交わす。
ハングをやっていて、良かった事。
その一つは、こうして20年来、30年来の友達と付き合いを続けられる事だ。
同じ趣味の仲間は、気が合うものだが、
お互いこれだけ長くやっているからこそ、その付き合いも長い。

昔は近所に住んでいて、ハング以外でも食事をしたりしていた彼。
生まれ故郷に戻り、実家近くでショップを構える。
「山形コース」で280㎞を飛ぶにあたっての通過点、山形県南陽市。
十分一山でのフライトは、今回のツアーの目玉でもある。

如何に山形を縦断するか、地図を見ながら彼の経験を聞き、自説を語る。
これまたハングの面白いところである。
正に「趣味の世界」、興味のない方には何のことやら、分からない。

先導を切ってもらって、続いて直ぐにテイクオフ。
二人で上昇気流を捉え、同じ周回を上がって行く。
1000m近く上がったところで、今度は「仙台北上コース」の下見に
蔵王山を目指す。
途中まで駒を進めたが、西風が強くなり、途中で断念。
行くには行けるが、帰って来れるかわからない。
まあ人生は長い。まだまだチャンスはある。

さて、本題。
日本全国のショップ経営者は、皆さん、私の良く知る先輩方々である。
唯一私より若いのが彼だが、とは言え、私の僅か4、5歳年下。
「後継者問題」はここにもある。
絶滅危惧種のハング界、どうやったら生き残れるか。
自ずと話はそこに及ぶ。

「そもそも、今時の若者は、物事に没頭する事が少ない。
多趣味で一つ一つをさっとかじる。ちょっと体験するだけで満足する。」
「最近は『世の中を変える技術』、実体験をしないでVRで満足する方法もある。
特にリスクが高いハングは、リスクを冒さないVRを活用するには持って来いだ。
世の中の流れに逆らっても、『やれる事』は限られている。」
「でも、お互い、やっぱりリアルだよなあ。実体験が一番。」

16時過ぎ、風が収まり初心者が練習するのに最適な状態になる。
彼の指導の下、順に飛び出して行く。
全員が飛び終わると、ランディングから、驚きの無線が入る。
「まだ明るいので直ぐに畳んで上がります。もう一本飛ばして下さい。」
前言撤回、「情熱を持った者」はまだまだいるのだ。

確か全校生徒約340人、内200名前後が大学に進学する田舎の高校。
高1の春、校内学力テストは220番台だった。
その頃「鳥になる本」に出会う。「空を飛びたい!」
巻末にあったクラブ紹介で国公立大学にクラブがある5校を知る。
琉球大学、横浜国立大学、千葉大学、神戸大学、そして大阪大学。
書き出して、机に張る。
先ずは琉球を目指す。そこから先は、頑張り次第。
目標設定、完了である。そして、上方修正を重ねる。
最初の登校日、勧誘の為に広げられたハンググライダーを見つける。
勿論、その場で入部した。あの時の光景は忘れられない。
連絡先として、二年前から知っていた○○○○さんがそこにいた。
「情熱を受け止める場所」がそこにあった。

将来においても、「空を飛びたい!」と思う者はきっといるだろう。
その場所は用意しておかなければならない。
それは、それを享受してきた者の使命だ。

それを実践している旧友を大絶賛。
さて、自分には何が出来るのか。
自分だからこそ、出来る事は何か。
それを改めて考えさせられるツアー、いやこのハング・シーズンであった。

以上、 飛丸日記 第XX章 「託す人」 全13話 終わり。

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