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Leszno Cup 2021 出発~現地準備編 (2021/10/10 18:59:50)
チケットはマイレージで予約できたので、ポーランド航空で成田-ワルシャワ、その後オーストリア航空でワルシャワ-ウイーン-グラーツの2回乗り換えです。減便されているため、乗り継ぎが良くなく、ワルシャワで7時間ほど待つ必要があります。
ワクチンパスポート は成田での搭乗時にカウンターで確認されました。(結局行きのルートでは確認はこの時のみでした。Twitterを見ていても「ワクチンパスポートだけで入国できました」とレポートされている方の通りでした)
成田-ワルシャワ便は搭乗率70%前後、3人席の中央は空いている位の搭乗率です。帰国されるポーランドオリンピックチームの皆さんで一杯でした。他、チェコ、アルメニア、スロベニアなどのチームの方もいらっしゃいました。皆さん往復はオリンピックのチームウエア着用のようです。
ワルシャワでEUへの入国手続きになりますが、ワクチンパスポートの確認はありませんでした(在ポーランド日本国大使館の方に確認したとおりで、PCRの結果確認も無し)。ポーランドオリンピックチームの帰国歓迎式典をしていたようで、空港ではオーケストラが鳴り響いていました。ワルシャワの空港内はほぼ皆さんマスク着用です。
空港ラウンジで7時間の乗り換え待機。ラウンジで食事して昼寝して待ちました。Covidの関係でサンドイッチパックのみの支給ですが、ラウンジですとソファで安心して昼寝も出来るのが良いところです。空港内にそれなりに人はいる感じで、EU圏内の移動は再開している印象がありました。空港内はマスク着用でした。
ワルシャワ-ウイーン-グラーツは夜の便でしたが搭乗率は40%くらいでした。ワルシャワでのEU入国後はオーストリアに入っても書類確認はありません。23:30にグラーツ着。小さな空港なのですぐに荷物が出てくるのがよいところです。タクシーで10分の空港近くの Ramadaホテル へ。ここは深夜でも有人のチェックイン対応ができるので、チェックインが遅いときに便利なホテルです。
8月9日 この日は午後から友人の車をお借りして、グラーツから南に45分ほど離れた町の診療所でヨーロッパ(EASA)の航空身体検査を受診しました。日本と異なり、メンタルヘルスに関する質問があります(厚生労働省のストレスレベルチェックが義務化されているので、企業に勤務されているかたは勤務先で受診したストレスレベルチェックのテストのような内容です)。医学的な内容での検査は、尿検査、心電図、視力、くらいで、あとは問診だったと思います。オーストリアで2年前にうけた前回の検査結果はオンラインで共有されているようです。即日その場で発行頂けます(前回のメディカルは回収されます)、140 Euroくらいでした。 EASA の medical certificate は Class-2 とLAPL(Light Aircraft Pilot License)の2つのクラスに対して発行されます。SPL(Saiplane Pilot License)の場合、最低 LAPL のメディカルがあれば良いそうです(SPLでも事業用のような商用サービスを提供する場合はClass-2のメディカルが必要になるそうです)。このため、私のようなSPLで自家用で飛行する場合は、LAPLのメディカルでよく、40歳以上でも2年間の有効期間が適用されます(Class2では51歳以降は有効期間1年)。
翌日はStuttgart 近郊のシュンプヒルト社まで700km移動するので、途中の町(Wels)まで移動して宿泊。 2019年も利用した高速サービスエリアに直結のホテル です。ちょっと割高ですが、トレーラーを連結したまま宿泊できる便利なホテルです。レストランは21:00まで、カウンターチェックインは22:00まで、朝食は6:00からとれますので、遅い時間の到着、早い時間の出発にも対応できます。
8月10日 午前中はシュンプヒルト社へ移動。ドイツとの国境にはCovidに伴う検問はありません。国毎に少し検疫の基準には差がありますが、国境での検査まではしていないようです。
シュンプヒルト社では社長のTiloさんにブルーサーマル(漫画)をプレゼントさせて欲しいと事前に連絡をしていたところ、来客があることが社員の皆さんに伝わっていたようで、入り口を入ったところで「やあやあいらっしゃい!」と複数の方から歓迎頂いて、工場見学をさせて頂きました。製作中のグライダーを見る機会は初めてで興味深いところでした。Covidのため、今年初めての海外からの訪問客だったようです。
手前のArcus "13"
はこのあとナミビアに向かう引き渡し直前の新型のArcus-Mです 奥にJAナンバーの機体が製作中でした (ここは写真撮影OKエリアでした) |
フランス語版のブルーサーマルをプレゼント。中央がシュンプヒルト社CEOのTiloさん。左はお兄さんのRalfさん。Ralfさんはベルリンにお住まいのため、Covidで移動できず、兄弟でも会えたのが今年初めてだとか |
写真撮影不可エリアでは、翼の接着作業をするエリア(ウイングレットまで一体で作成していました)、塗装エリア、エンジン搭載作業のエリアなどがありました。製造工程を見たのは初めてで、ワクワクしますね!
お借りするVentus 3Mの引き渡しはサービス責任者のBernd Mangold さんから直々にエンジンコントロールシステムの使い方をご教授頂きました。新しいコントローラーになっていて、Type Certificateが変わるようで、書類は Permit to Fly でした。
・エンジンコントローラーの使い方
- 新しいILECのコントローラー(液晶表示になっています)
- LEDが無くなり、液晶画面に
- スイッチはイグニッション(黄色)、手動展開、ノブ、の3つのみ
- マグネートーチェックのスイッチ(L,R)が無くなりました(Automaticで実施)
・サーキットブレーカー
Ventus 3M はモデルの途中からエンジン関連のシステムが変更されていて、現在のタイプでは物理的なサーキットブレーカーが二つ(メインと、ジェネレーター)しかありません。動力機は(セルフランチ機も含めて)通常たくさんのサーキットブレーカーが付いていますが、上記二つ以外のサーキットブレーカーはソフトウエアスイッチに変更されていて、計器板下部の液晶パネルにブレーカーが上がっていることの表示板があり、ブレーカーが上がったときはそこを選択してソフトウエア的に戻すそうです。それでもブレーカーが上がってしまう際は、ブレーカーのアンペア数をオーバーライドするスイッチまであります。
アビオニクスバッテリーの管理もここでしていて、アビオニクスバッテリーの切り替えは電圧が下がると自動で切り替わります
左上の Haupt Triebwerkがメインスイッチ、Generatorが発電機、右側の縦長長方形がAvionics Battery とエンジンバッテリー、右側の正方形が並んでいるのがソフトウエアサーキットブレーカー。サーキットブレーカーがあがると警告が出るので右のノブで選択してクリアするらしい |
計器板下部左(コンパスの左下)のFPSのスイッチがサーキットブレーカーをオーバーライドするスイッチ。通常は上のNormal、下のNotbetr(緊急)がオーバーライドするときらしい |
・エンドスイッチ
エンジンパイロン展開時、格納時のエンドスイッチ(エンジンベイ内)
・自動展開・格納方法
基本的には展開時はイグニッションスイッチ(黄色のスイッチ)オンで展開、展開中はエンジン展開の緑マークが画面上で点滅、展開完了すると緑マークが点灯を確認後、スターターボタンを押します。
格納は、イグニッションスイッチオフでプロペラ停止、95-100km/h程度でプロペラが垂直になるようにウインドミルですこしづつ動かしながら、自動ブレーキ(サーボ)で格納位置で自動停止(大きくずらすときはスターターボタンを押す)。格納位置で自動停止すると、自動格納が始まります。(詳細はマニュアルの内容を確認)。
トラブルが無く、スムーズに動けば、作業負荷は高くありません(トラブらなければ、がポイントです。。)。合計4回使ってみましたが、一度だけ垂直でプロペラが停止した後、自動格納が動かず、イグニッションをオン・オフして自動格納が動きました。
・手動展開、格納スイッチ(右の上下に手のマークのついたスイッチ)
地上での点検時、燃料補給時のエンジン展開格納に利用
・エマージェンシーモードスイッチ(計器板下部の赤い大きなスイッチ)
エンドスイッチ故障時など、すべてフルマニュアルで実施する場合のスイッチ。通常はセンサーで自動格納ができますが、センサー類が壊れたときにミラーで確認しながら手動でパイロンを動かすスイッチ。なので、通常はプロペラが縦で無いとパイロンがたためないセーフティ機構がありますが、セーフティ機構を無視して動くことになりますので、プロペラが斜めのままエンジンを倒すことが出来ます(逆に言えばプロペラが斜めのままエンジンを倒してエンジンベイ格納扉にプロペラをぶつけてしまうことも出来てしまいますので注意が必要です。)あまり使いたくは無いです。。
・燃料搭載方法
プロペラを少しだけ展開すると、エンジンベイ内に燃料給油用のクイックコネクターがあります。燃料ポンプのスイッチはヘッドレスト部にあります
・ステアラブルテールホイール
ラダー下部にテールホイールがついています。ラダーと一緒にテールホイールがステアできます。地上タクシー時の方向転換に使えます。曳航での離陸時や着陸後の地上滑走時はラダーがばたつくのでしっかりと足で方向支持をする必要があります。
ステアラブルテールホイールのため、分解のためトレーラー胴受けに乗せるとき、組立の時にトレーラーから胴体を出すときもラダーが振れると胴体の軸線がずれてしまうので注意が必要です。
・アビオニクスバッテリー
背当ての後ろのカバーをはずすと、メインギアの上にバッテリー格納部があります
上の二つの横になっているのがアビオニクスバッテリー。AIRBAT LiFePO4 10Ah が2つ搭載。左上に見える銀色の縦棒がバッテリーホルダーのロック。 下のメインギアの左右に搭載されている黒い箱はバグワイパーのモーター。バグワイパーのバッテリーはエンジンバッテリーから取っています |
・エンジンバッテリー
すぐに外せる場所に無いようで見えませんでした。バグワイパーの電源はアビオニクスバッテリーではなく、エンジンバッテリーから取っているそうです。(どこかの書き込みで、バグワイパー稼働時の電圧の関係のためか、アビオニクスバッテリーからバグワイパーの電源をとると、電圧が下がってしまい、LX9000が落ちてしまう書き込みを見ましたので、そのためかもしれません)
・バグワイパー
バグワイパーガレージがつきました。動作は快調です
・水バラスト搭載
翼の水バラスト搭載ホールには逆止弁がついて、翼を斜めにしても水がこぼれなくなっています
・背当て調整
背当て調整は油圧を使っていて、上空でも微妙な調整が可能になっています。
背当ては大きくは3段階で調整(黒いノブ) |
・計器板全体
・ Air Control Display (右下の計器)
最近利用されている方が増えています。デジタル高度計、無線機表示、トランスポンダー表示が一つの57mmディスプレイで表示できる優れもの。7インチ大型ディスプレイのフライトコンピューターが主流になり、計器板面積が限られているなか、3つの57mm計器を一つに集約できるメリットがあります。最近、機械式バリオを搭載しない機体も増えてきました。従来型の機械式高度計はこのままだと無くなっていくでしょうね。。(今回お借りした機体では機械式計器は速度計だけです)。利用法は上記のリンクに動画がリンクされています。
・Butterfly Vario
・LX9070
最近の新しい機体はみなさん LX9070を つけています。画面が大きく見やすいためでしょうか。以前お借りした機体と比べて新しいのはタッチスクリーンなこと、 FLAP sensor が付いていることで、現在のフラップポジションの表示もLX9070上に表示できるようになっています。(CurFlapsのNAVBOXを追加しています)
LX9070 私は手が短くてスイッチに手が届かないので、スイッチ類にチューブでエクステンションしています。 |
また、 LXNAV Wi-Fi Module が搭載されているので、スマホをWi-Fiデザリングでルーターにすることで、 LXNAV Connect の機能を利用することができ、自分のGoogle Drive に直接 igcファイルをアップロードすることができます。ルール上着陸後45分以内にログファイルを提出する必要があり、今回のように一人で参加していると、着陸してからリトリブカーを置いているところまで1km以上歩いて取りに行って、SDカードでPCにコピーして、PCをWi-Fiの使えるハンガーまで持って行ってメール提出、をしているとあっというまに45分が経ってしまいますので、着陸後その場でGoogle Driveへアップロード→スマホでメール送信でigcファイル提出 ができる機能はとても助かります。
スマホでWi-Fiデザリング |
LX9000と接続されて、Flarm搭載機体を表示するモニター。LX9070上にも表示されますが、機体だけを表示できるので見やすいです
・オプションFlarm アンテナ
最近の機体はFlarmのアンテナを垂直尾翼内と、胴体下部メインギア後ろにつけるのが多いです。アンテナのカバレージが良くなるようです
こちらも利用者が増えています。
テールドーリーはロックが外れないようにロック機構がついています。 テールドーリー車輪はチューブのないタイプです。 ウイングドーリーは車輪が小さいので格納時に小さくたためることと、車輪が360度動くのでウイングドーリーの取り付け軸線方向が多少ずれていても大丈夫です。 |
ウイングウオーカー 翼への取り付けロックはスキーブーツのような仕組みで調整が可能です |
トーバー 最近多い、テールを持ち上げないタイプです。(テールが重たいのでテールドーリーと主輪の2点で運びます) |
トーバーの長さ |
・ Cloud Dancer 機体カバー
移動中に土埃が付いてしまうので、駐機場からカバーをかけたままグリッドまで運びます。 グリッドでウイングスタンドを使うことで一人でカバーを外せます。 |
陸送ルート
お借りした車。45万km走行のディーゼル車。よく手入れされています。 |
お借りした車のコネクターが7ピン、トレーラーが13ピンでしたので、 変換コネクターを事前に日本で入手 。最近はamazonで翌日配送してくれるので助かります。 |
- dual eSIMに対応していないこと(eSIMは一つのみがactivateできる)
- ahamo はナミビアなど一部の海外でローミング対応していない
Android携帯はeSIMに対応していなかったので、こちらは従来通り プリペイドSIM を用意しました。AndroidはデュアルSIMに対応しているので、既存のSIMを刺したまま、追加でSIMを指せるのは便利です。今回はOrange社の Orange Holiday Zen だったのですが、アクティベーション不要で、SIMをさしたら使えました。ただ、さしたら使えたので、マニュアルを読まずに使っていたところ、帰国前に急に使えなくなりました
- ただし、https://topup.orange.com/ から登録しないと14日間で使えなくなり、1ヶ月後には解約される
とマニュアルに記載がありました。。よく見るとSMSでメッセージが何度も届いていたようです。
上記サイトから電話番号でユーザー登録できました。
TopUp(チャージ)もオンラインでアカウント作成して簡単にできたので、データ通信量が無くなってきたときもすぐに増やせるのは良い点でした。Top Up すると、14日間有効、回線の有効期限が6ヶ月延長されるようです。このカードならシーズン中の複数回の渡航の際は使い続けられそうです。シーズンをまたぐとexpireしてしまいそうですね。
ユーザー登録してログイン後、電話番号を入力してTop up を選択 |
いくつかプランが表示されます。一番安い、インターネットのみ使える 5GB 11 Euroのプランを選択 |
Orange社の ローミングマップ 。日本ではローミングが提供されていない。。ヨーロッパはチェコは3Gしか使えないようです。このカードの対応エリアはヨーロッパのみのローミングのようでした。
2019年にドイツ国内を陸送した際は高層道路沿いでも4Gの電波がかなり入らなかった(3Gも入らない)のですが、 今回の陸送中は高速道路沿いはほぼ4Gが入る ようになっていました。(非常に助かります)
陸送中はiPhoneとAndroidの2台を吸盤マウントでマウントして、Google Mapを動かしながら経路を確認していました。高速道路の大規模な工事箇所が多く、インターチェンジの形が変わっていたり(90度曲がりたいのに270度旋回が必要になる)、場所によっては工事で2時間以上の大渋滞をしていたり、突然GPSが位置情報を見失ったりもあるので、2台でスケールを変えたり、片方はNorth Up にして、片方はTrack upにして、間違った方に行ってないかも見比べながら走っていました。紙のロードマップもバックアップに持っています。直線がしばらく続く経路ではPrime Music を流しながら、2.5時間毎に休憩をして運転します。
サイドミラーにトレーラーをいれて自撮り(みんなやっているのでやってみた。) |
・途中の宿泊場所
トレーラーを連結したまま宿泊できる高速道路サービスエリア内のホテル一覧です。
TANK & RAST
ドイツ国内2カ所
https://www.raststaetten-hotels.de/
AXXE MOTEL Dresdner Tor
ドレスデン
Landzeit Hotels
オーストリア国内数カ所
M1 Szekér Csárda Hotel és Étterem
ハンガリー
夕方にようやくLesznoに到着 |