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feed SLS金具製造工程! (2022/1/19 21:05:10)

本日は、ちょっと私の仕事のご紹介!

私は、現在日本でたった一人だけ残った、ハンググライダーのハーネス職人です。

現在、5種類のハーネスを制作していますが…。

今回は、最上級クラスに採用されている、SLS(スプリングロックシステム)金具の製造を、ちょっと解説します。

 

今回ご紹介するSLS金具を使用しているのはこのハーネス↓

このハーネスの、ピッチアングル…。わかりやすく言えば、頭の上げ下げをするために、今回ご紹介するSLS金具が使われ

ています。

具体的には、前の細いラインの長さを、飛びながら調整できるようにする金具であるわけですね。

…して、そのSLS金具とはどんなものか…。

この金具です。上の傘の部分の押し金部を押すと、ロープのロックが外れて、上記の細いラインの長さが変えられるわけ

です。

で、その構造ですが…。

四つの部品から出来ているのですが、上から…。

押し金部

シリンダー

ピストン

スプリング

で、成り立っています。

シリンダーとピストンには、ロープが通る穴があけられており、普段はスプリングの力で穴がずれて、ここを通るロープ

が挟まれてロックするわけですね!

そして、押し金部を押すと、シリンダーとピストンの穴が一直線となり、ロープが自由に動くわけです。

 

それでは、この金具はどのように作られているのか…。

すべて、私の工場にある機械を使い、私自身が作っているんです…。

 

まずは、元となるアルミの丸棒に、ロープが通る穴を、ボール盤で開けます。

次に、この丸棒を旋盤に固定。

ここから「削り出し」が始まります。

まずは最初の削り出し。

この、頭の部分に、傘型の押し金が入る穴を開けます。

ここで、「突っ切りバイト」を使って、作った製品を切り離します。

だいぶ形になってきましたね!

これをひっくり返して、再び旋盤にセット。

今度は、内部を削り、ピストンが入るようにします。

最後に、固定用の穴を開けて、この部品は完成!

ここまで、だいたい30分くらいです。

次は、傘型の押し金を、同じ要領で削り出します。

お次は、内側に入る、ピストンの制作です。

まずは、ジュラコン丸棒に穴を開けて…。

同じ要領でササっと削り…。

内部のピストンが完成しました!

 

 

他にも作った部品を組み合わせると、このような「バックプレート」が完成するわけです。

これが、一番最初にご紹介した、ハーネスの背中の部分に挿入されます。

右側に、ウチのハーネスの売りである「RPS」が付いていますね!

これ、自動で伸び縮みし、肩をサポートしてくれる金具です。

世界初の機構です。

自分で言うのも何なんですが…。

これは、我ながら大発明でした!

 

簡単に、SLS金具の作り方をご紹介しました。

実は、この金具は、かなりなロック力が必要とされているのですが、それを実現するため、一か所単純なんですが、面白

い工夫がされています。

その工夫については、次回ご紹介します。

 


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