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勝つ為の道具とは
呉本圭樹blog
(2025/1/10 10:39:10)
勝つ為の道具とは (2015/9/27 10:05:38)
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勝つ為の道具とは (2015/9/27 10:05:38)
今回の記事は書くかどうかかなり悩んでもいたのですが、こういうことがあった。
そして、勝つということの意味を考えていかないといけないと思いやはりブログで自分が思うことを書いておこうと思います。
選手もメーカーも、勝つということにこだわります。
当然競技である以上、そこにこだわらなくてどうする。ということで、
メーカーは、より「飛ぶ」グライダーを作ることに技術とお金を使います。
その部分で言えばどの競技、特に道具を必要とする競技においては当たり前のことで、
それによって新しい技術革新やら、競技の新しい展望なんかも見えてくるというのが
いい意味での競いあい。
当然メーカーとして、勝つ商品はイコール宣伝になるのだし、選手に勝ってもらうことが
メーカーとしての使命なんだと思う。
しかし、加熱する性能争いは、安全性を無視していく傾向があり、過去パラグライダーも
その歴史で受傷したり死亡したパイロットもいた。
そこでルールができる。
今のルールは競技用のグライダーは CIVIL Competition Class
(C.C.C.)というカテゴリーで位置づけられ、
ワールドカップや、世界選手権に出るためのグライダーは、この認証が受けられていないと
出場することができない。
メーカーはその基準内でできる最高のパフォーマンスを持つグライダーを作る努力をしている。
さて、長々とした前置きでしたが、今回スペインのワールドカップの際、GinのBoomerang10が
コンプレイン(抗議文書)を受けていることがパイロット達に通知された。
コンプレインを出したのはグライダーメーカーであるOZONE。
OZONEは過去、ENZOというグライダーにかんして、テストに出したグライダーと市販されているグライダー
とでラインが違うとコンプレインを受け、そのグライダーで参加している(私も含め)パイロットの成績は
このとき認められない発表が後から出され、OZONEはそのパイロット達に渡航費の一部を支払った過去がある。
今回、その報復と見られることを恐れ、OZONEは最初コンプレインを見送る方向にしていたらしいが、
私も含め、選手達からルールはルールであるという意見を聞いてFAIに正式に抗議をしたという経緯がある。
今回のコンプレインの内容は、OZONEが独自にBoomerang10のテストをCCC基準でやってみたところ、
テスト項目の一つである『フルアクセル時におけるブレーク操作25%まで引いても2秒以上ストールに入らない』
という項目をどうやってもクリアできない。というものでした。
彼らは独自に市販されているグライダーを手に入れ、そのテストを何度も繰り返し、その様子を映像に残し、
抗議内容とともに提出したということです。
下はDHV(2つあるテスト機関で今回GinがCCCクラス認証を通した機関)が韓国でテストをした様子
うーん、これがテストの様子なら25%までは引かれていないなぁ・・・・。
このグライダーはスイスのワールドカップのときに、機体を使用している選手に新しいライザーを「交換用」として
渡していた。内容は、『規定の誤差範囲で一番スピードが出るライザー』ということだったらしいが、
それって誤差の意味が間違っているのでは??と私は感じていたのである。
いずれにせよ、この問題、思いのほか大きな騒ぎになっていないのと、その情報が伝えられていないのが
気になる。
これをしっかりやらねば、ルールは意味をなさないし、今後の競技もグライダーの発展もしていかないのだと思うのだが・・・・。
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