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link 飛行中年 飛行中年 (2024/12/25 18:57:24)

feed 苦しまぎれの旋回理論 その7 (2015/9/26 19:06:29)
新説「ビロー失速説」を使ってのハンググライダーの不思議な現象の説明の一番目は、「なぜビローが多すぎるとコントロールが重くなる

か?」でしたが、今回はその延長として「なぜ初級機はビローが大きく保てるか?」についてもビロー失速説で説明して

みたいと思います。


以前よりずっと疑問に思っていたのですが、コンペ機と初級機のビローの量を見ると明らかな違いがあります。

もちろん初級機の方がビローが大きく、短いスパンとその慣性重量の少なさも相まって、軽いコントロール性と旋回性を実現しています。

初級機、コンペ機のVGオフ時はそれぞれ最もハンドリングが良くなるビロー量が与えられているわけですが、じゃあどうして初級機のビローが

大きく保つことが出来るのか?そして、そのことが結果、軽いコントロール性が実現出来ているのではないか?という事を新説ビロー失速説で

説明してみましょう。


先ず初級機とコンペ機の一番の違いはと言うと「翼のアスペクトレシオ(縦横比)」に決定的な違いが見られます。

初級機がアスペクトレシオが低くボテ~とした形で、コンペ機はアスペクトレシオが高くスラッとしているのですが、実は

アスペクトレシオと翼の失速角には密接な関係があることをご存知でしょうか?

アスペクトレシオが低くボテ~とした形の翼は高い迎角でもなかなか失速に入りません。

対するアスペクトレシオの高いスラッとした翼は、迎角には敏感に反応し、浅い角度でも失速に入ってしまいます。

つまり、アスペクトレシオの低い初級機は、迎角が大きくても失速に入りにくく、アスペクトレシオの高いコンペ機は少ない迎角でも失速に

入ってしまうということが言えます。



ハンググライダーの場合、翼の中央部の迎角はビロー量で決まってしまいます。ビロー量が大きければ翼の中央部の迎角が大きくな

り、ビロー量が小さければ迎角が小さくなります。



このことを踏まえて考えると、初級機はアスペクトレシオが低いために失速に入りずらく、結果大きなビロー量でも翼の中央部分に失

速が起こりずらいと言えます。


大きなビロー量は、以前もご説明しましたが、後縁部分に大きな上反角効果をもたらし、このことはビロー失速説ではより顕著に曲が

りたい方の翼の部分失速を作り出すことができます。



つまり、このことがグライダーに、より顕著なヨーの動きを作り出すことにつながり、初級機は良好なハンドリングをもたらせてくれ

るのではないか?私はそう考えたのです。


コンペ機ではこの逆となり、アスペクトレシオが高いために失速に入りやすく、結果ビローをあまり持たせることが出来ないために、上図で解

説するところビローによる上反角効果も少なくなり、旋回に必要な部分失速が初級機のように起こらず、ハンドリングに悪影響をもたらせてい

るのではないか?

私はそんな考えを持っているのです。


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