ホーム >> RSSセンター >> 苦しまぎれの旋回理論 その8

RSSセンター

  メイン  |  簡易ヘッドライン  

link 飛行中年 飛行中年 (2024/12/25 18:57:24)

feed 苦しまぎれの旋回理論 その8 (2015/9/27 19:03:10)
今回は翼中央の上部に突起が出来てしまうとハンググライダーはノーコンになるというお話です。

これもとっても不思議な現象…。

ノーズコーンの後ろあたり。翼の中央の上部に突起がある場合、例えばよくあるのがルミラーが中で折れてしまっている場合など、わずか数ミ

リの突起があるだけでもハンググライダーはほとんどそのコントロール性を失ってしまいます。



突起が翼の上部にあると、大幅に揚力が落ちてしまうことは分かるのですが、ハンググライダーは場所が悪いとコントロールすら出来なくな

る…。

これが今までどうしても納得のいく説明ができなかったんです。

しかし、ビロー失速説が出来たおかげで、これも納得のいく説明ができるようになったんです…。


この現象は意外に知らない方が多いかもしれません。

翼中央の上部に突起があると、ハンググライダーはコントロール性を失ってしまいますが、ノーズコーンがはがれてバタバタしていたりしても

、やはりコントロールが出来なくなります。

簡単に体験してみたいならば、ルミラーポケットに100円ライターを一個入れてやれば、あなたはおそらく無事にランディング出来なくなると

おもいます。(ものすごく危険なので実際にはやらないで下さい。)




さて、それではなぜこのような現象が起こるのか…。

これをビロー失速説で説明してみます。

(というか、感の良い方はもうすでにお気づきと思いますが…。)


ビロー失速説は、曲がりたい方の翼の中央が部分的に失速状態になることにより旋回に入る…。という説です。



問題の翼中央の上部に突起があれば、もともとハンググライダーはその部分はほとんど失速角に近い状態で飛行しているのですから、突起を

きっかけに常時失速している状態に陥ってしまうはずです!

こうなると、もはやビロー失速説では旋回に必要なヨーの力がうまく得られなくなる…。

と、いう風に簡単に説明出来てしまうんです…。


このことは突起がある場合やノーズコーンがはがれた場合だけでなく、例えばマイラーセール機で雨粒が翼の表面についた時も同じ事がいえま

す。

雨粒そのものはとても小さなものですが、ハンググライダーの翼の中央はほぼ失速角になっていること、並びにビロー失速説が正解であるなら

ば、やはり気流の剥離のきっかけとなってコントロールが出来なくなって当然といえると思うのです…。

ちょっとここの部分は面白いと思いますので、次回は翼の表面の状態とビロー失速説を照らし合わせながらもう少し掘り下げて説明してみよう

とおもいます。。


execution time : 0.004 sec