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link 飛行中年 飛行中年 (2024/12/25 18:57:24)

feed 伊能忠敬の地図が正確すぎる理由!その2 (2022/3/7 20:54:43)

前回では、伊野忠敬が作った日本地図の正確さがいかに凄かったのか…。

なんと、御前崎から能登半島先端の距離の誤差が16メートル!しかなかったことなどについてお話しました。

そして…。

彼は、どのような手順で日本を測量していったのか?そのことについて簡単に触れてみました。

今回は、御前崎から能登半島先端までの距離の、驚異的ともいえる正確さは、いったいどんな方法で実現できたのか…。

その詳細について、私が調べて分かった範囲ですが、お話してみます!

 

前回、伊能忠敬の地図は、実は、緯度についてはとても正確なものの、経度については、それなりの誤差が発生してい

たことについて述べました。

この理由は、当時は経度を測るうえで重要な、正確な時計がなかったためでしたね!

そのため、経度、つまり、日本地図の東西方向については、地道な測量を積み重ねるしかなかったんです。

そのため、伊能忠敬の日本地図は、東西方向では、どうしても誤差が大きくなってしまいました。

それでは…。

なぜ、南北方向、具体的には御前崎から能登半島先端の距離が、16メートルしか誤差が出ない、きわめて正確なものだっ

たのか…。

そこには必ず秘密があるはずだと私は考えました!

そして、伊能忠敬記念館へ行ったり、いろいろと調べてみた結果…。

ある「測定器」に注目したのです。

その測定器なんですが…。

 

コレです!↓

これ、象限儀と言います。

この器具、わかりやすく言うと、これで北極星の高度(角度)を見上げることにより、自分がいる緯度を知ることが出来

るものなんです!

北極星の高度は、そのまま自分がいる緯度を表します。

つまり、北極星の高度を正確に測ることは、すなわち、その場所の緯度を測ることになるのです。

…。

「でも、こんな簡単な道具で、そんなに正確に北極星の高度が分かるの?」

そんな声が聞こえてきそうなのですが…。

実は、象限儀は、ある工夫により、見た目よりずっと正確な測量をすることが出来たんです!

その工夫がコレ!↓

これは、象限儀の「弧」の部分に刻まれた目盛りを、簡単に書いたものです。

赤い線は、望遠鏡で北極星を見上げた時の角度になります。

36度から37度の間に、何やら細い三角形があり、更に、縦の目盛りがそれを区切っていますよね!

実は、この目盛りの切り方で、驚くほど細かく北極星の高度を測ることが可能だったんです!

この目盛りの読み方は、すでにお分かりになっている方も多いと思いますが…。

ちなみに、上の目盛りを読み取ると、36度45分…。

1度の中の目盛りを正確に読みやすくするため、こんな工夫をしていたんですね!

コレ、実際はもっと細かく目盛られており、かなり正確に北極星の高度を読み取ることが出来ます。

上の写真の象限儀で、目盛りのある弧の部分が幅広になっているのは、細かく角度を読み取るため工夫だったんです。

ちなみに…。

1分の角度を距離に直すと、2キロに満たないくらい…。

上の目盛りの切り方ならば、私でも1分くらいは目盛りが読めそうですよね!

つまり、私でも、この象限儀を使えば、南北方向の誤差が2キロ以内に納めることが出来るということです。

 

おそらくなんですが、伊能忠敬は、この目盛りを読み取る技術を鍛え上げ、相当正確に読むことが出来たのではない

か…。

私はそう考えました!

ただ…。

ここで一つ注意しなければいけないことがあります!

それは…。

北極星の真ん中は、真北(しんほく)ではなく、地球の自転により、若干ですがブレが生じていることです!

伊能忠敬が求めている精度の地図を作ろうとしたら、これは大問題ですよね!

そのため、おそらくなんですが、伊能忠敬は、正確な時計を見ながら、このブレを補正するため、いつも同じ時間に北極

星の位置から本当の北「真北」を見つけ出して、それに象限儀を合わせていたに違いありません!

その証拠として…。

前回ご紹介した、伊能忠敬が作成した地図と、現在の地図との比較…。

緯度のズレについてよく見てみると…。

関東から離れるほど、緯度の誤差が大きくなっていることにお気づきでしょうか?

これは、おそらくなんですが、彼が持ち歩いていた時計の誤差が、関東から離れるほど大きくなったため…。

そのため、象限儀で北極星を観測する時間がずれて、ブレの補正が正確に出来なくなったためであろうと、私

は考えています。

だから、関東に近い、御前崎から能登半島の測量が、正確にできたのではないでしょうか?

私はそう考えました!

 

 

それにしても、御前崎から能登半島先端の距離の誤差を16メートルしか出さなかった伊能忠敬の測量技術…。

もし、私が考えた、彼の象限儀の目盛りの読み取り技術によるものであるとすれば、もうこれは神業としか言いようがな

いですよね!

 

伊能忠敬は、「執念」といっても良いくらい、正確な地図を作ろうとしていました。

それでは、なぜ伊能忠敬は、ここまでして正確な地図を作ろうとしていたのか…。

当時の日本は、そこまで正確な地図は、まだ、必要とされていなかったはずです。

次回はそれについて触れてみたいと思います!


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