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伊能忠敬の地図が正確すぎる理由!その3 (2022/3/14 21:18:08)
前回まで、なぜ伊能忠敬の地図が、江戸時代の技術でありながら、正確に作ることが出来たのか…。
その理由について、私なりに考えてものを述べさせていただきました。
それでは、なぜ、伊野忠敬は正確な地図を作ろうと思い立ったのか…。
まだ、この時代はそこまで正確な地図が必要とされていなかったにも関わらずです!
この不思議な点についても、私なりにまたまた考えてみたんです…。
伊能忠敬は、若いころからのその手腕を買われて、千葉県佐原にあった酒造家の伊能家に婿養子として迎えられていま
す。
そこで、伊能忠敬は伊能家を支えながらも、佐原の町を取りまとめる重要な役も、若いころから引き受けています。
伊能家は、もともと佐原では名家でもあったようですね!
更に調べてみると、利根川堤防の工事なども、取りまとめていたようです。
更に、天明の飢饉の際にも、米をうまく確保し、貧困に苦しむ町民を正確に調べ上げて、その米を旨く割り振りしたりし
て、人々の救済にも努めていたようです。
日本地図を作った伊能忠敬のイメージとは、また違った伊能忠敬の顔もあったんですね!
50歳になった伊能忠敬は、自ら「隠居」を申し出て、羽陽曲折がありながらも(そりゃ~これだけ人々の役に立っていれ
ば、そう簡単には隠居させてくれないでしょう!)それが受け入れられると、江戸に出て暦学を勉強し始めます。
伊能忠敬がとったこの行動…。
おそらくなんですが…。
彼はもともと天文学に興味をもっており、独学で勉強や観測をしていたのだと思います。
そして…。
そのような勉強をしているうちに、正確な地図の必要性を悟ったのだと私は思っています。
世の中が発展するうえで、是非とも必要なものはインフラ整備です。
このインフラ整備になくてはならないのが正確な地図なんですよね!
道路を作るにしても、港を作るにしても、正確な地図がなければ計画を立てることが出来ず、予算も計上できません!
その工事をするにあたり、正確な予算が分からなければ、何も始まらないのです!
とにかく、インフラ整備には正確な地図が必須です!
伊能忠敬は、佐原の町のために働いているうちに、正確な地図の重要性を悟り、これからの日本が発展していくために
は、まずはインフラ整備が必要であるが、その計画のもととなる正確な地図が、必ず必要になってくると考えたのだと
私は思います。
つまり…。
世の中がその重要性に気づく前に、先手を打って正確な地図を作ったのではないでしょうか!
更に、私は伊能忠敬が日本地図を作ったのには、もう一つ目的があったのだと思います。
彼は暦学を学ぶうちに、その時代の暦がまだまだ不正確なものであることを知ります。
そして…。
その暦が不正確な原因の一つが、「地球の正確な大きさが分かっていない」ことを知ります。
地球の正確な大きさが分かっていない…。
この辺あたりから、伊能忠敬の心に火がついてしまったのではないでしょうか?
だって凄いことだと思いません?
この地球の大きさを、自分が人類で最初に正確に求めてやろうだなんて…。
この、正確な地球の大きさを調べるにあたり、出来るだけ広い範囲を測量なければ、正確な地球の大きさを算出すること
が出来ないため、このことも、彼が日本地図を作ることを思い立った理由だと思います。
彼が最終的に知りたかったのは、「子午線一度」の正確な距離!
これが分かれば、それに360をかけるだけで、正確な地球の大きさが分かります!
伊能忠孝は、そんな秘めたる熱い思いを持って、隠居して自分のやりたいことをやるため、江戸へと向かったのだと思い
ます。
江戸に行った伊能忠敬は、19歳も年下の師匠から「暦学」を学び始めますが…。
おそらく…。
伊能忠敬は、暦学を学び始める前から、かなり「独学」でいろいろと勉強していたはずです。
で、なければ、これだけ早く暦学をマスターできるはずがありません!
きっと、師匠にとっても、伊野忠敬は、なかなか骨のある、油断が出来ない生徒だったでしょうね!
そこからの伊能忠敬は、皆さんが知る伊能忠敬となって、正確な日本地図を作る人生を歩むことになります。
このとき…。
幕府に、その日本地図を作る予算を申し出ますが…。
幕府も、この時、正確な日本地図はいずれ必要だということは分かっていたものの、差し迫ったものがなかったため、そ
の費用の一部だけ伊能忠敬に渡されます。
残りの予算は、実は、伊能忠敬が自腹で工面しました!
…。
そうして彼は、17年の月日をかけて、日本の地図を作り続けますが、残念ながら、途中で死去…。
しかし、その意思をついで、弟子が正確な地図を作り上げます。
この伊能忠敬が中心になって作った正確な日本地図…。
実は、それから30年後に、この正確な日本地図が、意外な形で日本を救うことになります!
ペリーの来航です!
ペリーは、捕鯨の補給基地開設のために、日本に開国を迫ります。
この時、すでにペリーの乗る船には強力な大砲が載せられており、いつでも日本を武力で脅せる態勢にありました。
また、ペリーとともに入港した4隻の船のうち、実は3隻が測量船だったそうです。
日本に捕鯨の補給基地を作るため、最初から測量目的で来ていたのですね!
そして、ペリーは幕府に対して、とりあえず、日本の地図を要求します。
この時、幕府がシブシブ出したのが、伊能忠敬の地図だったのです!
ペリーは参考程度でしか考えていなかった伊能忠敬の地図ですが、いざ、測量を始めてみると…。
伊能忠敬の地図が、ことのほか正確であることを知り驚嘆します。
そのため、これだけ文化レベルの高い国を、うかつに敵にすることは危険!と考えて、一度琉球国に引き上げたのです。
つまり…。
伊能忠敬の正確な地図が、ペリー一向に威嚇を与えて、日本を危機から守ることが出来たのです!
これはさすがに伊能忠敬本人も予想できなかったことでしょう。
まさか、正確な日本地図が、どんな武器よりも、相手に対し効果的な威嚇を与えることになるとは…。
こうして伊能忠敬の地図は、日本の危機を救い、当然ながら、その後日本のインフラ整備の役に立つこととなります。
…。
…。
さて、一つ疑問を持たれている方もいらっしゃると思います。
それは…。
地球は正確には「楕円形」をしています!
これは、自転によって「遠心力」が働くことによって起こるものです。
この、正確には地球は楕円形であることについて、伊能忠敬は考えていたのか…。
ほとんどの方は「いくら何でも、そこまでは考えていなかったでしょう!」と、思われると思います。
しかし…。
私なりに、当時確立していた、数学や自然科学などから、またまたオタク丸出しで考えてみたのですが…。
どうもそうとは言い切れない可能性が見えてきました…。
次回はそのことについてお話いたします!