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最小沈下速度が分かれば、ハンググライダーは乗りこなせる! (2022/10/13 16:45:45)
なんとなくいつものスピードで飛んでいれば、ハンググライダーはそれなりに飛んでくれる…。
でも、これでは上達出来ないんじゃないかな?
そんな悩みを持っているあなたに…。
少しでも良いアドバイスをと考え、今回このブログを書いてみます。
ハンググライダーって、結局は「最小沈下速度」がつかめれば、かなり、その乗りこなし方がわかるはずなんです!
最小沈下速度がつかめれば、すぐに最良滑空速度が分かります。
また、フレアーのタイミングだって分かるはずなんです!
それでは、どのようすれば、ハンググライダーのコントロールに大切な、最小沈下速度が分かるのか…。
正直言いますと、今回公表する最小沈下速度を知る方法は、少々熟練を必要とします。
しかし、それなりにハンググライダーに乗れている方であれば、出来るのではないか?思います。
上の図は、パイロット技能証検定を受けた方であれば、皆さんが知っている「ポーラーカーブ」ですね!
この図で、最小沈下速度は、最も沈下が少なくなる、上に示した位置になります。
この最小沈下速度を過ぎて、更にグライダーの速度を落とすと…。
面白い現象が起こるのです!
まず、ハンググライダーがブカブカとした感じで、不安定な飛び方に変わります。
更に、それより少しだけ速度を落とすと、翼の中央が、部分的に失速に入り始めます。
この段階から、アドバースヨーという現象が現れ始めるのです!
アドバースヨーとは…。
曲がりたい方向に体重移動すると、旋回したい方向とは逆にノーズを向けてしまう現象のことを言います。
つまり、右に方向修正しようと右側に体重を乗せると、バンクが付きながらも、ノーズが逆方向の左に向いてしまうんで
す。
この、一連のハンググライダーの動きから、最小沈下速度をつかむことが出来るんです!
具体的には…。
アドバースヨーが発生しているということは、既に、翼の中央部には、部分的に失速が始まり、最小沈下速度を通り過ぎ
遅くなっているということ。
ならば…。
この、アドバースヨーが発生しない、更には、このアドバースヨーの発生の前に見られる「ブカブカとした不安定な感
じ」も出てこない、その直前の、何とかハンググライダーが素直に体重移動通りに飛んでくれる、その速度…。
ここが、そのハンググライダーの最小沈下速度になるんです!
この方法による、最小沈下速度の知り方は、上にも書いたように、少々熟練は要しますが、しかし、少しトライすれば
分かってくるだろうと思います。
そして…。
この、最小沈下速度が分かれば、そのハンググライダーを一番遠くに飛ばすことが出来る「最良滑空速度」が、たちどこ
ろに分かるんです!
コレ、どうするかというと…。
簡単なんです!
ただ、最小沈下速度を1.4倍するだけ…。
これだけなんです!
これだけで、最良滑空速度になるんです!
例えば、最小沈下速度が30Km/hだとしたら、それに1.4をかけて42Km/hが最良滑空速度になるということですね!
これ、理論的に証明されていることです。
本来、理論だけだと約1.32倍なのですが、1.4倍になるのは、スピードメーターの誤差があるからです。
翼は、揚力を発生させている関係で、上側が早く、下側が遅く空気が流れます。
これ、速度が遅ければ遅いほど、顕著に上下での空気の流れの速度差が出てきます。
そのため、最小沈下速度で飛んでいるときも、実際の速度よりも遅くスピードメーターの値が表示されているため、
理論値よりも若干早い1.4倍程度の速度が、だいたい最良滑空速度になると考えれば、グライダーの乗りこなしが上手にで
きるようになるでしょう。
次回は、今回分かった最小沈下速度を使って、フレアーのタイミングを正確に知る方法を解説いたします。