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link Japan Virtual Soaring Club Japan Virtual Soaring Club (2024/12/24 14:08:32)

feed Condor Clubでのフライト解析 (2022/12/4 18:15:03)

Condor ClubはCondor本体とは直接関係ないいわゆるアフィリエイトサイトですが、今やコンドル界ではデファクトスタンダードとしてとても便利なサイトです。Condor Clubにフライトトラックをアップロードすると自分のフライトを分析してくれると同時に他のパイロットのフライトとの比較をすることもできます。アップロードすべきタスクページが分からない時でもログイン後にフライトトラックをアップロードすれば登録されたタスクページが表示されるのでもう一度タスクページに行ってアップロードし直すとOKです。また、Condor CafeのタスクのようにCondor Clubに登録されていないものでも、他にも同じタスクのフライトトラックがアップロードされていれば一緒に表示することが可能です。(恒例の日本人向けの金曜日のタスクはJPNFF、土曜日のタスクはJP Sat.で検索すればタスクページはすぐ見つかります。)

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では、以下、Condor Clubのフライト解析ページの見方を解説してみます。ご意見質問等どしどしお願いします。

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  1. Glider information
     ここではまず水バラスト搭載量の確認をしよう。また重心位置の調整にも注意。0が設計上の最適位置だが、これを前方に少し動かすとさらに飛行時の安定性が増し、後方に少し動かすと機敏に旋回できるようになる(やり過ぎると不安定になる)といわれている。Condor界では−2〜3で調整する人が多い。個人的にはまだその違いを実感できるほどの技量にはなっていないのだが、ライバルパイロットがどんな設定で飛んでいるのかチェックしておこう。
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  2. Flight Analysis
     ここで注意するのは二つ、自身のフライト距離とサーマルでの平均上昇率。
    リッジタスクではタスクラインを大きく離れることがあるので一概に言えないが、サーマルタスクでは設定されたタスク距離の5%増しくらいのフライトになるのを目標とすると良いといわれている。200kmのタスクをトータルで250kmも飛んでしまったらそれは遅くなって当然。その日のサーマルの状況やリッジの位置を見ながら、どうやったら最短距離で飛べるか考えよう。ライバルの飛行距離と比較して大幅に遠回りをしているようだと、その分余計に高度を稼がないといけなくなってしまっている。また、レグ上で横風成分が強い時にはサーマリング中に流されていくことも考えながらどこの積雲に向かって飛んで行くかを考えよう。それがうまくいったかどうかはこのフライト距離に現れてくる。
     そして、勝敗に大きくかかわるのがこの平均上昇率。Condor Clubでは右旋回、左旋回と二つに分けて平均値が出るので私としては合計した平均上昇率も出して欲しいのだが、これをみるとやはりスピードの速いライバルは平均上昇率も高い。自身の旋回技術と適切なサーマル選択ができたかどうか(強いサーマルだけで回ったか)が現れてきている。
     また、慣れないうちはライバルに比べてTurns回数が多いことが気になると思う。バログラフ上ではそんなにサーマル旋回していないはずなのにやたらと旋回回数が多く表示されていることがある。これは旋回中に大きく舵を使ったことや一つのサーマルの中であちこち動き回ったことで、別のサーマル旋回であると自動判定されてしまったのだと思う。えいやっと舵を切ってズボってはまるのは上級者の腕である。基本は2周回ってどっちにコアがあるのか見極めてから少しずつ寄せていこう。
     一方、ライバルよりも平均上昇率が高いのに最終タイムが遅いときがあって残念な時がある。ライバルよりも余計に遠回りしてフライトしていなかったか、リッジを効果的に使うことができたか、不用意に沈下帯にはまっていなかったか、ゴール高度に無駄はなくファイナルグライドの判断は適切だったか、などなど強いサーマルを使った利点を生かしきれなかった敗因について考えてみよう。
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  3. Map & Barograph
     Playをクリックして自身のフライトを復習してみよう。サーマルを使う回数があまり多いと効率が悪い。いきなりコアに入れるわけではなく、探し回ったりコアに寄せていく回数が多ければ当然平均上昇率は低くなる。サーマルの高さがあって平均的に強い場合はサーマルに入る回数を減らして一気に上がるほうが効率が良い。
    一方、その日の気象条件によっては高度が下がると急にサーマル強度が弱くなる場合があるので、その場合は高高度を維持しつつこまめにサーマルを拾いながらタスクを攻める方が良い場合がある。ライバルはどんな飛び方をしていたかをチェックしておこう。
     なお、先にも書いたが風が強い時はどこでサーマル旋回するのか良く考えよう。レグ上で横風成分が強い時は旋回中にどんどんタスクラインから離れていくので、可能であればタスクラインの風上側のサーマルを使ってタスクラインをまたぎながらフライトしていくのが一番フライト距離が短くなる。CondorのPDAのBearingにさらに風上に向かうための偏流成分を加えて進行方向を考えよう。
     また、TPを回った前後で向かい風・追い風成分が大きく変わる時は要注意。風上TPに向かっている時はサーマル回っている間に風に押し戻されてしまうので、サーマルトップまで上がらなくてもある程度で見切りをつけて先にTPを回ってから風下側に流されながらサーマルを見つけることもできる。高度が少々低くなって苦しくなってもサーマルで高度を稼いでいるうちにタスクライン上を流されていくので距離も僅かに稼げる。一方、風下側のTPに向かっている時にはTPを最大高度で回れるようにTP直前のサーマルをどこにするのか考えてフライトしよう。低高度で風下TPを回ったあと風上に向かってサーマルを探しながら飛んでいくのはかなり辛い。
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  4. Turn Points
     ライバルがタスクをどのように攻めたのかを知るには、レグごとの所要時間やTPの通過高度も参考になる。前項で書いたTPの通過高度をライバルはどう考えて飛んだのだろうか、どのレグでライバルは自分に差をつけたのか、自分の反省点はどこにあるのか、そうしたことを考えてみよう。
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  5. Flight Information
     最後にライバルのFlight trackやIGCデータのダウンロードもできるので使ってみよう。Condorにフライトデータを取り込んでライバルをGhostパイロットとして現れるようにすると、サーマルの場所も含めて気象条件が全く同じ条件でタスクを再チャレンジすることができる。また、IGCデータをダウンロードすると、SeeYouや他の解析ソフトやウェブサービスを利用してさらに細かくフライトの分析をすることもできる。
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     お奨めは SoaringLab 。年間15€のPro版にアップグレードすれば個々のサーマルでどのように旋回し高度を獲得できたかという分析もできる。このサービスはリアルのパイロット向けのサービスであるがCondorのフライトでもIGCをアップすれば解析可能。しかし、Condorのデータを登録すると実フライトのデータとして保存されてしまうので、リアルのパイロットを混乱させてしまわないようデータ解析だけにとどめておこう。

 タスク終了後、少したつと皆さんフライトトラックをどんどんアップデートしてきます。まだ興奮さめやらないうちに気になるパイロットのデータを見てみたりしているとあっという間に時間が経ってしまいます。でも、一つ一つの分析が次のフライトに役立つのでこれは大事です。フライトの技量がまだまだと思っている方もCondor Clubを使ってどんどん腕を磨いてください。

Naoki_NT3


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