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スペースジェットの失敗は、リサーチ不足? (2023/1/13 14:56:44)
スペースジェット(旧MRJ)。
三菱航空機が、YS-11以来、久々の国産旅客機として開発していましたが…。
現在、暗礁に乗り上げてしまったことは、皆さんもご存じだと思います。
では、何故スペースジェットの開発は暗礁に乗り上げてしまったのでしょうか?
そこには、開発のごく初期段階での「リサーチ不足」があったようなのです…。
そもそも、飛行機は作ってすぐ、「はい飛ばしましょう!」というわけにはいかないものです。
「安全性の証明」が必要なのです。
この飛行機が安全であるかどうかを調べている機関が、日本では「JCAB」と言われているものです。
JCABは、日本で飛ぶ飛行機すべてについて、その安全性を審査しているわけです。
もちろん、国産の飛行機に対しても、JCABはその安全性を審査します。
スペースジェットも、もちろん、このJCABの審査を受けてパスしているため…。
日本国内に限り、飛行もできるし、販売もすることは出来ます。
しかし…。
私のような無知な人間が、こう言うのもおかしいかもしれませんが…。
JCABは、正直力不足で、国際的には信用されていないんです!
なぜならば…。
日本は現在、スペースジェットの試作を除けば、民間機を1機も作ってはいないからです。
だから…。
外国の航空会社は、そんな今一つ信用出来ないJCABの審査しか通っていないようなスペースジェットは、敬遠せざ
るを得ないんですね…。
…。
となると、スペースジェットも、国際的に信頼のある機関で審査して、世界中で飛ばせばいいじゃないか!
ということになりますよね。
その国際的に一番信用されているのが、アメリカのFAAという機関になります。
このFAAの歴史は古く、長期にわたって起こったすべての飛行機事故を把握しており、事故の度に再発防止策を講じ
て、二度と同じ原因の事故を繰り返さない努力を、ずっと続けているのです。
それだけに、事故防止策のノウハウをたくさん持っているため、国際的にも信用されているんですね!
この事故防止策について、長年の歴史を持っているだけに…。
実は、現在のFAAの審査基準は、ものすごく膨大で厳しいものになっています。
この膨大で厳しいFAAの審査基準。
日本にいては、処々の理由で、どうやら、そのFAAの審査基準を知ることが出来ないようなのです…。
だから…。
ホンダジェットは、アメリカにその製造拠点を設立しました!
ホンダジェットは、日本製ではなく、あくまで、日本資本が作ったアメリカの飛行機なんですね!
この、「アメリカ製の飛行機」ということが、上にも述べた、FAAの審査基準を、あらかじめ知ることが出来る
んです。
そのため、ホンダジェットの場合は、設計初期段階で、FAAの審査基準を反映させた設計で進めることが出来た
ので、その実用化に成功したんです。
対するスペースジェットはというと…。
すべて日本国内だけで、その開発がすすめられたため、FAAの審査基準が分からず、いざ、JCABの審査が通
って、いよいよFAAの審査という段階になってから、「なにこの飛行機?危なくない?」と、FAAからツッコ
ミが入ってしまったわけです。
このFAAからのツッコミ…。
実は、スペースジェットの設計の初期段階からやり直さなければいけない、とんでもないものだったのです!
…。
だから、スペースジェットは暗礁に乗り上げてしまったんですね!
考えてみれば、スペースジェットの開発の、ごく初期段階で、アメリカの会社との共同開発などの形をとっていれ
ば、このようなことにはならなかったはずなんです…。
かつて、三菱航空機の親会社である三菱重工は、MU-300というビジネスジェット機を作っています。
この時は、アメリカにも関連会社をおいて、FAAの情報をとっていました。詳細は→ こちら
しかし、この飛行機、もう40年以上前に開発されたものです…。
私は勝手に思っているのですが、長年FAAの審査が必要な飛行機を作っていなかったため、このような基本的な
ことが分かる人材が、もはや、三菱航空機にはいなかったのではないか?
そう思えてしまうのです…。