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「バーティゴ」を知っておいて! (2023/1/23 20:47:51)
青森県三沢基地でのF35墜落。
石川県小松基地でのF15の墜落。
更に、10年以上前に発生した、青森県大間崎沖でのAS350 の墜落。
これらは、パイロットがバーティゴに陥ったために発生した事故と言われています。
バーティゴとは、空間識失調とも呼ばれている症状で…。
パイロットが、水平感覚を失ったために起こるといわれています。
先の2機の戦闘機に搭乗していたのは、ベテランパイロットだといわれています。
ベテランパイロットがどうして事故に?
いえいえ。高齢のベテランパイロットだからこそ、バーティゴに入りやすいんです!
体操選手は、激しい動きをしながらも、きちんと自分の体をコントロールして、きれいに技を決めますよね!
これは、演技中、正確に自分の体の姿勢を把握しているから、あんな動きが出来るんです。
バーティゴとは、激しく動く姿勢の中で、平衡感覚を喪失してしまい、姿勢が維持できなくなる状態です。
このバーティゴって、どうやら高齢の方の方が陥りやすいようなのです…。
残念ながら、パラグライダー、ハンググライダーで起こった事故の中で、数件ですが、このバーティゴを原因とし
た事故が起こっているようなのです。
これは、実際にバーティゴに陥ってしまったパラフライヤーが、運よく助かり、そのご本人から聞いた話なので
すが…。
スパイラル降下の最中、激しいGの中で下の景色を見ていた時、突然、自分が止まって景色だけがグルグル回って
見える状態に陥ってしまった!
なんだこれは!と驚き、自分がバーティゴ状態であることを知った。
とにかく水平が分からない!
そこで、落ち着いて、力を抜いてニュートラル状態にしてみると…。
やがて機体が水平になり、バーティゴから脱することが出来た。
そう言われていました。
飛行中、Gがかかってしまうと、そのGと重力が合わさり、正確な地面の方向、空の方向が分からなくなり、バーテ
ィゴに陥ってしまうようです。
また、上の事故事例の最後にご紹介したAS350の事故の場合は、海霧の中を飛行中(つまり、水平線が見えない状態
での飛行)にて、バーティゴに陥り、海に墜落したといわれています。
車に乗っているときさえ、濃い霧の中を運転すると、結構地面の傾きなんかが把握しづらくなってしまうことがあ
るもんですよね!
このバーティゴに陥らないようにするには、日頃から平衡感覚を鍛えておくことが有効と言われています。
しょっちゅうアクロバティックな激しい動きをする体操選手は、確かにバーティゴに陥っていませんしね!
この平衡感覚を鍛えておく方法なのですが、意外なものが効果があると聞いたことがあります。
…。
そう、ラジオ体操なんです!
体操ほど激しい動きではないのですが、でも…。
頭の回したり、体を振ったり傾けたり…。
そんな動作の間、実は、足平の狭い面積だけで、常にバランスを維持して体操しているわけなんですから…。
どうやら、思っている以上に、バランス感覚が鍛えられているようなのです。
これからパラグライダー、ハンググライダーの高齢フライヤーは増える一方なんですから…。
日頃からラジオ体操をして、平衡感覚を鍛えておけば、バーティゴに陥りにくいかもしれませんね!