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<飛丸日記 7月28日> 「最近思う事」(匠のPPT)
飛丸日記
(2024/12/25 18:57:24)
<飛丸日記 7月28日> 「最近思う事」(匠のPPT) (2023/5/24 17:41:15)
2か月に一回開かれる全社員集会。
話のくどさはさておき、「30時間は一人でしゃべり続ける自身がある」と
豪語している私だが、実は半分以上は空飛ぶ話である。
今回も、強引に空飛ぶ話を織り交ぜて話しをする。
(○○さん、ごめんなさい)
社員の皆さんには、基本的なお話は終わり、各論へと入る。
以下、題して「最近、思う事」
ー---
昨年7月の全社員集会で申し上げましたが、2020年5月のIRL着任以来、8回に亘り私として皆さんにお伝えしたい事は 一連の話としてマネジメント・メッセージにて発信致しました。
それ以降の入社の方は、機会があればイントラ等で読んで頂ければ幸甚です。
さて、今日は「最近思う事」と題して、単発的なお話をします。お題目は3つ。
先ず伊藤忠商事の2022年3月決算について。その数字は税後で8203億円です。1987年に入社した私に取っては驚くべき数字です。当時の数字を調べましたが、わかりませんでした。恐らく二桁違うのではと思います。今では学生の志望ランキングNo.1の会社になりましたが、当時は全くそんな事はありませんでした。そもそも私の4度の採用面接は全てハンググライダーの話をしていただけです。最終面接では人事部長が「君は目が輝いている」と言いながら握手してくれたことを覚えています。「趣味の話をしたら目が輝くのは当然じゃないか?大丈夫かなあこの会社は」と思ったのですが、本当に大丈夫ではありませんでした。1999年から2000年にかけて、伊藤忠は倒産の危機に直面しています。早期退職制度で何人もの方が辞めました。現在大手商社の中で、社員数が4000人台と他商社に比べ圧倒的に少ないのですが、それはこの時の影響です。私の当時の部長も辞めました。課長も辞めました。かつての部署の課長代行だった方も辞めました。一緒に働いていた方々がそうした形で止められるのは残念でなりませんでしたが、数年前に当時の社長と食事をする機会があり実情を聞いたところ、本当に危なかったと言っておりました。
それが何故今こんな良い数字を出せる様になったのか。先日同期とゴルフをした機会に2人で話し合いました。驚くべき事の一つは、例えば今回8つのカンパニーの内5つが過去最高益を出している事です。単なる資源高などの幸運ではなく、何かやり方がよかったのだろう。勿論「現状維持是即脱落」「奢れるもの久からず」慢心してはいけません。でも、その要因を考え、次に繋げる。またIRLに活かせるところは活かすべきです。
議論しましたが理由はよく分かりません。只一つ伊藤忠のDNAとして間違いなくあるのは「走りながら考え、そして修正していく」と言うことです。「やってみなはれ」とか、先ずトライすると言った話はどこにでもよくある話ですが、大事な事はその後、走りながら考え、修正を繰り返して行くことだと思います。この文化が大事な伊藤忠のDNAだと思います。そして私が、不遜ながら伊藤忠からの出向者として皆さんに伝えていくべき事だと思います。やってみて、失敗するのは良しとする、というか、最初はうまく行かないのは当たり前です。ポイントは、そこから考え、学び、何かを修正し、次へと繋げていく事です。
率直に言うと、IRLでは この後半部分「考え、そして修正する」というところがまだまだ足りないと感じています。
2番目のお題目。KPMGやトーマツ等、アドバイザー、コンサルタントなる方々がいます。これまでに私と一緒に仕事をしてきた方は良くご存じですが、私はこの「コンサルタント」は嫌いです。出来合いのもの、教科書に書いてあるような考え方を、さもこれが正論であると押し付けてくる。「そんなことは知っているけど、現実はもっと大変なんだ。あなたにはわからない現場の大変さがあるんだ。」と反発してしまうのですが、そういった話は兎も角、思う事は、出来あいのもので満足していたら、それでは普通の会社にしかなれません。大事な事はどうやって独創性、オリジナリティーを出すか。自分で考えて、Only Oneの存在になる。それが大事な事だと思います。
3つ目のお題目。今年、幾つかのコンプライアンス研修、ハラスメント研修を受けた中で、実は1つ驚いたコメントがありました。それは「自分で考えろ!」も場合によりパワハラになる、という事です。「自分で考えろ」と言うのは、私は伊藤忠に入社以来、ずっと言われ、また言い続けてきた事ですが、それも使い方次第でパワハラになる、というお話。正直、「えっ!」と思いました。
実は正に「そりゃ違うだろう、パワハラみたいなものだろう」という現場に先週居合わせました。
以前お話ししたように、現在パラグライダーの講習を受けており、先週末も筑波山に行きました。私は3回飛んだのですが、私の前の生徒がこのハラスメントを受けていました。「先生、今飛び出してもいいですが?」「そんな事は自分で考えろ!」私は「えっ!」とビックリしました。まだ自分で判断がつかない、出来ない方に無理やり「自分で考えろ」とか「ここから飛べ」と言ったところでそんな事は出来ません。その講師は生徒の力量を計った上でのコメントでしょうが、傍から聞いているとトンでもない会話です。
教える立場の人は相手の力量を見極めて適切に課題を出す。では、それでも出来ない人にはどうするか。
それは 課題を更にブレークダウンする事だと思います。「自分で考えろ」と言ったところで、考え方そのものが分からず、組み立てられない人もいます。自分も含め、相手、チーム、組織、会社の力量を見極め、やれる事をやる。そして現状に満足せず、一歩先への成長を目指す。
考えが纏まらなかったら、兎に角自分の考えを書き出し、「意思決定の見える化」をする。そして後で、どうやって意思決定したのかを見直し、失敗した時にどこが悪かったのかを反省する。実はこの「意思決定の見える化」をしたものの一つが申請書です。きちっと申請書を書くのは大事です。また上長に判断を求める時は、判断に必要な情報をきちんと提示し、その上で自分の考えを言う。これも練習です。
もっと良い考えに辿り着くにはどうしたら良いか。先ずみんなで考える。そして 堂々巡りではなく、考えを書き出し、議論を前に進めて行く
そうやって何度もエラー&エラーを繰り返し、そのやり方自体を進歩させて行く。最近いろいろ考えて、その手法である「文殊のPPT」や「匠のPPT」なるものを考案し一部の方と共有し議論を深めています。実際にこれがどういったものかは、また業務の中で機会があれば皆さんと共有したいと思います。
このマネジメント・メッセージで何度か言っているお話、それは「未来を予見し、やるべき事をやる、やれる事をやる。やりたい事をやる。」という事ですが、昨今特に、IRLにおいて私が「やりたい事」は こうした「匠な仕組みを作る事」だと考えています。「匠な仕組み」を作り、IRLを未来へと繋げて行く礎を作る。
これを皆さんと共にやって行きたく思います。
以上にて 今回の私の「マネジメント・メッセージ」と致します。
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<飛丸日記 7月28日> 「最近思う事」(匠のPPT) (2023/5/24 17:41:15)
2か月に一回開かれる全社員集会。
話のくどさはさておき、「30時間は一人でしゃべり続ける自身がある」と
豪語している私だが、実は半分以上は空飛ぶ話である。
今回も、強引に空飛ぶ話を織り交ぜて話しをする。
(○○さん、ごめんなさい)
社員の皆さんには、基本的なお話は終わり、各論へと入る。
以下、題して「最近、思う事」
ー---
昨年7月の全社員集会で申し上げましたが、2020年5月のIRL着任以来、8回に亘り私として皆さんにお伝えしたい事は 一連の話としてマネジメント・メッセージにて発信致しました。
それ以降の入社の方は、機会があればイントラ等で読んで頂ければ幸甚です。
さて、今日は「最近思う事」と題して、単発的なお話をします。お題目は3つ。
先ず伊藤忠商事の2022年3月決算について。その数字は税後で8203億円です。1987年に入社した私に取っては驚くべき数字です。当時の数字を調べましたが、わかりませんでした。恐らく二桁違うのではと思います。今では学生の志望ランキングNo.1の会社になりましたが、当時は全くそんな事はありませんでした。そもそも私の4度の採用面接は全てハンググライダーの話をしていただけです。最終面接では人事部長が「君は目が輝いている」と言いながら握手してくれたことを覚えています。「趣味の話をしたら目が輝くのは当然じゃないか?大丈夫かなあこの会社は」と思ったのですが、本当に大丈夫ではありませんでした。1999年から2000年にかけて、伊藤忠は倒産の危機に直面しています。早期退職制度で何人もの方が辞めました。現在大手商社の中で、社員数が4000人台と他商社に比べ圧倒的に少ないのですが、それはこの時の影響です。私の当時の部長も辞めました。課長も辞めました。かつての部署の課長代行だった方も辞めました。一緒に働いていた方々がそうした形で止められるのは残念でなりませんでしたが、数年前に当時の社長と食事をする機会があり実情を聞いたところ、本当に危なかったと言っておりました。
それが何故今こんな良い数字を出せる様になったのか。先日同期とゴルフをした機会に2人で話し合いました。驚くべき事の一つは、例えば今回8つのカンパニーの内5つが過去最高益を出している事です。単なる資源高などの幸運ではなく、何かやり方がよかったのだろう。勿論「現状維持是即脱落」「奢れるもの久からず」慢心してはいけません。でも、その要因を考え、次に繋げる。またIRLに活かせるところは活かすべきです。
議論しましたが理由はよく分かりません。只一つ伊藤忠のDNAとして間違いなくあるのは「走りながら考え、そして修正していく」と言うことです。「やってみなはれ」とか、先ずトライすると言った話はどこにでもよくある話ですが、大事な事はその後、走りながら考え、修正を繰り返して行くことだと思います。この文化が大事な伊藤忠のDNAだと思います。そして私が、不遜ながら伊藤忠からの出向者として皆さんに伝えていくべき事だと思います。やってみて、失敗するのは良しとする、というか、最初はうまく行かないのは当たり前です。ポイントは、そこから考え、学び、何かを修正し、次へと繋げていく事です。
率直に言うと、IRLでは この後半部分「考え、そして修正する」というところがまだまだ足りないと感じています。
2番目のお題目。KPMGやトーマツ等、アドバイザー、コンサルタントなる方々がいます。これまでに私と一緒に仕事をしてきた方は良くご存じですが、私はこの「コンサルタント」は嫌いです。出来合いのもの、教科書に書いてあるような考え方を、さもこれが正論であると押し付けてくる。「そんなことは知っているけど、現実はもっと大変なんだ。あなたにはわからない現場の大変さがあるんだ。」と反発してしまうのですが、そういった話は兎も角、思う事は、出来あいのもので満足していたら、それでは普通の会社にしかなれません。大事な事はどうやって独創性、オリジナリティーを出すか。自分で考えて、Only Oneの存在になる。それが大事な事だと思います。
3つ目のお題目。今年、幾つかのコンプライアンス研修、ハラスメント研修を受けた中で、実は1つ驚いたコメントがありました。それは「自分で考えろ!」も場合によりパワハラになる、という事です。「自分で考えろ」と言うのは、私は伊藤忠に入社以来、ずっと言われ、また言い続けてきた事ですが、それも使い方次第でパワハラになる、というお話。正直、「えっ!」と思いました。
実は正に「そりゃ違うだろう、パワハラみたいなものだろう」という現場に先週居合わせました。
以前お話ししたように、現在パラグライダーの講習を受けており、先週末も筑波山に行きました。私は3回飛んだのですが、私の前の生徒がこのハラスメントを受けていました。「先生、今飛び出してもいいですが?」「そんな事は自分で考えろ!」私は「えっ!」とビックリしました。まだ自分で判断がつかない、出来ない方に無理やり「自分で考えろ」とか「ここから飛べ」と言ったところでそんな事は出来ません。その講師は生徒の力量を計った上でのコメントでしょうが、傍から聞いているとトンでもない会話です。
教える立場の人は相手の力量を見極めて適切に課題を出す。では、それでも出来ない人にはどうするか。
それは 課題を更にブレークダウンする事だと思います。「自分で考えろ」と言ったところで、考え方そのものが分からず、組み立てられない人もいます。自分も含め、相手、チーム、組織、会社の力量を見極め、やれる事をやる。そして現状に満足せず、一歩先への成長を目指す。
考えが纏まらなかったら、兎に角自分の考えを書き出し、「意思決定の見える化」をする。そして後で、どうやって意思決定したのかを見直し、失敗した時にどこが悪かったのかを反省する。実はこの「意思決定の見える化」をしたものの一つが申請書です。きちっと申請書を書くのは大事です。また上長に判断を求める時は、判断に必要な情報をきちんと提示し、その上で自分の考えを言う。これも練習です。
もっと良い考えに辿り着くにはどうしたら良いか。先ずみんなで考える。そして 堂々巡りではなく、考えを書き出し、議論を前に進めて行く
そうやって何度もエラー&エラーを繰り返し、そのやり方自体を進歩させて行く。最近いろいろ考えて、その手法である「文殊のPPT」や「匠のPPT」なるものを考案し一部の方と共有し議論を深めています。実際にこれがどういったものかは、また業務の中で機会があれば皆さんと共有したいと思います。
このマネジメント・メッセージで何度か言っているお話、それは「未来を予見し、やるべき事をやる、やれる事をやる。やりたい事をやる。」という事ですが、昨今特に、IRLにおいて私が「やりたい事」は こうした「匠な仕組みを作る事」だと考えています。「匠な仕組み」を作り、IRLを未来へと繋げて行く礎を作る。
これを皆さんと共にやって行きたく思います。
以上にて 今回の私の「マネジメント・メッセージ」と致します。
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