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<飛丸日記 8月1日> 「ある町工場の物語」
飛丸日記
(2024/12/25 18:57:24)
<飛丸日記 8月1日> 「ある町工場の物語」 (2023/8/4 14:47:21)
7月24日、自宅に寄った時、躊躇しながらも喪服と思われる服を持つ。
7月27日、お通夜当日朝、ケースを開ける。
んんん!!!どう見ても濃い青だ。喪主である。流石に許されない。
式典開始まで後4時間、娘と共に、隣町に喪服を買いに行く。
相変わらずアホやなあ。喪服は何処にあるんだろう?
最後に使ったのは何時だ?
ん?親父の葬式の筈だ。実家にあるかもしれない!
娘が実家にいる息子に電話をする。探してもらう。慌てて引き返す。
一件落着。我が子供たち、素晴らしい連携プレーである。
いやそもそも、手間のかかる親父だ。
無駄に持ってきてしまった背広服。
伊藤忠を退職する今、もう着る機会もないだろう。
いや、世の中はうまく出来ている。今日は背広を着て行こう。
8月1日(月)、この機会にメイン・バンクの新支店長とのご挨拶。いざ出陣。
「伊藤忠では、ブルネイ・プロジェクトで銀行団に300億円以上の融資をして頂く等、
銀行さんとは直接お付き合いする機会が多かったです。
融資先の与信リスクに対し、時に担保を取らないといけない事はわかります。
でも、どうしても気持ちが収まりません。
交代のご挨拶の直後に説明もなく行うと、問題になるかもしれません。
事前にお話しさせて下さい。」
「つい最近、実家の土地建物の登記資料を取り寄せる機会がありました。
昭和57年9月29日、実家に数千万円の担保設定がされている事に気が付きました。
9月29日と言えば、葬儀の喪主挨拶で話した洪水の、僅か十数日後です。
倒産するかもしれないと親父が言っていたのを覚えています。
私は大学に行けないかもしれないと思いました。
担保設定をして追加融資をして頂いたのかも知れません。
地域に根差す地方銀行として、きちんと対応されたのでしょう。
御行が過去弊社に御支援して頂いた事には、改めて御礼を申し上げます。
只、その時の親父の気持ちを思うと、どうしてもすんなりと納める事は出来ません。
気持ちが収まるまで、貴行に預けているお金を、可能な限り他行に移させて頂きます。
兄貴が亡くなり、親父が亡くなり、お袋と遠隔経営でなんとかつないできた町工場。
私が会社を継げたのも、無借金経営まで会社を持って来てくれていたお陰だ。
実家で弔問客を迎える中、親父から受けた薫陶が書いてある額を目にする。
「人としていきる。これがこの道。さてもさても理。」
親父、お袋、兄貴、3人の遺影に向かい、話す。
「親父悪い、私はまだまだその域には達しない。」
身近で起きている事だけでなく、ウクライナとロシアの問題。
中国と台湾、アメリカとの問題等など。
思うに「世の中を動かしているのは感情である。」
「人の想い」こそ、私は大切にして生きて行きたい。
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<飛丸日記 8月1日> 「ある町工場の物語」 (2023/8/4 14:47:21)
7月24日、自宅に寄った時、躊躇しながらも喪服と思われる服を持つ。
7月27日、お通夜当日朝、ケースを開ける。
んんん!!!どう見ても濃い青だ。喪主である。流石に許されない。
式典開始まで後4時間、娘と共に、隣町に喪服を買いに行く。
相変わらずアホやなあ。喪服は何処にあるんだろう?
最後に使ったのは何時だ?
ん?親父の葬式の筈だ。実家にあるかもしれない!
娘が実家にいる息子に電話をする。探してもらう。慌てて引き返す。
一件落着。我が子供たち、素晴らしい連携プレーである。
いやそもそも、手間のかかる親父だ。
無駄に持ってきてしまった背広服。
伊藤忠を退職する今、もう着る機会もないだろう。
いや、世の中はうまく出来ている。今日は背広を着て行こう。
8月1日(月)、この機会にメイン・バンクの新支店長とのご挨拶。いざ出陣。
「伊藤忠では、ブルネイ・プロジェクトで銀行団に300億円以上の融資をして頂く等、
銀行さんとは直接お付き合いする機会が多かったです。
融資先の与信リスクに対し、時に担保を取らないといけない事はわかります。
でも、どうしても気持ちが収まりません。
交代のご挨拶の直後に説明もなく行うと、問題になるかもしれません。
事前にお話しさせて下さい。」
「つい最近、実家の土地建物の登記資料を取り寄せる機会がありました。
昭和57年9月29日、実家に数千万円の担保設定がされている事に気が付きました。
9月29日と言えば、葬儀の喪主挨拶で話した洪水の、僅か十数日後です。
倒産するかもしれないと親父が言っていたのを覚えています。
私は大学に行けないかもしれないと思いました。
担保設定をして追加融資をして頂いたのかも知れません。
地域に根差す地方銀行として、きちんと対応されたのでしょう。
御行が過去弊社に御支援して頂いた事には、改めて御礼を申し上げます。
只、その時の親父の気持ちを思うと、どうしてもすんなりと納める事は出来ません。
気持ちが収まるまで、貴行に預けているお金を、可能な限り他行に移させて頂きます。
兄貴が亡くなり、親父が亡くなり、お袋と遠隔経営でなんとかつないできた町工場。
私が会社を継げたのも、無借金経営まで会社を持って来てくれていたお陰だ。
実家で弔問客を迎える中、親父から受けた薫陶が書いてある額を目にする。
「人としていきる。これがこの道。さてもさても理。」
親父、お袋、兄貴、3人の遺影に向かい、話す。
「親父悪い、私はまだまだその域には達しない。」
身近で起きている事だけでなく、ウクライナとロシアの問題。
中国と台湾、アメリカとの問題等など。
思うに「世の中を動かしているのは感情である。」
「人の想い」こそ、私は大切にして生きて行きたい。
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