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feed <飛丸日記 9月1日> 「今、やるべき事は何か」 その① (2023/9/14 0:00:58)
230831B-F000-TMC 第22回帰省会議

ブログでは極力触れてこなかったが、そろそろ伊藤忠時代の話をしてもいいだろう。
時は1999年から2000年に掛けて、伊藤忠の経営がかなりやばかった頃の話。
部長が指名され、課長が指名され、それぞれが断りになられ、辞めて行った
中国本土に工場、香港に本社がある問題事業会社の社長の座。
「買収前に商売を始めたのは私です。自分が行っても良いですよ。」
平社員だった私が、思い切って手を挙げる。
社員数は97人。37歳の時である。

紆余曲折、様々な議論がなされる。最後は役員室に呼ばれ、二人で話し合った。
後に専務となるこの方とは、以前課長・課員だった間柄。
「まあ、お前だったらなんとかやっていけるだろう。」
 
ここでとんでもないことが起きる。
某伊藤忠商事は、無茶苦茶な会社である。
 なんと、中国語が話せないにもかかわらず、通訳もいないのに、
先ずは中国で工場勤務をせよと広東省東完市での勤務が言い渡される。
 いや、ありがたい限り、赴任前にベルリッツに16時間も通わせてくれた。
 
赴任しても全く社員とコミニュケーションが取れない。
東京からはあれをやれ、これを調べろと指示が来る。一体どうしろと言うのか。
 
最近は関係が宜しくないが、同じ漢字文化圏と言うのは非常にありがたい事だ。
筆談でやりとりを進め、勤務時間外に中国語を学ぶ。
語学学校に行きたいところだったが、辺鄙なところでどうしようもなかった。
 
「何しにきたんだこいつは」と社員さんの冷たい視線が突き刺さる。
考えたこと。「そうだ!Excel博士になろう。それなら、社員とコミニュケーションが図れる。」
徹底的にExcelを勉強し、会社の管理会計、生産管理、物流システムを作り上げた。
作戦は予想以上に大成功。社員さんは「エクセルを教えて欲しい!」と懇願して来る。
その時の積極的な態度は今でも忘れられない。もう日本では期待出来ない光景だろう。
その後、香港に移駐し社長となる。
会社の動きが手に取る様によくわかるデータなのだが、あまりの量にメイルで送付出来ない。
月に一度、CD-ROMでファイルを運んでもらう事にした。
帰任時には、自分が言いたい事は英語よりも話せる様になっていた。
まあ、比較する対象が酷すぎると言う事もあるが。

日本に帰任してから4年が経ち、会社をまた訪れる機会があった。
初めて会う社員から会社の説明を受ける。
 会社を運用する基幹システムとなっているExcelを誇らしげに説明してくれる。
「ここのデータ更新はどうしているの?」システムの難点を突くいやらしい質問をする。
「何故、そんなことがわかるの?」と怪訝な顔をしてしながらも、
「整備されたマニュアルに従い、この様にやっている」とやって見せる社員。
良しよし、うまく運用されている。
思わず、自分に指を指す。「実はこれを作ったのは私です。!}
 
自分自身に対する「人生の自慢話」の1つである。

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