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とんでもない人力飛行機発見!! (2023/10/26 19:33:57)
私は茨城県の石岡市在住。
直ぐ隣に、筑西市という街があるのですが…。
この筑西市には、「ヒロサワシティー」という施設があります。
このヒロサワシティーには、バイクや車、電車、そして、飛行機の博物館があるんです。
現在は、まだ、これらの博物館の多くは整備中で、残念ながら、一般公開されているものは少ないのですが…。
当然ですが…。
私は飛行機好きなため、このヒロサワシティーの航空機博物館が気になって仕方がない!
聞けば、このヒロサワシティーの航空博物館には、あの、国産旅客機第一号のYS-11の一番機、更には、零戦5
2型の実物なども展示されているようです!
当然、そのヒロサワシティーのHPページをちょくちょく私は開いていたのですが…。
そこで、私はとんでもない飛行機が、そのヒロサワシティーに展示されていることに気がついてしまったんです!!
…。
して、これが、問題のヒロサワシティーのHP内の航空博物館の写真ですが…。
お! 確かに、YS-11型機に零戦52型、更には、シコルスキー58などがありますね!
…。
ん!…。
何やら右上端に、人力飛行機らしき機体が…。
ええええええ!!!
この人力飛行機、どう見ても、あの伝説の人力飛行機、「ストーク」じゃないですか!!!
まさか、この伝説の人力飛行機が、現在に残っていたなんて…。
この機体、現在、琵琶湖で毎年行われている「〇人間コンテスト」の人力飛行機のベースとなったといっても過言で
はない機体です!
このストーク、今から48年も前に、日大理工学部にて、戦後の日本の航空界の巨頭、木村秀政氏の指揮のもと、
人力飛行機の世界記録を塗り変えるべく製作された機体なのです!
このお話を進めていくうえで、まずは「木村秀政氏」について、ご説明しなければなりませんね!
この方、日本の戦後の航空界の父と言われている方です。
既にお亡くなりになられていますが、第二次大戦の前後にかけて、航続距離の世界記録を作った「航研機」や、ロケ
ット戦闘機の「秋水」、更には、上の写真にもあるYS‐11型機のとりまとめなども手掛けられた、日本航空界の偉大
なる存在なのです!
敗戦後、日本はアメリカからの指示で、約8年の間、航空機の開発の停止を命じられました。
実は、戦争中、日本が開発した航空機が、思いのほか高性能だったため、その発達をアメリカが恐れたための処置だ
ったといわれています。
この日本に対する航空機開発禁止令のなか、それまで世界の第一線を走っていた、多くの日本の航空技術者は、フラ
ストレーションをかかえることとなります。
優秀な航空機を設計できる力があるのに、それが出来ない…。
零戦を設計した堀越、飛燕を設計した土井、一式陸攻を設計した本庄、そして、木村秀政…。
多くの航空技術者が悔しい思いをすることとなります。
しかし、彼らのフラストレーションを吹き飛ばす出来事が起こります!
国産技術にて、新しく輸送機を作ろうというプロジェクトが立ち上がったのです!
輸送機,設計…。Y、S。 それに、国産エンジン1号。機体1号。
名付けてYS-11です!
この新しい国産飛行機のとりまとめを、木村秀政氏が行うこととなります。
木村氏の他、多くの技術者の協力の元、日本の国土で使うにあたり、優秀な性能を持つ、YS‐11が完成しました。
木村氏は、その後も日本の航空界の発展のために、尽力します。
その活動の一つが、若い技術者の卵たちを育てるために、彼らに人力飛行機の開発を勧めたのです。
人力飛行機は、一見お遊びに見えますが、そこには、高い知識と技術力、そして、何よりも飛行機作りには欠かせな
い「チームワーク」が必要です。
そんな、飛行機作りには必要不可欠なものを、木村氏は若い人たちに身に着けて欲しかったんですね!
木村氏はそのほかにも、読売テレビからの要請で、毎年琵琶湖で開催されている〇人間コンテストの初代審査員など
も手掛けられています。
私は一度だけ、高校生の時、琵琶湖の会場にて、木村氏を遠くから拝見したことがあるくらいですが…。
間接的には、現在、同大会にて、木村氏の後を引き継ぐ形にはなりましたが、直接的には同氏との接点がないことが
残念…。
このストークという人力飛行機、まだCFRPもなかった時代に、スプルース材、バルサ、ヒノキ、そして、模型飛行
機用のガンピと言われる和紙を張り、仕上げに確かドープという塗料を使ったと記憶しています。
そのような天然素材だけで作られていたにもかかわらず、ストークは30キログラム台の重量に収められていた
と思います。ストークの詳細についてはこちら→ 人力飛行機
とにかく、このストークが現存していたことが驚きです!
よくぞ48年間も保存していたと思います。
現在の人力飛行機のように、CFRPやスタイロホームなどは一切使わず、非常に手間がかかる工法で丁寧に作られた
機体です。
大変貴重な機体なので、このヒロサワシティーで恒久的に保存していただけることは、とても喜ばしいことだと思い
ます!
〇人間コンテストで、人力飛行機の製作を夢見る若者は、是非、この機体を見ることをお薦めいたします。
天然素材だけでも、これだけの人力飛行機が作れるということに、きっと驚かれると思いますよ!