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サンダーバード2号は本当に飛ぶように出来ていた! (2023/12/4 20:14:44)
前回まで、懐かしいSF物語ウルトラセブンで登場した、「ウルトラホーク1号」の、無用とも思える水平尾翼につ
いて、大真面目に考えてみました。
そして今回…。
そんな懐かしいSF物語の中でも、皆さんお馴染みのあの飛行機が、実は理論的にも高性能な可能性があることに、
私は気づいてしまったので、その飛行機について、また、大真面目に解説してみたいと思います!
…。
して、SF物語での登場ではありますが、実際に理論的に考えて、本当に高性能な可能性のある飛行機とは…。
サンダーバード2号なんです!
この飛行機、なんで高性能な可能性があるのか…。
順を追って、これからご説明いたします…。
まず、サンダーバード2号のお話を始める前に、このSF物語についてのご説明!
架空の組織、国際救助隊が、この物語では活躍します。
世界で起こるあらゆる事故、災害に対して、国際救助隊が救援に向かうというドラマ設定。
サンダーバード1号から5号、更に、あらゆる救援機が登場します。
この物語の中で、今回ご紹介するサンダーバード2号は、事故現場に救援機を運ぶための輸送機として活躍するので
すが…。
まず、その機動性が素晴らしい!
いくつかのコンテナポッドに、あらかじめ救助に必要な救援機が載せられているのですが…。
出発前に、ベルトコンベアーに載せられたコンテナポッドがラインを移動し、即座に機体と合体!
あっという間に離陸!というものです!
正直、この機動力は本当にスゴイ!と思います。
実際にコレ、実用化出来たら素晴らしいんじゃないでしょうか?
現在、飛行機で物資を移動する場合、空港に降り立ってから、一つ一つの荷物をおろして、カーゴ車に移し
替えています。
しかし…。
このサンダーバード2号方式を用いれば…。
例えば現在の輸送機でも…。
飛行機からコンテナポッド部分だけを分離!
下で待ち構えていたトレーラーが、このコンテナポッドを受け取る、あるいは連結して…。
そのままブ~ンと走っていけたら、ものすごく効率が良いと思いません?
これ、本当に今の航空機メーカーで検討していただきたいアイデアと思います。
更にこのサンダーバード2号について、航空力学の見地で見ていきたいと思います。
この飛行機で、まず目につくのは、そのずんぐりとした胴体…。
これ、胴体でも揚力を発生する目的のもので、「リフティングボディー」と言われていて、実際に存在しています!
サンダーバード2号では、この胴体に発生する揚力だけでは飛行が困難なため、前進翼の小さな主翼があります。
この前進翼の翼、飛行機にとって危険な「翼端失速」を防ぐ、優れた特性が実際にあります。
しかし、この前進翼は、荷重がかかり上向き反ると、一瞬で破壊してしまうダイバージェンスという現象に陥りやす
い欠点もあります。
しかし…。設計を突き詰めると可能な翼でもあり、実現すれば高性能が期待できるんです!
一見、このサンダーバード2号は、主翼、胴体で発生する揚力が少ないように見えるのですが、そもそも、サンダー
バード2号は、VTOL…。つまり、垂直離着陸できる設定になっていますので、むしろ、このくらいのバランスの方
が現実的だと思います。
このサンダーバード2号には、後ろに大きな水平尾翼がありますが…。
これもとても現実的!サンダーバード2号のような、ずんぐりムックリの機体は、実際に風圧中心位置の移動が激し
いため、実は本当に大きな水平尾翼が必要なんです!!
もっと驚くべきことは…。
この尾翼の配置!
垂直尾翼が胴体の両側に2枚。
その上に水平尾翼があります。
コレ、本当に本当に、このような形の飛行機では、理想と言える配置なんです!
まず、垂直尾翼が胴体の両側に2枚ありますが…。
この配置は、飛行機が高迎え角になった時、胴体からの乱れた気流の影響を受けにくい形なんです!
実際に、現在の戦闘機の形を思い出してください。
ほとんどは垂直尾翼が2枚になっていないでしょうか?
これは、上にご紹介した理由からなんですね!
そして、その2枚の上にある水平尾翼。
コレ、実際に「ディープストール」と言われる、飛行機にとってとても危険な現象を防ぐ効果があります。
このディープストールとは、飛行機が高迎え角で飛行しているときに、主翼から発生する乱流領域に水平尾翼がある
と、舵が効かなくなり、そのまま失速→墜落となる危険な現象です。
主翼が胴体の上にある現在の「高翼機」では、垂直尾翼の上に水平尾翼がある「T尾翼」形式が用いられています。
こうしないと危険なため、飛行機としての「認可」もおりないようですね!
サンダーバード2号では、ちゃんと目いっぱい水平尾翼の位置を上にして、安全にしているわけですね!
更に更に、エンジンの配置も理想的!と、いえるものなんです。
サンダーバード2号のエンジンは2基。
胴体の後ろに離れた位置で配置されています。
このように、エンジンの位置を離すと、左右の重心位置のズレに強い飛行機が作れるんです!
サンダーバード2号の役目は、物資を運ぶこと。
ならば、少々の重心位置のズレがあっても、それの補正を行いながら飛べるということは、理想的なんです!
今までのご説明でもお分かりになったと思いますが…。
サンダーバード2号って、寸分の隙もないくらい、現実的に輸送機として高性能な可能性を持った飛行機だったんで
す!
これ私思うのですが…。
この飛行機をデザインした方って、相当飛行機に詳しい方じゃないかと思うんです…。
サンダーバードは架空の物語ではありますが、その物語の中では、リアリズムもないと説得力も生まれてきません。
つまり、物語が面白くなくなってしまうんです。
しかし…。
ここまでリアリズムを追求されると、思わず「現実的に出来るんじゃない?」と、思えてきて…。
未来を夢見ることが出来るんじゃないかって、私は思います!