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北朝鮮ミサイルを冷静に分析! (2023/12/18 20:07:17)
また、北朝鮮がミサイルをぶち上げましたね!
今度はどうやら固体燃料ミサイルのようです…。
とうとう北朝鮮も、固体燃料エンジンが作れるようになったんですね!
ここ近年、頻繁にぶち上げるようになった、北朝鮮のミサイル。
今夜は、この北朝鮮のミサイルについて…。
いままで上げられていた液体燃料ミサイル、そして…。
これからあげられるようになるであろう、固体燃料ミサイルについても、少し説明させて頂きたいと思います!
まず、初めにお話ししておきますが、「ミサイル」と「ロケット」の違いをご存じでしょうか?
実は両方とも基本的には同じもの!
ペイロード…。つまり、荷物に何を積むかの違いだけ…。
積み込む荷物が爆薬であればミサイル。それ以外であればロケットと呼びます…。
この違いだけなんです。
そのことを最初にお話ししたうえで、本題に入っていきたいと思います。
まず、北朝鮮のミサイルって、燃料は何を使っているか…。
これ、ヒドラジンでほぼ間違いないと私は思っています。
なんでそんなことが分かるのかって?
テレビ画像だけでも、だいたいですが、それが分かるんです!
ロケットエンジンから出る煙!
この煙の色で、だいたいですが、そのミサイルの燃料が分かります!
更に、その燃料から、おおよそですが、そのミサイルの詳細までも結構分かるんです!!
例えば、日本が上げているH2ロケット。
H2ロケットの燃料は、水素と酸素ですが…。
そんなH2ロケットの煙の色は、白です!
これ、水素と酸素の反応で水が出来るため、ほぼ100パーセント水蒸気が出ているからなんですね!
また、月に人類を送り込んだサターンⅤ型ロケット。
このロケット第一段目の燃料は、酸素とケロシン。ケロシンとは灯油のことです。
このロケットの煙の色は、灯油が燃えるため黒い煙が出ます。
…。して、問題となっている北朝鮮ミサイルの煙の色…。
これ、テレビの画像を見ている限り、今まで上がっていたものは、ずっと透明でした!
写真は土煙が混じっていますが、エンジンからは透明な煙しか出ていません。
透明な煙の色の燃料…。
これって、一番可能性が高いのが、ヒドラジンという燃料なんです。
アルコールが燃料の場合も、透明の煙が出ますが…。
恐らくなんですが、北朝鮮ミサイルって、ソ連が開発した「スカッドミサイル」の進化型のはず…。
スカッドでは、その燃料にヒドラジンが使われていたため、そのままその燃料が使われていると私は思ってい
ます。
このヒドラジンという燃料。
酸素などの酸化剤に触れると、直ぐに燃焼が始まる、きわめて化学的に不安定な物質です。
でも…。
不安定なだけに、ロケットエンジンには、とても都合が良い燃料でもあります。
だって、酸素なんかの酸化剤に触れるだけで、即、燃焼を始めわけですから…。
燃焼室にヒドラジンと酸化剤をぶち込むだけで済みます。
これ、シンプルな構造のロケットエンジンが作れるということでもあるんですね!
シンプルな構造で良ければ、それだけ、開発期間が短く出来るということでもあります!
だからこそ、北朝鮮は、ヒドラジンを燃料とした、透明な煙の出るミサイルを作り続けているんだと、私は思いま
す。
だた、このヒドラジン燃料のロケットエンジンには、欠点があります。
まず、ヒドラジンのコストがかかること…。
そして、燃えたときの熱量が、水素や灯油などと比べ少なく、効率がイマイチであること…。
この二つがあります。
熱量が少ないということは、推力が得られないということです…。
つまり、打ち上げられるペイロード、爆薬も少ないということですね!
H₂とO₂を燃料とする、日本のH2ロケットは、燃料の温度管理が難しく、技術的にも困難ではありますが…。
より重いものを宇宙にあげることが出来ます。
炭素Cと水素Hの化合物ケロシンと、O ₂を燃料とするサターンⅤロケットも、北朝鮮のミサイルに比べてれば効率
が良いわけですね!
つまり、北朝鮮は、効率の良いロケットエンジンの開発よりも、早く、簡単に開発できる「ヒドラジン」を燃料とし
たロケットエンジンの開発に、今まで焦点をおいてきたということです!
これは、北朝鮮がおかれた現在の立場だと、当然のことだと私は思います。
とにかく…。
北朝鮮が、現在一番恐れているのは「アメリカ」です。
それに対し、とりあえず、「脅威」を与えられるミサイルが、早期のうちに開発出来ることが、彼らの一番の狙いな
んですから…。
北朝鮮のミサイルは、その燃料にヒドラジンを用いているといいましたが…。
実は、ヒドラジンを燃料とするロケットエンジンには、現在、ある問題が発生しています。
それは…。
世界的なヘリウム不足なんです…。
なんでヘリウムが関係するのかって?
これ、大いに関係しているのです。
ヒドラジン燃料のロケットエンジンは、燃焼室に燃料を送り込むときに、ヘリウムの圧力でヒドラジンを押し出して
いるからなんです!
ヘリウムは化学的にとても安定した物質で、他の物質と化学反応を起こしません。
だから、安心して、化学的に不安定な物質であるヒドラジンに、思いっきり圧力をかけることが出来るんです!
しかし…。
先にも申し上げたように、現在は世界的なヘリウム不足に陥っています。
これ、あのホリエモンロケットのIST社でも、MOMOロケットを上げるときは、ずいぶん苦労されてヘリウムを集め
たと聞いています。
つまり…。
北朝鮮のミサイル開発も、今までの液体燃料ロケットでは、ヘリウムが手に入らないため、この先その製造が不安定
になってしまうでしょう。
だから…。
敢えて現在、北朝鮮は、「固体燃料ミサイル」に走っているということも考えられると思います。
固体燃料ミサイルは、ニュースでも言われているように、液体燃料ミサイルよりも迅速に打ち上げられる利点があり
ます。
しかし…。効率で言うと、水素はもちろん、ケロシン、更にヒドラジンなどを燃料とする液体燃料ロケットよりも、
更に更に性能が落ちてしまいます…。
つまり、今までのミサイルより、更に更に打ち上げられる爆薬が少なくなるということですね!
北朝鮮の狙いは、とにかくアメリカに脅威を与えることです。
だからこそ、たとえ打ち上げ能力の低い個体燃焼ミサイルでも…。
アメリカにさえ届けば良い…。
そんな考えなんだろうと、私は思います…。